東北大対策

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本項は、東北大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。

東北大学は、我が国で3番目に設立された帝国大学である。

入試問題は全体を通して悪問や奇問は一切出ず、標準問題を中心に出題される。ただ標準とは言うもののそれなりに骨のある問題で、付け焼刃や丸暗記で通用するようなレベルの問題はなく、基本原理をしっかりと押さえている、と盤石な基礎が定着していることは前提として必要である。文系学部は2次試験で地歴公民が課されないので、文系は英数国の基礎学力をいかに着実に身につけておくかがポイントである。理系学部は数学と理科2科目の出来がポイントであろう。理系学部は典型的な2次重視で、盤石な2次試験の得点力がであれば、センター試験での多少の劣勢は十分に挽回可能である。過去問を徹底的に研究し、また積極的に東北大模試を受けて出題傾向に慣れておくことが望ましい。

また、後期日程の2次試験は経済学部、理学部においてのみ行われる。近年、他大学においても後期日程の廃止が相次ぎ、東北大学で後期日程の残っている経済学部、理学部には、首都圏から受験生の流入が考えられるため、難易度は上昇傾向にある。さらに、理学部の後期日程では、2次試験の科目として数学、理科2科目のみの試験で、奇抜な問題は出題されるわけではないが、競争レベルは高いと考えられるので、日ごろから十分な演習が必要である。

なお、同大学では推薦入試による募集は行っていない。

前期日程

※特記事項が無い限り、以下は前期日程に関する内容を述べる。
前期日程試験は、2月25日・26日の2日間をかけて行われる。1日目は午前に外国語、午後は文系学部は国語、理系学部は理科(2科目)加えて医学部医学科は面接試験(小作文)が実施される。2日目は午前は数学(医学部以外はここにて全て終了)、午後は医学部(医学科、及び、保健学科)に対して面接試験が実施される。以下は前期日程の学科試験に関する記載である。令和3年(2021年)度より、一般選抜(前期日程)という名称で実施される予定。

英語

東北大学の英語は例年、「長文読解、長文読解、会話文、英訳問題」の大問4つの形式となっていたが、近年、本学では問題傾向に大幅な変化が見られ、年度ごとに異なったタイプの問題が出題されており、安定していない。中でも特徴的なのが、長文や会話文に基づいた英作文(自由英作文というよりは英語で説明するという趣旨)の出題であり、自ら英語を駆使する力を重視する方向に舵を切ったと言えるだろう。この傾向は今後も続く可能性があるため、過去問で傾向を知っておくことが好ましい。過去問は主に東北大学の赤本か青本を活用すれば十分と言える。最低でも、側近の5年分(駿台の青本が対応)はやっておくと良い。過去問と、東北大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。

長文読解

きわめてオーソドックスな内容となっているが、合格点に到達するためには記述力・読解力ともに高い力が求められる。論理力をためされる問題が多いためそれに則した対策をとることが重要である。例として"空欄補充"、"和訳問題"、"内容正誤"などが挙げられる。"空欄補充"は接続詞の空欄補充が多く見られ、文法の力が要求される。"和訳問題"は毎年「下線部だけを見ても正答は不可能」という問題が出される。具体的には、下線部中にスラングもしくは高校のレベルを逸脱した単語が含まれており、長文を読み進め下線部のスラングや単語の意味を推定したうえで和訳する問題が毎年出ている。"内容正誤"では「問題文が読めない」という状況にならないように気をつけたい。近年は長文化の傾向がみられ、2013年は初めて1000語を超えるいわゆる超長文が出題された。

会話文

オーソドックスな東北大英語において唯一にして最大の特徴となるのが会話文の存在である。二次試験というよりセンター試験に近い問題だが配点は高く、全体の配点の約4分の1を占める。本文の会話の流れを見て適切な会話文を選択肢から選び空欄に補充していくという内容である。選択肢の会話文自体がレベルが高く難解であることが多いため、本文の流れがわかっても正答できない場合もある。独特な言い回しの会話文などは日ごろから注意して頭に入れておく習慣をつけたい。

