料理本/ベレ

ベレ(学:Abelmoschus manihot )、別名ぬるぬるキャベツ（ slippery cabbage ）は、特にフィジーを中心に南太平洋で広く使用されている葉野菜です。暗く光沢のある葉と美しい黄色い花で簡単に識別でき、高さは1〜1.5メートルまで成長します。日本の植物では「Wikipedia:ja:トロロアオイ」が近縁。

成長と繁殖

ベレが人気の理由の一つは、その栽培の容易さです。15〜30 cmの挿し木で繁殖させることができ、植え付けから2〜3ヶ月後には収穫が可能です。健康な植物は1〜2年間葉を生産し続けます。手入れはほとんど不要ですが、肥料と除草があるとより良く育ちます。昆虫の被害を受けやすいですが、家庭菜園では手で取り除くことで簡単に管理できます。

栄養価

ベレの葉は栄養価が高く、タンパク質含量が約5％と非常に高いです。また、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、鉄分も豊富に含んでいます。その高い栄養価と消化のしやすさから、世界保健機関（WHO）はベレを赤ちゃんの最初の野菜として推奨しています。伝統医学では、発疹、便秘、風邪、喉の痛み、さらには出産時の不妊治療薬としても使用されています。

料理での使用

ベレの葉は料理において非常に多用途です。魚をベレの葉で包み、ココナッツクリームで調理する方法や、ベレをサバと玉ねぎと一緒に軽く炒める方法など、さまざまなレシピで使用できます。葉の少しぬるぬるした食感は好き嫌いが分かれますが、とても美味しく、ほぼどんな野菜レシピにも適応できます。サラダとして生で食べることもできます。

フィジー料理における重要性

ベレはフィジー料理の定番で、伝統的な料理に頻繁に使用されます。ロボ（lovo: 地下の加熱された石で食材を調理するフィジーの伝統的な方法）やシチュー、カレーなどに一般的に含まれています。その高い栄養価と栽培の容易さから、栄養と文化の両面で重要な野菜となっています。

結論

ベレは単なる野菜ではなく、フィジーの家庭における持続可能性と栄養の象徴です。その栽培の容易さ、高い栄養価、料理における多用途性から、あらゆる食事にとって価値のある追加となります。伝統的なフィジー料理に使用する場合でも、新しいレシピに適応する場合でも、ベレはフィジーの料理風景において重要な役割を果たし続けています。