学習方法/高等学校商業 経済活動と法

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「法律を勉強したつもり」にならないように[編集]

世間には、法律を勉強したつもりになってる輩も多いのです。パターンの一つとして、市販の法律入門書1〜2冊と小六法(※小六法に定説は書いていない)のうち興味もった箇所だけを読み、弁護士などによって広く支持されている「定説」などを無視して条文の意味を自分勝手に解釈する大人も多いのです。(裁判では通用しないことがほとんど)

独自解釈にダマサれないように、注意しましょう。

検定教科書が必要です[編集]

まず、高校生がこの科目『経済活動と法』を勉強するには、検定教科書をかならず入手してください。 なぜなら、世間一般の本屋にある市販の法律書では、高校生レベルでこの科目の内容をひととおり説明した一般書は、ありません。(2016年の時点では)

・ 検定教科書の購入方法: 『小学校・中学校・高等学校の学習/検定教科書の購入方法

この科目の検定教科書を出してる出版社は、実教出版と、東京法令出版の2社です。(2016年の時点では)

また、大学生向けの入門的な教科書の購入では、冊数が多くなり、不都合です。もし大学教科書を注文したとしても、大学教科書はいちおう未成年でも分かるように書いてるものの、この科目『経済活動と法』で扱ってる法律書を集めようとすると、冊数が多くなります。

なぜなら、この科目『経済活動と法』で扱ってる法律は、民法、借地借家法(しゃくちしゃくやほう)、不動産登記法、民事訴訟法、民事執行法、会社法、商法、労働法、手形・小切手法、・・・などと、いくつもあります。

もし大学の教科書で勉強しようとすると、大学レベルの分厚い専門書を最低でも5冊以上も集めるハメになってしまいます。(下手したら、大学教科書では10冊や20冊以上も集めるハメになる。)

しかも、大学生向けの本では、民法以外の本は、読者の予備知識として大学2年生レベルを要求しており、とても高校生では理解できません。

・・・というわけで、この科目『経済活動と法』の勉強にあたり、検定教科書をかならず入手してください。

商業学校で習ってる最中の人は、そのまま商業高校の教科書を使用すれば問題ありませんが、他の学科の人は、教科書取扱店にて自分で検定教科書を注文する必要があるでしょう。

この科目の内容[編集]

民法(みんぽう)が内容の前半のほとんどです。後半では、その民法の知識を前提に、借地借家法、会社法や商法、手形法(てがたほう)や小切手法(こぎってほう)などを主に教えます。

  • 民法

「民法」と聞くと、なんとなく日常生活のルールを規定してそうとイメージするかもしれませんが、実は民法には、契約に関する規定が多くあり、売買や賃貸の契約については民法で規定しています。

そして、仕事における契約、あるいは社会の様々な場面における契約でも、その法律的な根拠は、民法の契約の概念が基礎になっています。

このため、民法が、商法や借地借家法など契約を扱ってる他の様々な法律の基礎にもなります。

  • 借地借家法

借地借家法(しゃくち しゃくやほう)とは、いわゆる「賃貸アパート」などを借りるときの法律のことです。民法では貸借契約を扱っていますが、土地や建物の賃貸や売買などについては特別な法律があり、住宅の賃貸の規制については、借地借家法にて規制されます。

  • 商法、会社法

そもそも、商法や会社法そのものが、民法の知識を前提にしています。じっさいに大学レベルの商法や会社法の入門の教科書を読んでも、教科書の前半のほうで民法の用語がドンドンと出てきます。

なので『経済活動と法』の検定教科書の順番が、「民法 → 会社法」な順番になってる事には、きちんとした理由があるのです。

  • 手形法、小切手法

この分野の科目の定番です。かならず勉強しましょう。手形法、小切手法も、契約であるので、民法の契約の知識を前提にしており、民法の用語がドンドンと出てきます。なので、検定教科書では先に民法を習ってから、あとに手形・小切手を習います。

  • 消費者保護、労働法など

また、消費者保護に関する法律や、労働基準法なども、この科目では教えます。

  • 「法学入門」の入門

大学レベルの法学教育では、「法学入門」という科目があり、法律の原理原則を習います。『経済活動と法』でも、冒頭のほうで、この科目と似たような内容を初歩的に習います。なお、大学レベルの法学「入門」の書籍は、「入門」という呼び名とは裏腹に、けっこう予備知識が必要なので、もし法学書を買うときには注意しましょう。なお、一般に大学レベルの教科書で「◯◯入門」とか「◯◯基礎」とかタイトルに書かれていても、その「入門」「基礎」の意味とは、「哲学」とか「原理」とか「理論」とか、そういった意味の場合があります。

