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学習方法/高校受験/高校受験全般

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

範囲

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公立高校の入試ですら、国数英と理社とで、出題範囲の傾向が、けっこう違います。

国数英は、語釈やヒントなどで、高校の範囲が少し出る場合もある。

理社は、ほぼ中学の範囲だけであり、またそのため、暗記問題の比重が高い。

国数英の範囲

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偏差値50前後およびそれ以下の公立高校受験の範囲は、中学の3年分です。中1~中3です。

中3だけではないので、復習を忘れないようにしましょう。

また、「中3まで」ではない、です。公立高校ですら、国数英では、難関公立では高校1年の範囲が出る場合があるのが、2020年代での高校入試の特徴です。高校受験参考書の、ハイレベル参考書にある「発展」とか「応用」とかの部分は、実は高校1年の範囲だったりします。

どういう事とかというと、偏差値が高めの公立高校や、難関の私立高校などだと、暗記科目などで高校1年の範囲に入っている場合もあります。英語など文系科目で、その傾向があります。(市販の参考書で、普通にそのような出題傾向が確認できます。)

教育委員会などの役所は、「公立高校入試の範囲は、あくまで中学の範囲」とか言い初かもしれませんが、建前(タテマエ)です。「自衛隊は軍隊ではない」とかと同じような、役所のタテマエです。そういう事にしておいてあげましょう。「思いやり」という、日本に美徳。

高1範囲とはいえ、普通にハイレベルな参考書で、勉強を出来る範囲です。

このため予習が必要なので、高校受験の参考書で良いので、「発展」などの範囲を予習をしましょう。ハイレベルな高校受験参考書で行いましょう。

ハイレベル参考書には、いちいち「高校の範囲」かどうかは書いていませんが、参考書の後半や章末などの「発展」とか「応用」とか書いてある部分が、事実上の高校1年の範囲です。


公立高校の出題傾向の範囲が、「脱ゆとり教育」をする2010年以前とは、けっこう範囲が異なっています。

数学などでも、応用問題の形で、中学の知識の組み合わせで解ける、高校1年の問題が出る場合もあります。これも、普通にハイレベル参考書などでも対応できる範囲です。


よく分からないなら、「難関高校では、公立高校でも私立高校でも、高校1年の範囲(高校受験のハイレベル参考書で勉強できる範囲)が出る」と思っておけば、安全です。

現代の公立高校進学は、難関公立の生徒にとっては、高校1年の1学期の4~5月くらいの授業は、もはや高校受験の復習みたいなものです。(「ゆとり教育」だった2010年以前とは違います。)

理社の範囲

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公立の高校入試の理科と社会は、基礎学力ではなく、記憶力をためしてきます。

植物の「道管」と「篩管」の位置関係でどっちが内側とか、そういうのは記憶力です。(なぜなら、これを覚えていなくても、高校の生物の勉強は可能ですので。)

べつにそれを批判しているのではなく、高校入試の対策法も、その事を考えないといけません。


具体的には、英語や数学などと違って、高校の範囲の先取り学習をしても、公立高校入試の理科・社会では得点が上がりづらい。というか、まず、まったく、得点が上がらない、と見なしてよいでしょう。

ただし、私立高校入試だと、発展的な高校受験参考書にある高校範囲の学習によって、得点が上がります。


英語などと違って、「語釈はあるが、長文問題に、高校範囲の英単語が出てくる」みたいな高校範囲の出題は、公立高校の理社では、まったく無いので、公立高校の入試では、先取りが無効です。

公立高校進学でも私立の範囲まで勉強をしよう

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5教科全般

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高校受験の20世紀からある常識的な勉強法なのですが、

たとえ経済的な都合により公立高校に進学する予定の家庭であっても、

高校受験の勉強の段階では私立高校の入試問題も解けるようにしてください。

なお、2020年代の現代、難関公立高校の入試と、私立進学校の入試問題との差は、あまり違いがありません。


また、参考書などにある「私立高校範囲」の国数英は、実際には現代では、難関公立高校の範囲だったりする場合もあります。

参考書にある「公立高校範囲」しか勉強していないと、それはもしかしたら、公立の偏差値50の高校の範囲かもしれません。偏差値65以上の公立高校には通用しない範囲の場合もあります。