いかに会話文問題を早く正確に処理するかは東北大英語で合格点をとるための重要な課題である。本番前は特に時間に気をつけて練習しないと本番では泥沼にはまることもありうる。

英訳問題

基本的に和文英訳であるが、自由英作文が出される年もあるので注意が必要。難しい単語や言い回しを使う必要はない。オーソドックス。

数学

東北大学の数学は、非常にオーソドックスな計算力を問う問題から柔軟な発想を持ち合わせていないと書き出すこともできないような問題まで幅広い設問が課される。難易度は、大学全体としては難しい部類に入る。年度によって異なるが、文系学部では4問中2問完答+2問は部分点をかき集める形で1問半解答以上、理系学部では6問中3問完答+3問は同様に部分点で1問半解答(部分点等)以上、医学部医学科では6問中4問完答+2問は同じく半分~1問半周辺が合格ラインとされる。勿論、難易度によって差異は有るが、教科書レベルのような非常に基礎的な問題が4題、あるいは6題で構成されて出題されることは考えにくいので、ほぼ妥当と言える。(東北大学受験生のレベルとしては)標準的な問題がほとんどであるが、採点が非常に厳しく[1]、条件等を書き忘れるなどのケアレスミスが命取りになる(「"連続"という二文字を書き忘れた答案は減点」という年があったことは有名[2][3])。また、いわゆる1/6公式など、高等学校の数学の授業で学習する内容であっても、断りなしに用いると減点される[4] ので、これらの公式を用いたい場合は証明した上で用いるべきだろう。いくら標準レベルとは言うものの、このように厳しく採点されるのでよほど実力がない限り満点を狙うことはほぼ不可能と考えてよく、無理に狙う必要はない(医学部医学科についても同様)。こちらも至難の業ではあるが、文系学部で7割,理系学部で7割5分,医学部医学科で8割超~8割5分周辺をコンスタントに獲得できる実力に達していれば、他の科目に力を注ぐことが好ましい。過去問は最低でも側近の3年分はやっておいた方が好ましい。もう少し欲しいならば、側近の5年分(駿台の青本が対応)でも良い(他科目との折り合いを考えれば、分量としてはこれが限界かもしれない)。前記の過去問と、東北大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。基本はこの分量で十分である。あまり無いと思うが、これらを完璧にやり終えてそれでも足りなければ、足していく形で良い。ただ、本番まで時間が残り少ないのであれば、足していくよりは公式を再確認やこれまでに扱った問題の答案作成の精度向上に使った方が賢明である。

文系

数学IA IIB(Bは「数列」「ベクトル」):4題100分(医学部保健学科看護学専攻を含む)

比較的解き易い典型的な問題が多い。試験時間も十分に与えられているため、ケアレスミスが命取りになる。試験時間や問題のレベルからして、高得点が求められる入試内容と言える。標準問題を繰り返し演習し一通りの解法を身につけておくこと、東北大志望者ならば正解しなければいけない問題を絶対落とさないことがポイント。また計算力の養成もポイントになる。地道に学習しているかどうかが問われる。過去問演習もしっかり行っておこう。