  • その他

実教出版の教科書では、知的財産権や家族法(民法の一部で家族について規定している)などについても説明している。ビジネス法務検定などの検定試験では、これらの話題について出題される事もありますので、余裕があれば家族法なども勉強すると良いでしょう。

勉強法のコツ[編集]

・ 条文などは、丸暗記する必要がありません。そもそも検定教科書を読んでも、条文が紹介されてません。
・ この科目では、民法以外にも、会社法や借地借家法(しゃくち しゃくやほう)などを習います。民法以外の法律の内容を覚えるときは、なるべく民法と関連づけて、なるべく理解を重視して覚えてください(どうしても暗記しなければならない所はありますが)。検定教科書を読めば、そのような構成になっています。
・ ただし、どうしても、暗記しなければいけない所もあります。たとえば、民法そのものは、教科書に書いてあるような用語とその意味については覚えなければなりません。また、手形法や小切手法は、あまり民法とは関連づけのやりようが、ないでしょう。


扱わない内容[編集]

刑法は扱わない[編集]

この科目では、刑法は、扱っていません。 業務上横領(ぎょうむじょう おうりょう)や背任罪(はいにんざい)など、ビジネスでも聞くことのある犯罪についての法律は、勉強しません。

なお、ビジネス法務検定などの資格試験でも、横領などの犯罪についての法律知識は問われます。

もちろん実務でも、このような犯罪についての法律必要でしょうから、卒業後などに必要に応じて刑法の入門書で勉強してください。

さて、もし将来的に文部省指導要領の改訂で高校カリキュラムが変わっても、この科目では時間的な理由によって刑法までは扱えないでしょう。なので、自分で刑法を勉強する必要があるでしょう。

簿記は扱わない[編集]

この科目では複式簿記を扱いません。ですが、会社法の実務では必要になるようです。会社法の専門書でも簿記の知識を要求しています。

なので、法律の勉強だけに片寄らないようにして、簿記なども勉強すると良いでしょう。

独占禁止法などは扱わない[編集]

独占禁止法は、普通科の『政治経済』科目では扱いますが、この科目では扱わないか、名前が紹介されるくらいで終わります。

ですが、ビジネス法務検定などの資格試験には、独占禁止法も出題されますので、余裕があれば高校の『政治経済』科目の教科書や参考書も勉強しておくと良いでしょう。高校の『政治経済』では、中学『公民』よりも、さらに詳しく、独占禁止法などについて習います。

経済ニュースなどは扱わない[編集]

たとい近年、経済や法律に影響を与えそうな政治の動きがあったとしても、この科目では、扱いません。

例えば、TPP交渉の議論も、マイナンバーカードの議論も、扱いません。

ですが、大人の社会では、それらの知見を要求される事もあるでしょうから、必要に応じて、市販のニュース解説書を買うなどして、経済ニュースや政治ニュースなども勉強してください。

小六法は買わなくていい[編集]

書店では「小六法」などと言われる、法律の条文を書いた、市販の書籍があります。この科目を勉強する時点では、小六法は不要です。買わなくていいです。

なお、法学の勉強では、法律の条文そのものを暗記する必要はありません。おそらく大学の法学部でも、そのような条文まるごとの丸暗記勉強はしないでしょう。

なので、もし中学高校で丸暗記タイプで社会科の勉強をしてた人は、この科目『経済活動と法』では、勉強法を直してください(丸暗記しようとしても無駄でしょう)。

また、もし、せっかく小六法を買ったところで、法律は毎年、改正していくので、すぐに買った小六法の内容が古くなってしまいますので、高校レベルでは小六法は買っても損です。

大学レベルの教科書を参考にする場合[編集]

大学レベルの教科書を読まなくても、商業高校は卒業できるでしょう。

「でも、もっと詳しい事も知りたい」と思うなら、まずは大学レベルの「民法入門」「民事法入門」(みんじほう にゅうもん)のようなタイトルの本を買うのが良いでしょう。なお「民事法」とは、民法や民事訴訟法などをまとめて呼んだ法律のことです。けっして「民事法」という名前の法律はありません。

