日周運動と年周運動

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日本の夜空の星々や太陽は一日に東から昇ってきて南を通り、西へ沈む。また、北に見える星は北極星を中心に反時計回りに回っている。このような星の1日における運動を日周運動(にっしゅううんどう)という。また、夜空に見える星座は1年を通して異なり、オリオン座やしし座などが見える。つまり、星は1年を通して少しづつ動いている。この運動を年周運動(ねんしゅううんどう)という。

日周運動[編集]

東から南、西へ行く星の日周運動は1日でまた昨日と同じ位置に戻るというものだから、1日で360°回転するということである。1日は24時間だから、1時間で15°移動西へするということになる。

北で反時計回りを繰り返す星の日周運動は上の説明と同じく、1日で360°回転するので、1時間で15°反時計回りに回る。なお、このような星を周極星という。

年周運動[編集]

年周運動は1年でまた去年と同じ位置に戻るというものだから、1年で360°回転するということである。1年=12ヶ月だから、1ヶ月で約30°西へ移動するということになる[1]。また、1ヶ月は約30日だから1日に約1°西へ移動するということである。

二至二分と天球[編集]

天球と二至二分を表した図。

季節には春夏秋冬があるが、その区切りは春分(しゅんぶん)、夏至(げし)、秋分(しゅうぶん)、冬至(とうじ)である。この春夏秋冬の区切り目である4つを漢字より二至二分(にしにぶん)という。

二至二分においては、太陽の一番高い時の高さが異なってくる。北半球では太陽が一番高くなるのが真南なのでこれを南中(なんちゅう)という。なお、北半球では真北が一番高くなるので北中というが、英語圏では南北を区別して使うようなことは無いので普通使われない。南中の際の高さはそのまま南中高度(なんちゅうこうど)という。なお、南中、北中を合わせて正中(せいちゅう)という。

地球は公転面が23.4°傾いているので赤道以外では昼夜の長さが普通異なる。日本は北緯が20°から45°程度なので季節がはっきりと分かれる。夏は太陽に当たる時間が長いので南中高度は高く、冬は短いので南中高度は低い。また、春分と秋分においては昼夜がほぼ同時間である[2]

南中高度や日の出、日の入りを表すためにはふつう、天球(てんきゅう)という仮想上の球が用いられる。実際には存在しておらず、実際の位置関係とは全く異なるものだが、観測においては分かりやすいのでよく使われる。天球の一番上は天頂(てんちょう)という。

黄道[編集]

天球の図。

天球上で太陽が通る道を黄道(こうどう)という。

天球を日本から見た時にとどまらず、地球全体で見るように拡張する。すると地球の赤道の面と黄道は23.4°ほど傾いている。地球の赤道の面のことを天の赤道という。天の赤道と黄道の交わる点はそれぞれ、春分点秋分点という。天の赤道から一番離れている、北、南の部分を天の北極天の南極という。

天球座標系[編集]

天球上で位置を表すために使う座標系を天球座標系(てんきゅうざひょうけい)という。天球座標系には主に赤道座標系と黄道座標系の2つがある。

天の赤道を中心にして考える天球座標系を赤道座標系(せきどうざひょうけい)という。地球の北緯35°東経135°なども赤道座標系に似ているが、表記の仕方が異なる。赤道座標系においては緯度は赤緯(せきい)、経度は赤経(せきけい、せっけい)という。つまり、赤緯0°は赤道上にあるということである。なお、赤緯は緯度と同様に、角度で天の北極の方が+90°、天の南極の方が-90°のように表すが、赤経は春分点から東回りに時間で表す[3]。つまり、春分点が0hで1日は24時間だから、1時間で15°。秋分点は180°の位置だから、だいたい12hである。

黄道面を中心にして考える天球座標系を黄道座標系(こうどうざひょうけい)という。黄道座標系における天の北極、天の南極の正式な日本語訳はないが、英語では黄道の極をEcliptic poleと呼ぶので、北極はNorthの意味からNEP、南極はSouthの意味からSEPと呼ばれることがある。黄道座標系も赤道座標系のように黄緯(こうい)と黄経(こうけい)を考える。つまり、黄緯はNEPが+90°、SEPが-90°である。また、黄経は赤経とは異なり、ふつうに度で表すので、春分点は0°、秋分点は180°である。

赤道座標系と黄道座標系は使われやすい時にどちらかが使われるのでもちろん変換ができる。しかし、3次の回転行列を使用するうえ、その黄道面と天の赤道の角度が23.4°であるため、ここでは省く。

脚注[編集]

  1. ^ 1ヶ月は月によって日数が異なるため、一応約つけたが、計算問題などがある場合は30°とみなしてよいことが多い。
  2. ^ 春分と秋分では昼夜が同時間と思う人が多いがアバウトにいえば合っているが正確には間違いである。昼夜は日の出と日の入りによって区別されるが、昼は太陽が少しでも出た瞬間に始まり太陽が完全に見えなくなると終わる。もし昼夜が同じなら昼は太陽が少しでも出た瞬間に始まり、太陽の一部が少しでも見えなくなった瞬間に終わるはずである。また、他にもいくつか要因があるので、詳しくはw:秋分#昼夜の長さを参照。
  3. ^ 時間=h、分=m、秒=s