理系

数学IA IIB III(Bは「数列」「ベクトル」):6題150分

頻出分野は微積、確率、ベクトル、複素数平面である。(数学IIIの範囲は、理学部・工学部などの大学1年の授業で扱われる内容の序論的な部分であり、入学後もある程度の基本的な知識は必要である。頻出なのはそのせいであろう。ちなみに、2006年までは第5問・第6問は理学部・工学部受験者のみ必答であり、数学IIIの範囲を中心に出題していた。)典型的な標準問題が多いが、多少難度の高い問題も出題されている。典型問題についての定石を身につけておくとともに、計算力の養成もポイントになる。ほとんど計算で解決できる問題というのは案外どの大学でも多く出題されていて、積分など式が複雑になってもめげずに計算することは重要である。試験時間は、完答を目指すには短いが、医学部医学科以外で合格点を目指す分には余裕があるので、正確に計算し、見直しもするべきである。典型的な標準問題がメインなので、青本(5年分)や赤本(6年分)の過去問を使って問題研究そして答案作成の訓練をしておくことが好ましい。特に工学部・理学部・薬学部・農学部の場合数学の配点が大きく、二次試験の数学一問が50点(薬学部は67点)であるから、センター試験一科目分に相当する。そのため数学が相当にできれば合格の可能性は高いと言ってよく、他科目の出来が悪くとも、二次試験の数学には相当な自信がある者は、挑戦も一考であろう(ただし数学は試験のたびに点数が最もぶれやすい.また理科の出来も重要であるし、直前期に学力を伸ばしやすい)。

国語

特記:令和3年度入試より、国語の試験時間が従来の120分から150分に拡大されることが発表された。これに伴って分量や難度、傾向がどのように変化するのかは不明だが、情報が公開されしだい追記する。以下の記述はすべて令和2年度までの入試(試験時間120分)を前提にしたものであるから注意されたい。


オーソドックスだが難度の高い問題が多く、特に、現代文と漢文が難しいといわれる。現代文では問題演習を通して論理力を十分に鍛える必要がある。特に硬い内容の文芸評論などは要注意と言える。漢文は全国記述模試とは次元が異なる難易度の問題が出される。白文の書き下しや現代語訳が求められるので、句形の習熟は勿論のこと、白文を読解する練習などを日ごろから十分に行うべきである。古文は比較的標準的な問題が多いが、基本を身につけているかが問われる。

時間配分として古文と漢文に50分前後、現代文に70分前後を割り付けるのが一般的であるが、過去問演習を通して各自のベストの配分を見つけよう。配点は非公表である。河合塾の東北大オープンではどの大問も均等に配点、東進の東北大本番レベル模試では現代文:古漢を3:2で配点している。解答例は当然非公表だが、大学からは「出題意図」が毎年公表され、解答の方向性が示されているものもあるので参考にしよう。素点はいったん100点満点で付けられ、その後、学部の定める満点に応じた点数に計算される。

評論

東北大学で出題される評論の問題は難しい。読解力と表現力がいずれも最高の水準でなければ高得点は望めない難関であると意識してほしい。しかし同時に、文章を読解し、問題に適切な言葉で応答するという本物の国語力があれば立ち向かえる良問でもある。修練を積めば確実にできるようになる。ぜひ、粘り強く学習しよう。過去問を概観すると、次のような傾向が指摘できる。

①テーマの抽象性が高いこと。18年度のように、本文が一貫して抽象的内容である場合もあれば、19年度のように、具体的、即物的なことがらを糸口にしながら、最終的には深い抽象的次元を論じている場合もある。なじみのうすい抽象論であればあるほど、受験生は苦戦することになりやすい。想像力の及びにくい領域のことも、本文に即して的確に読解しなければならない。

②テーマの普遍性が高いこと。時事問題、最新のトピックが主題になることは少ない。それよりは、いつの時代・どの土地にも通ずる普遍的なテーマが主題になっている。精神世界のはたらきが取り上げられることも多く、簡単には答案が作成できない。

③小問の間で難易度の差が大きいこと。東北大学の現代文では、ときに基本中の基本とも思われる問題が出題される。それは素朴な文脈把握ができているかを測るという出題意図の表れだ。このような問題は、本番で確実に(しかも迷わず短時間で)得点しなければならない。その一方で、答案作成のハードルが高い発展問題も、ほぼ毎年みられる。本文から読み取れることからもう一歩踏み込み、それでいて本文から逸脱せずに、自分なりの言葉を用いて書かなければならない難問だ。各予備校の出した「解答例」が大きく異なるような事態も起こる。このように、基本問題と発展問題とで難易度の差が大きくなる。受験生は、基本問題を正解しても、発展問題に歯が立たないことが多い。

