東京理科大対策
本項は、東京理科大学の入学試験対策に関する事項である。
東京理科大学は、東京都にある理工系総合大学である。文系学部は経営学部だけである。略称は「理科大」。
理科大の入試問題は計算力・思考力を問う良問が多い。理系学部の入試科目は英語、数学、理科(地学以外から一科目選択)である。早慶や旧帝国大、東工大の理・工学部の併願として受験する場合、特別な対策は不要だが、農学部、医療系学部との併願である場合、問題の質が異なるので対策が必要。実質倍率はどの学部も3~4倍程度である。
個別入試(B方式)
[編集]理系学部
[編集]英語
[編集](60分)数学や理科に比べると英語の問題は総じて平易だが、下記の特徴を持つ。
- 他大学と比べて長文が長く、整序英作文も難易度が高いため、それらへの対策が必要である。なお整序英作文は、配点が全体の3割を占める年(2008年)もある。
- 年によって文法問題が見受けられないこともあるが、多くは長文問題に隠れて重複している。
- 整序英作文以外は概ね平易なので、まずは基本文法、語彙をマスターすることが重要。
- 長文は大抵、受験する学科に関連した英文が出るため、志望学科の専門領域に関連した語彙を覚えること。文学部向けの小説読解や社会問題読解などに時間を費やす必要はない。
理系数学
[編集]出題範囲は数I・数A (図形の性質・場合の数と確率)・数II・数B(数列・統計的な推測)・数III・数C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)
制限時間は100分。良問が多いが、解法パターンを暗記しただけの勉強法では解けない。マーク式+記述の併用試験である。解法の理解を前提として、それらを応用する力が問われる。数IIIの出題が多く、微分積分、数列、三角関数がよく出題される。この領域に関してはかなりの習熟度が必要である。学部学科での難易度の差が激しい。先進工学部の問題は易~標準程度の為満点争いになる。工学部や数学科専用の問題の難易度は極めて高い。
繁雑な計算を長々とさせられた挙句に出る答えが,ルートの中に t の4次式が入るなど汚いものであることが多いが,それに惑わされずに解き進めてゆく必要があろう。
理科
[編集](80分)物理・化学・生物の中から1科目選択して受験する。学部学科によっては、指定された科目を受験する。
物理
[編集]力学、熱力学、波動、電磁気の分野からよく出題される。洗練された良問が多く、難易度の高い問題も出るが、悪問や奇問は出題されない。知識よりも思考力を試す問題である。 工学部では数値計算の大問がある上に他学科より難易度が高い。10⁰として答える問題もある。計算ミスをしてないか慎重に進めること。
化学
[編集]化学に対する基本的な理解、および素早い計算力が問われることが多い。計算量は多い。
- 【理学部】
- 計算力重視の問題が多い。知識問題での失点を最小限にとどめ、計算問題でどれだけ粘れるかが大切である。特に化学科受験生は計算練習をしっかりとしておくことが大切である。最近は無機化学の出題頻度は少ないが、対策しないで受験することは望ましくない。
- 【薬学部】
- 化学の配点が大きいので化学の出来が合否に大きく影響する。有機化学の分量がやや多い。知識問題が多いが有機の知識問題では高度なものが出題されることがある。過去問に類似していることが多いので過去問対策は重要である。
- 【工学部】
- 理学部に比べると知識問題の割合は多いが、計算量の多い問題もあるので素早く正確に解くことが重要である。
- 【創域理工学部】
- 他の学部に比べると知識問題の分量が多い。高得点が取りやすいので7割以上は確実に取りたい。
生物
[編集]分子生物学領域の問題が多い。応用生物科学科では遺伝の計算問題が出題されることもあり、思考力と計算力が問われる。知識問題は少ない。限られた時間で問題文を適切に判断、計算していく能力が問われる。生物工学科は応用生物科学科よりシンプルな問題が多い。現象に対する理解を確認するだけではなく、それらを応用する力が求められるため、暗記型の学習では対応できない。
経営学部
[編集]経営学部は学科によって入試方式が微妙に異なっている。
