将棋類/郵便将棋

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

郵便将棋(ゆうびんしょうぎ)とは、郵便で次の手を送ることにより対局する将棋です。

特徴[編集]

郵便将棋にはかなりの時間がかかります。将棋では1対局の平均手数が100手前後です。そして、はがきで対局する場合、届くまでにも最低でも2日かかり、土日祝日は配達されませんから最大でも1か月に10手程度しか進めることができません。したがって、1局行うには平均して10か月程度、長いと1年以上かかることになりますので、何人かと同時に対戦している人がほとんどです。また、はがきと切手が各50枚前後必要となりますので、その代金も必要となります。このように郵便将棋は通常の将棋と比べて、時間も費用もかかるものですので、じっくり考えることができる一方で挫折もしやすくなります。直接会えない人とも対局できるのも利点です。

対局の流れ[編集]

まず、先手・後手を決める必要があります。直接会える場合には会って、両者が立ち会った上で振り駒を行って先手・後手を決めれば良いでしょう。直接会えない場合、対局の前にまず相手と連絡を取り、順番の決め方について相手と話し合い、納得できる形で順番を決めましょう。また、トラブルを避けるため、「前の手から1か月経っても返信がない場合は対局を放棄したものとみなす」のようなルールを決めておくことも有効です。

はがきには、消せないペンで次の一手を読み間違えられないよう濃く丁寧に書きます。書き方は「7六歩」のような棋譜の形式で構いませんが、成れる場合には成ったかどうか、複数の駒がそこに移動できる場合は「左」「右」「打」などの文字を書くのを忘れないようにしてください。逆に、相手の書いてきた手が曖昧だった場合には早めに確認を取るようにします。手を考える際には、将棋盤と駒があれば実際に動かしながら考えるのも良いでしょう。順番を取り違えないよう、はがきに番号を振っておくことも有効です。投了する場合や自玉が詰まされた場合には放置せずに「負けました」などと書いた手紙をきちんと送るようにしましょう。

電子メール将棋[編集]

近年では、郵便の代わりに電子メールで対局を行うことも一般的です。電子メールの場合、時間も通信費も葉書ほどにはかかりませんが、それでも短くて数日がかりの対局になるでしょう。件名に次の手を書くようにすると相手に分かりやすくなります。ただし、タイプミスには注意してください。