よって、安全のため、私立高校の範囲も勉強しましょう。


一般的な参考書なら、あまりの難問・奇問は、参考書には掲載されていないはずです。(そういうのをどうしても見たい場合、難問集などで確認する事になります。)

そもそも高校入試の場合、20世紀の昔から、平均的な公立高校入試よりも、平均的な私立高校入試のほうが、問題のレベルが上でした。(21世紀では公立高校入試の改革により、県トップ公立高校などの入試は難しくなりました。)

暗記科目などでは、一部、私立入試では、高校の範囲に入る場合もありました。

普通の参考書なら、章末や後半部などは、私立高校レベルです。


高校受験の場合、公立対策しか しないと、勉強範囲がとても狭くなりがちです(21世紀では少しはマシになったが、20世紀の公立高校入試はかなり範囲が狭かった)。このため、意欲的な子は、たとえ低所得の家庭であっても、昔から私立の範囲も勉強するのが、高校受験勉強の習わしでした。

どのみち、高校に入ったら私立入試の範囲も勉強するので、なるべく私立入試まで勉強しましょう。

理社

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理社は、公立高校受験と、高校入学後の授業内容が、ややズレています。特に理科。多くの中高生が、高校入学後に「中学卒業までは理科が得意だったけど、高校に入ってから急に理科が苦手になった」という症状になります。

私たちは、そういう先人たちの歴史を当wikiで知ることができるので、対策を打ちましょう。

なるべく発展的な参考書で、理社も、10月くらいまでは高校初級の範囲までも先取りを並行しておく事を進めます。(ただし、中学範囲の復習も、並行して進めておく事)。

高校入試の実際

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高校受験に臨む時、まず実際の試験の出題がどうなっているか、市販の過去問集で把握しておくと良い。

公立校なら、自分の受ける都道府県の過去問集、私立なら、各有名校の過去問をまとめて抜粋している書籍がありますのでそれを読めば良いでしょう。

3年生の初めの方では、まだ過去問を解く必要はなく、一覧してざっと読んで、高校入試の出題範囲を確認してみるのが推奨です。

なお、文系科目で顕著な傾向なのですが、高校入試の試験問題で、中学範囲を少し超えた問題、おそらく高校で扱うような事柄にも少し触れる事があります。


国語で少し発展的な難しい語句が使われたり、社会の歴史で学校教科書で扱わないような古文書が取り上げられたり。

鳥取県の英語の試験問題では鳥取砂丘(とっとりさきゅう)に関する英単語が使われていました。

しかし多くの場合、難しい英単語には、試験問題上で注釈がついて、説明がある場合が多いです。

住んでいる地域に特徴的な事項は、よく出題されるようです。

このため、「県」prefecture (プリフェクチュア)という単語は、公立高校入試でも、難関公立だと、よく出ます。

まず…

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あくまでも一例ですが、すべての教科にわたっての総合的な学習方針として、以下のような指摘をしておきます。

  • 家での自習は市販の参考書を読み学習するのが良い。おそらくドリルや問題集よりも参考書の方が優先で重要だと考える。なぜなら、学問・勉強の本質は、物事を理解することだからです。教科書は、授業の前提の導入として作られているので、やや説明不足な場合もあり、ですが図版が豊富という利点もあったりするので、補助教材として教科書を使おう。過去問集は、重視して取り組むよりは、傾向の確認用に使うのが推奨。
  • ドリルやワークブックで、中学範囲を一通り練習してみよう。
  • それを完遂したなら、次は適度に選んだ問題集で、中学範囲を一通り練習してみよう。
  • 様々な用語は漢字で書けるようにするのが基本。使う漢字は教科書の記述が基準。難しすぎる漢字を使う用語は、教科書でも漢字ではなく仮名(カナ、かな)になっているし、その場合はもちろん教科書での表記で覚えよう。また、理科や数学の計算の問題に関して、ノートと鉛筆を使って計算練習もしておく。
  • 普段の予習復習も出来ればしたほうが良い。
  • 普段の健康、体調、精神の安寧の維持のために工夫して生活すると良い。睡眠や食事は大事。徹夜などの睡眠不足は、健康を害したりするので、学習効率が低下するだろう[1]
夜型より朝型の勉強が良いという意見もある[2]。しかし一般的には若い人は朝眠い傾向があるから、この方法がすべての生徒に適しているかは分からない。
  • 難関校を目指す場合、いや実はそうでなくとも、受験勉強としては中学校の全範囲を網羅的に学習しておきたい。特定の範囲だけではなく、中学校の学習の理解は確立しておきたい。