④部分読解力と全体読解力の両方が求められること。テクストの細部をおろそかにせず、一語や一文単位で文章を正確に理解できているかを問う問題と、本文全体を貫くテーマは何かを把握できているか確かめる問題の双方が、有機的なまとまりをもって設定されている。特に全体読解の問題では、筆者が文章表現に託した意図を読み取るなどの高度な問題がみられる。部分と全体のどちらをも、澄み切った眼で捉えられる受験生をめざしてほしい。

⑤解答字数が極めて制約されていること。東北大学の現代文を、ほかと決定的に異なるものにしているのは、この特徴である。このことは古文や漢文にも言える。「四十五字以内で説明せよ」などの、いわゆる字数制限がたいそう厳しいのである。盛り込むべきポイントをごく普通に書き連ねてしまうと、とたんに大きく解答欄をはみ出す。そこで求められるのが表現力である。文の主語を変えるなど構文そのものを改めたり、漢語を適切に用いるなどして言い換え(パラフレーズ)を試みたりすることで、どうにか制限字数に落とし込む。このとき気をつけてほしいのは、書くべきポイントを減らさないこと。その一つ一つが点数の源であるからだ。多くの国公立大学は解答欄を広くとったり、字数を多めに設定したりしているが、その場合、縮約は必要なく、読解できたかどうかが問われる。東北大入試では、そこに表現力の勝負が加わると思っておこう。はじめのうちは、縮約するのは相当な難度であろう。語彙力、発想力に支えられた豊かな表現力をもつ者が、東北大学の現代文を制するのである。


対策としては、評論の一般的な読解演習(センター試験と共通)ならびに東北大の過去問演習が中心となるだろう。前者に関しては、高校や予備校の授業を大切にし、基本的な読解のスキルを磨く以外にない。後者に関しては、答案作成後、必ず信頼できる先生に添削してもらうことが肝要である。過去問研究の際は、各社の解答例を見比べるとよい。赤本、青本の模範解答、それに河合塾、駿台、代々木ゼミナール、東進、CAP特訓予備校の解答速報が利用できるだろう。

東北大の現代文対策には、要約練習が効果的である。まとまった一つの評論を300字以内で要約するなどの練習を重ねるとよい。これにより、本文中の重要な箇所とそうでない箇所を見分ける力と、本文の語句を簡潔な表現に書き換える力とを磨くことができる。

また、軽視してはならないのが漢字の練習だ。受験生がそろって記述問題に苦戦した際、結局、合否を分かつのは漢字の1問、2問ということがありうる。絶対に漢字は5問すべて取り切るつもりで対策してほしい。

文学的文章

まれに随筆となることもあるため標題を「文学的文章」としたが、国語第2問の出典の多くは小説である。小説を二次試験に出題する大学が年々減少するなか、東北大学は小説を出題する立場を守り続けている(旧帝大のうち、毎年すべての文系受験生を対象に出題するのは東北大のみ)。この出題の意図について、東北大国語を20年以上見続けてきた河合塾の講師は次のように述べる。

ーーー端的にいえば、人間を理解できるか、そういう問いが中心にある点で一貫しているといってよいように思われる。(19年度東北大オープン「学習の手引き」より)

過去問を概観すると、次のような傾向がある。

① 言葉をたどることはたやすいが、実感的理解の及びにくい本文が出題されること。白紙の書物を作った人物が出てきたり(15年度)、ほとんど全てひらがなで心情が語られたり(17年度)、主人公が夜の山の美しさに神話世界を見出し魂を魅せられたり(18年度)と多彩であるが、いずれも平凡な受験生が簡単に想像し実感しやすい世界を描いたものとはいえない。むしろ、受験生の日常生活とは遠く隔たった作品世界を突きつけ、それを読めるかどうかを試しているということができるだろう。登場人物としては若者が多いものの、類まれな感性をもっていたり、奇異なプロットに巻き込まれていったりする。それに慌てず、また勝手な読みを展開することもなく、あくまで落ち着いて本文通りに読解することが求められる。