・経営学科は3教科(400点満点)である。 【国語】国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、 【数学】数I・数A (図形の性質・場合の数と確率)・数II・数B(数列・統計的な推測)・数C(ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(100)。 3教科のうち、高得点の2科目を1.5倍にして、合否判定する。
・国際デザイン経営学科は3教科(400点満点)である。 【国語】国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、 【数学】数I・数A (図形の性質・場合の数と確率)・数II・数B(数列・統計的な推測)・数C(ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(200)。
・ビジネスエコノミクス学科は2~3教科(300点満点)である。 【数学】数I・数A(図形の性質・場合の数と確率)・数II・数B(数列・統計的な推測)・数C(ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(100)を必須科目とし、最後の1科目は 《国語》国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、と 《数学》数I・数A(図形の性質・場合の数と確率)・数II・数B(数列・統計的な推測)・数III・数C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)(100)の中から1科目を選択する。
東京理科大学経営学部は都内キャンパスへの全面移転により競争率が近年上昇している。
英語
[編集]必須科目。理系学部の「英語」を参照。
選択科目1
[編集]国語か理系数学(3Cまで)から1科目選択する。
国語
全国の国語の入試問題の中でも、驚くほどの長い文章を課す。その分量は大問1つにつき、本文は10ページにも及ぶものである。大問構成は大問2つでどちらも前述した量の文章量である。記述式の設問が多いので、思考力が試される。今までは試験時間が100分であったが2016年度の入試から試験時間が80分になってしまった。その2016年の入試では大問1つにつき8ページから9ページ程に文章量は減ったが、設問数は変わらず時間内に終わらせるには相当至難な問題となっていた。2017年度以降に注目である。受験生は読解速度の向上と記述式の設問に慣れ、解答速度を上げておく必要がある。本文本文の諺や国文法に関する知識も問われ、単独での古文、漢文の出題は例年見受けられないものの、現古融合文は年によって課されるため、古文と漢文の学習は必須である。
理系数学
理系学部の「理系数学」を参照。
選択科目2
[編集]数学(2B)
文系数学
理系数学に比べると平易。
共通テスト利用入試(A方式)
[編集]共通テストの成績のみで合否を決める入試である。
- 理系学部
数学ⅠA・ⅡB、英語、理科1科目+国語or情報の共通テスト科目の成績が求められる。合格するには、薬学部で85%、その他の学部学科で75%~82%必要である。
- 経営学部
英数国+選択1科目(理科、社会、情報)の共通テストの成績が求められる。合格するには80%必要である。
グローバル方式/共通テスト+個別入試(C方式)
[編集]グローバル方式は英語資格の提出が必須となる試験。英検やTEAPで一定以上の点数を取ると加算される(最大25点)
C方式は共通テストの成績と個別入試の成績の合計で合否を決める入試である。
なおどちらも問題は同じ。但し併願は不可。
- 理系学部
国語、英語の共通テスト2科目と数学(ⅢCまで)、理科1科目の個別入試2科目を合わせた4科目の成績で合否を決める。
- 経営学部
国語、英語の共通テストと数学(ⅢCまで)、理科1科目の個別入試2科目を合わせた4科目の成績で合否を決める。ただし、個別入試では理科を受験せず、数学の1科目だけの受験も可能である。その場合は、数学の得点が2倍される。
個別入試(S方式)
[編集]創域理工学部の数理学科と電気電子工学科のみで行われる。400点満点で問題はB方式と同じだが、違いは数理学科は数学の配点が3倍、電気電子工学科は物理の配点が2倍となる。さらに数理学科では理科の試験は実施されない。数学や物理がかなり得意ならばこちらを受験するのもありだろう。同一試験日でなければB方式とS方式の併願も可能。