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- 春暁 孟浩然
春眠不覚暁 春眠暁を覚えず、
処処聞啼鳥 処処啼鳥を聞く、
夜来風雨声 夜来風雨の声、
花落知多少 花落つること知る多少。
漢文とは、昔の中国の文章。漢文の原文は、漢字のみ。しかし、漢字だけでは、われわれ日本人が読みづらいので、古くから日本では、送り仮名をつけて読んでいた。「春眠暁を覚えず、」といった読み方は日本での読み方であり、べつに中国人が、こう読んでいるわけではない。また、日本語での語順と、漢文の語順はちがっている。文法が、中国語と日本語ではちがうので、語順がちがってくるのである。
- 静夜思 李白
床前看月光 床前月光を看る、
疑是地上霜 疑うらくは是れ地上の霜かと、
挙頭望山月 頭を挙げて山月を望み、
低頭思故郷 頭を低れて故郷を思う。
- 絶句 杜甫
江碧鳥逾白 江碧にして鳥逾白く、
山青花欲燃 山青くして花燃えんと欲す、
今春看又過 今春看又過ぐ、
何日是帰年 何れの日か是れ帰年ならん。