司法書士や行政書士の資格試験本を買うよりも、まず先に、大学レベルの入門的な教科書を買ったほうが良いでしょう。 「◯◯書士」資格の資格本は、説明が網羅的であるぶん、初学者には分かりづらいです。ハッキリいうと、「◯◯書士」資格の資格本は、けっして、まったくの初学者が勉強できるようには作られてません

さて、ビジネス法務検定の試験対策本を買うよりも、まず、民法の勉強については大学レベルの法学書を買っておいて勉強したほうが良いでしょう。ビジネス法務検定のテキストでは会社法などにもページを多く割いてるため、民法については、あまり詳しく書いてません。

さて、大学レベルの民法の入門書を買う際、「入門」の文字が入ってる本を買う必要があります。けっして、まちがって「民法 総則」(みんぽう そうそく)などといったタイトルの本を買わないように注意しましょう。「総則」とは、民法の始めのほうに、「総則」と言われる篇(へん)があるのですが、「民法 総則」では、その総則の部分(つまり民法の前半部分)の法律しか、書いてません。「総」の字が入ってるからって、別に総合的なわけではないので、注意してください。

科目『経済活動と法』では、総則以外の部分の法律も、たくさん解説されています。

また、たいてい「民法 総則」といったタイトルの本は、難度が高いです。というのも、まず先に「民法入門」などの入門書を読んだ読者(大学生レベル)を想定して、そのステップアップとして、次に「民法 総則」を読んでる場合を想定して書かれてるからです。

また、『民法 物権』や『民法 債権』(みんぽう さいけん)のようなタイトルの本は、難度がかなり高いです。というのも、『民法 物権』などのタイトルの本は、大学生が、民法入門書を読んだあとに次に『民法 総則』を読んで、さらにその後に『民法 物権』などを読むことを前提にして書かれていますので、高校生では、まったく歯が立ちません。さらに『民法 債権』は『民法 物権』を前提に書かれています。なので高校生は、『民法 物権』などは、あきらめましょう。

もしアナタが高校生なら、時間的な都合で、民法の入門書までが、読むのが時間の限界でしょう。5教科などの他の教科の勉強もありますし。

なお、民法入門とまちがえて「法学入門」を買わないように注意。内容が違います。「法学入門」とは、「そもそも法とは何か?」「法は、どうあるべきか?」といった法哲学などを紹介したり、あるいは、法律の一般的な原則などを紹介した科目です。「法学入門」でひとつの科目名です。

「法学入門」を読みたければ読んでもいいですが、しかし、高校生でも読めそうな「法学入門」の入門書を探す事自体が、法学の初心者や高校生には、けっこう難しいでしょう。

卒業後の法律勉強[編集]

法学的な勉強[編集]

さて、高校卒業後の法律勉強では、『民法入門』的なタイトルの本を買ったら、次は「会社法」「商法」「刑法」などの大学教科書を読むと良いでしょう。

Wikibooksのこのページを読んでるアナタは、べつに弁護士になるわけではないでしょうし、どこかで法学の勉強を打ち切る必要はあるでしょうが(時間の都合もあるし)、当面は「会社法」「商法」などと専門書で勉強を続けても平気でしょう。

なお、実際の法的トラブルに遭遇した場合は、けっして自分だけで解決しようとするのではなく、弁護士などの専門職を利用しましょう。

実務でつかう法律・法務の勉強[編集]

検定教科書を読んでも、あんまり、内容証明郵便の仕組みとか、実印の制度や注意事項とか、取引先が倒産したときの対応マニュアルとか、あまり詳しくは書いてません。

なので、時間や金銭の余裕のあるときに書店に行って、まず「日常のための法律マニュアル」的なタイトルの法律書を買って勉強するのに加えて、さらに「ビジネスの法律入門」「社長のための法律入門」的なタイトルの法律書を買って、勉強してください。

なお、例えば「内容証明郵便の法律マニュアル」的な分野を具体的にしぼったタイトルの本は、内容が専門的すぎて、たとえば中身を読んでみると「不動産売買のための内容証明をする場合」とか「借地契約のための内容証明をする場合」とか、ずいぶんと深入りしていますが、しかし初心者はそこまで勉強する必要はありません。

なので、まずは「日常のための法律マニュアル」や「ビジネスの法律入門」などの、全般的な法律の実務書を買ってください。それらの本を読めば、たいてい、内容証明郵便や連帯保証制度や実印などについても書いてあります。