本格的な過去問は3年になってからでよいと思われるが、しかし過去問以外の基本問題みたいなのは、各学年のうちに完了させておく必要がある。

高校受験に向けて、各学年のうちに、軽くで良いので学年の問題練習などをしておく。問題集が買えない経済状況でも、せめて参考書は各学年のうちに読んでおく。

塾などでも夏期講習や冬期講習などで、その学期や年度のうちに、その時期の基本問題の練習を、終わらせているだろう。3年生になってから、問題練習を開始するのは絶望的である。


さて、部活はふつう中3の1学期で終了するはずだから、そこから本格的な受験生という事になる。

そして受験生になったら、一般的には趣味や娯楽は、時間削減や中止するものだけど、大学受験に比べたら高校受験はまだ、緩やかで厳しさも少ないから、それぞれの個人的な事情に合わせて、精神の安寧を保てるような生活習慣を作っても良いと思う。

そしてほぼ当たり前のことですが、学校にはきちんと出席するのが望ましい。ただそもそも、中学生が大した正当な理由もないのに気楽に学校を欠席すること自体が困難ですが。

学習の基本的姿勢

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公立校入試では、難問・奇問はほとんどないでしょう。国・社で一部ありますが、そのような難問は(やたらとマニアックなコトワザ、歴史の細かい年数差(2~3年の差)の並び替え)、ほかの受験生も解けません。ほかの受験生が解けるような問題を、確実に解けるようにすれば良いのです。

家庭科や保健体育などにある社会科のような知識は、直接は問われません。特に社会科に関する部分の場合、制度の変更などによって内容が変わる場合もあるので、基本的には出ません。

せいぜい、技術家庭科の半導体の発光ダイオードの問題が、たまに理科で出てくるくらいです(最近は、理科の回路で、電球のかわりに発光ダイオードを使うので)。基本的には、理科の参考書で、対応できる内容です。理科の場合、法改正とかで結果が変わらないので、出やすい。

高校受験の場合、私立ですら、1科目あたり100点満点の科目×3科目の入学試験なら、1科目だけをどう頑張っても、100点までしか取れない。このため、苦手科目もそれなりに手をつけなければいけない。

苦手教科の学習

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  • 中1範囲の復習だけで時間切れにならないように。
  • 教科書範囲を超える学習も有用。

3年生の時点で、基礎にコダワリ過ぎて、1、2年の内容を、徹底的に学習して、あまり3年の内容を知らないまま受験勉強を終えてしまう、というミスも、ありがち。

中学生を通してあまり勉強や家庭学習をして来なかったのならば1、2年の勉強は重要ですが、しかし普通に学習を続けてきたのであれば、むしろ1~2年の学習に拘らず、なるべく3学年の内容を中心に学習していった方が、国数英ではスケジュール管理をしやすい。(ただし、ときどき復習すること。塾などでも中3の夏期などに中2終わりまでの内容を復習するだろう)

前学年の科目の復習の場合、気分的には、学校教科書を読むより先に、参考書を読んだほうが楽しいです(ただし、私立高校受験~難関校の対策に片寄るが)。基本的には、知識が多めのほうが記憶力が定着しやすくなるので(ただし、国数英の場合)、参考書レベルの発展的なことも含めて勉強したほうが効率的です。

前学年の教科書は、学校の授業に普通に出て勉強してれば、あとは復習は1度か2度読んでおけば、あとは用語の書き取り練習など一通りしてしまえば、あとは前学年の教科書をめったに読む必要は無いでしょう。読むのは参考書です。公立高校入試ですら、教科書よりも参考書のほうが出題傾向が近い。(ただし、中学の範囲確認などのため、少なくとも高校入学までは教科書も残す必要がある)