② 語句の意味を文脈に即して記述させる問題がみられること。同様の出題はセンター試験にもあるが、選択式ではなく自らの言葉で説明しなければいけない点で難度が高い。一定数の言葉について辞書上の定義を知っているのみならず、最終的には、これまでの人生における日本語の運用経験に照らして、当該語句を即興で言い換える能力が必要だ。さらに、文字通りの意味ではなく、文脈上の特別な意味をもつ場合には、そこに配慮して答案を作らなければならない。18年度の問題に関して東北大学は「文学的文章における比喩的な意味を説明できていない」という所感を公表している。

③小問の間で難易度の差が大きいこと。→評論③を参照

④部分読解力と全体読解力の両方が求められること。→評論④を参照

⑤解答字数が極めて制約されていること。→評論⑤を参照


対策の際にネックとなるのは、大学入試の二次試験で小説が出されることの珍しさゆえ、高校や予備校で、小説対策の授業を受けられる機会や、小説を含むテストを受験する機会が少ないことである。したがって、その少ない機会を逃さずに対策したい。予備校などの「東北大」と銘打つ講座には小説の授業が含まれるから受講したいものだし、駿台全国模試には小説が出題されるので受験する価値が大きい。共通テストの対策だけでなんとなく小説の対策を終わりにしてしまわないようにしたい。やはり求められる力の質が違うのだから、小説の二次対策は万全にしよう。

対策の一環としてセンター試験の過去問を活用できよう。すなわち、選択肢を隠し、設問文(このときの心情を説明したものとして適切なものを選べ、など)だけを見て、一度自分で解答を作成してみるのである。そして答え合わせとして、正解の選択肢を読めば学習効果が高い。ただこの方法を用いる際には、センター試験の正解の選択肢が(難易度を上げるため)わざと必要な要素を絞る傾向があることに注意したい。

東北大学の過去問演習と添削を通じたフィードバックが有効で、こまめに国語辞典を引き、相応の語彙を身につけることも重要である。

また日々の読書が、文学的テクストに対する感覚を鋭敏にする。やはり小説を読む習慣があると有利である。東北大学でここ最近出題歴がなく、かつ①で触れたような小説を書く作家としては、川上弘美、堀江敏幸などがいるから、ぜひ読んでみてほしい。

古文

東北大学国語の第3問は古文であり、分量・難度ともに標準的だ。出典としては、中世・近世の作品がやや多い。一般的に、平安時代ごろの古文が最も読みにくく、時代が下るにつれて現代語と近くなるため読みやすくなるとされる。したがって、読み解くのが著しく困難な文が出されることはまれである。ジャンルは物語、説話、日記、史伝、歌論など広範にわたり、物語調のものばかりでないことが特徴である。ここからは、15年度〜20年度の過去問をもとに傾向を記述する。

設問構成→小問の数は「5問」が定着。そのうち問1は2〜3問の枝問に分かれており、解答欄の数は合計6または7。内容の大半は後述する「現代語訳系」と「説明系」とに分けられる。

解答すべき字数→字数制限がないものもあるものもある。字数制限がないのは現代語訳系の設問が中心で、解答用紙には枠線が存在しない。一方、字数制限があるものは説明系の設問が中心であり、現代文同様、ポイントを的確に要約する力が求められる。

どこが設問になるか→重要古語や文法のある箇所、本文構成上で大切な箇所などに加え、指示語のある箇所が設問になることが多い。指示語の具体化が要求されていると考えてよいだろう。