教科書よりも市販の参考書の方が、受験勉強の教材として良い。これはここの中学校の学習方法のページで折に触れて書かれてていますが、学校教科書は授業の導入として書かれている性質があるので、やや記述や内容、解説に不十分なところが多い、からです。

難関校・私立高校

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国公立と難関私立の難度の差

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英語と数学の場合、国公立 高校の過去問と、難関私立 高校の過去問とで、難度が、大きく離れています。

私立で、ケタ違いに難しくなります。具体的には、高校の範囲が出てきます。

国公立の難関高校の場合、英語の入試なら語釈が与えられたり、数学なら誘導などが追加されるなどのヒントがある場合もあるが、しかし私立の難関高校の場合、そういう語釈などのヒントが極端に減る。

なので、余裕のある人は、あまり国公立の過去問には深入りせず、高校の範囲の先取りに向かいましょう。

国公立の高校の過去問の練習ばかりが得意になっても、まったく難関私立には対応できません。出題の傾向が、全く違います(上記のように)。

別に開成高校や灘高校などの超・難関私立の志望では無くても、地元の県内の偏差値60以上くらいの私立高校からは、程度の差はあれ、出題が高校の範囲に入ってきますので、程度の差はあれ、軽くサラっとで良んので、高校の範囲も先取りしておきましょう。

滑り止めとして私立も受けたが、まったく滑りどまらない、なんていう事例が、もう平成初期の昔からよく聞きます。

国公立高校ばかりに最適化した受験勉強をしていると、そういう、安全校のつもりだった私立高校で滑り止まらず、もし2月後半の地元の公立高校に合格できなければ、はるかに偏差値の低い私立高校に進学、または高校浪人、なんて目にも、なりかねません。

中学範囲外の出題について

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私立高校、特に難関校では、高校1年の範囲から出題される場合もある。対策としては、難関校向けの学習、あるいは受験参考書を手に入れて、学習するのがいいだろう。

数学の場合なら、中学範囲の知識の組み合わせでも解けるが、しかし英語だと どうしようもない。なので、特に英語については、難関私立を受験する場合は、高校1年の範囲にも手をつけないといけない。

ただし私立受験でも、上位の難関私立でない場合なら、中学校の発展的な学習をすることを目指した方が良いかもしれない。なぜなら難関校用の高校受験の参考書は、結局は高校範囲と思われる部分にも突っ込んで解説しているからである。

難関校向けの参考書も、(暗記科目なら)それほど難解ではないという指摘がある。

学校での進路指導について

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さて、前編集者Sの指摘では、公立中学校の教員は、立場上、進路指導の場でも明言できないことがあるという。

たとえば「あの高校は、生徒のガラが悪い・・・」とか「あの高校は、進学実績があまり良くない・・・」とか、「過去にあの高校で、ああいう不祥事があった・・・」とか、そういう事です。

前編集者によると具体的にはこういう内容↑だそうだ。(前編集者の文章そのまま引用)。

まあね、具体的にその内容かはともかく、この社会、色々と言えないことはあるだろうね、あらゆる大人が、そして子供もみんなね。

そして前編集者Sの最終結論はこれ↓。(これも一字一句そのまま引用)

「公立の教師だから本音は言えない」という事自体すら、公立中高の教師は言えないという事実を、生徒側であるアナタは念のために把握しておきましょう。

いやー、相変わらず馬鹿話も極まったね。生徒に対する進路指導、公立の学校教師が、生徒に一番重要な本音言わないで何言うの? 生徒に良くして、それを言うからこそ給料もらえてるんじゃあないの? 逆説的だが、そんなに生徒の事より、毎月の給料、自分の肩書と職が大事かね? そんな教師しかいない公立中学なら、最初っから無いほうがよっぽどいいんじゃあないの?

脚注・参考文献

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  1. ^ 船登惟希 『改訂版 高校一冊目の参考書』、KADOKAWA、2019年3月18日、69ページ
  2. ^ 『高校の勉強のトリセツ』、GAKKEN、149ページあたりページ