現代語訳系→「語句の意味を記せ」という設問と、「口語訳せよ」という設問が別個で立てられていることから、この両者は明らかに区別して出題されているようだ。前者は主に短い箇所、後者は主に長い箇所に傍線が引かれている。前者は古文単語と文法の知識を組み合わせて逐語訳すればよく、後者は文脈に応じて適宜わかりやすく意訳すればよいという意味だろう。(「語句の意味を記せ」の出題が慣例化していた問1において19年度のみ「口語訳せよ」という出題になったことは注目される。)先ほども述べたように、指示語を含む箇所を「口語訳せよ」と問われたら、その部分を具体化して訳したほうが無難である。さらに、省略部分を補う必要があるかも見極めよう。

説明系→状況説明、理由説明、心情説明、筆者のとらえ方の説明、といった違いはあれど、内容を正しく読解できたかを問うものである。解答の根拠を本文の中から見つけ出し、要約的に説明しなければならない。

和歌解釈→現代語訳系と説明系の両方の要素をあわせもつ出題が、16年度問3の和歌解釈である。和歌の解釈では、歌の内容を本文の前後の流れに即して読み取りながら訳す作業が求められる。15年度にも和歌・俳句解釈があったことから、今後も要注意といえる。

東北大古文に立ち向かうために、古文を実際に訳すということを目的にして文法を勉強する心構えをもとう。基本に忠実に、逐語訳ができる力が大切である。そして古文読解力は、演習を通して身につければよい。答案は添削を受け、次につなげよう。また、有名古典のうち、過去に他大学の入試で出題された箇所がそのまま出題されるケースもある(17年度 本居宣長「玉勝間」や20年度 「続古事談」)から、他大学の過去問も利用すること。週に1題でよいからそのような演習の経験を積むことが効果的である。

漢文

国語第4問は漢文からの出題だ。中国文学研究のフロントランナーである東北大学だけに、非常に難度の高い問題が出される。出題作品は政治評論・奇異譚・史伝など幅広く、日本漢文の出題例もある。年によっては、相当の実力者でなければ太刀打ちできない。十分な訓練を積もう。


訓み方→「傍線の箇所の訓(よ)み方を、送り仮名も含めてすべて平仮名で記せ」という問いが定着している(主に問1)。この設問では基本的な副詞などの訓みが問われることが多いため、確実に得点したい。現代仮名づかいでよい。

書き下し→「傍線の箇所をすべて平仮名で書き下せ」という問いが定着している(主に問2)。傍線部は白文であるため、難問となりやすい。ときには、通常の受験参考書などに載っていないような副詞の訓みが問われることもある。東北大学を志望するなら、この問題で高い点数を得ることを目標とすべきである。有名な句法の知識を頼りにして読み、必要なら語の品詞を判定しつつ、漢文調で解答を作成する必要がある。現代仮名づかいでよい。

口語訳→「傍線の箇所を口語訳せよ」という問いが多くみられる。本文の前後の内容に即して、文脈上適切な訳を作成する。難度は年によりばらつきがある。

内容説明→傍線の箇所について「どのようなことか」「どうするつもりか」「何を指すのか」「なぜか」など、内容の説明を求める問いが毎年出題される。そこで要求されているのは、指示語の具体化であったり、修辞的表現の言い換えであったり、できごとの因果関係の呈示であったり、本文全体の趣旨を説明することであったりと様々だが、いずれの場合も、本文の理解が前提である。ある部分における自らの解釈が、本文の別の記述と矛盾していないか確認する慎重さがほしい。本文をあやまたず読み取れたなら、後は恐れることはない。現代文で鍛えた要約力を発揮して、読み取ったことを簡潔かつ緻密に答案に反映しよう。字数制限が厳しいのは相変わらずである。

その他→「作者の意図を説明せよ」(19年度)、「登場人物のうち考えの共通する2名を挙げよ」(14年度)などの出題もみられる。あくまで本文から読み取れることに基づく思考力が求められる。


対策は、漢文への徹底した習熟である。まず、使役、受身、否定、疑問、反語、比較、限定、累加、抑揚の各句法を大筋でマスターし、願望、仮定、推量などの句法の理解に進むとよい。それと並行して、重要語(名詞、動詞、副詞、形容詞、形容動詞、これらのうちいくつかを併せ持つもの)の表記、訓み方、意味を身につけると一定の漢文力がつく。漢字は表意文字であるので文字と意味は表裏一体だ。まとまった一つのイメージで頭に入れよう。そのさい、訓み方によって意味が異なる字が出てくるから注意深く覚えよう。

そして豊富な漢文に接する必要がある。一度読んだり設問を解いたりした後には、必ず音読を行おう。漢文には独自のリズムがあるため、声に出して読むことを通してそれを身体化できれば、漢文力は飛躍的に上がる。これにより、東北大の難しい書き下し問題に対応できるようになる。ある有名漢文を暗唱できるようになるまで音読しつづけるのもよい。最終的には、まったくの白文を時間をかけて正確に訓めるようになるのが理想といえる。

問題演習にあたっては、東北大の過去問を過年度まで遡って利用することになる。

理科

二科目受験で、試験時間は二科目でまとめて150分である(一科目ごとの時間配分は厳密に設けられておらず、一科目終了後の答案回収は行わない)。
学部ごとの必要受験科目は以下である。
学部・学部-物理・化学・生物から二科目選択
学部・学部-物理・化学・生物・地学から二科目選択
学部・学部-物理・化学の二科目必須

物理

かつては難問揃いであったが、近年は易化傾向が続き、標準問題を中心に構成され、同偏差値の受験生の実力をうまく計ることができる良問揃いとなっている。しかし若干問題量の多い年もあるので、医学部医学科、理学部物理学科受験者の上位でなければ高得点を取るのは難しい。特に各大問の最後のあたりは難しいことが多く、医学部医学科ほか物理が得意な者でなければ解けないであろう。だが開示をしてみると思ったより点数を取れていると感じる受験生が多く、物理においては途中式を解答に書かせる形式であるため採点基準は甘く、式を立てられていれば得点を与えられると言われている。その途中経過の解答欄は横長なので、人によっては解答しづらいかもしれない。どの大問も基本事項の確認程度の問題から始まり、難度が高い問題へと移行していく。グラフの描画・現象の理由説明なども出題される。力学と電磁気は毎年1題ずつ出題され、波動・熱力学(あるいは電磁気と力学の融合)からの出題が1題である。

化学

出題分野は理論化学(大問1)、無機化学(大問2)、有機化学(大問3)としっかりと分けられており対策は立てやすい。その中で、大問3で有機化学の構造決定問題(主に小問で最終部分)は難易度が高いことは有名であるが、大問1,2そして大問3の前半(組成式や分子式、反応や実験方法の名称、異性体等)は、基本的には標準問題だけで構成されている。現象の数十字での論述問題が特徴的。有機化学は、有機化合物の分野はこれまで通り必出であるが、新教育課程(2015年度入試以降の受験者対象)で2年目(新教育課程完全移行の元年)となる2016年から一部だが天然有機物や高分子化合物の出題されるようになった。基本は前記の有機化合物の構造決定の対策に主眼を置いて対策することで問題ないが、天然有機物や高分子化合物も並行してやっておくことが好ましい。

理論化学と無機化学は、重要問題集(数研出版)や過去問で標準問題を繰り返し解く、有機化学は基礎知識(試薬に対する反応、官能基そして官能基が存在したことにより起こる化学現象)を盤石なものとして過去問に取り組むことで自然と対応できる力が養われていく。有機化学はそれなりの難易度でいきなり平均して使える時間の25分での処理は難しいが、やり始めのころは時間内に解くことよりも時間を要しても正確に解くことに重きを置いて対策することで問題ない。

生物

知識問題と考察問題のバランスが良く、受験問題としては良問である。一見得点源に思われがちな知識問題において、求められるレベルは非常に高く教科書レベルの用語では太刀打ちできないことも多い。受験生にとってはすべての範囲を網羅するのに非常に時間がかかるため、物理受験者に対してやはり不利であるといわざるを得ない。また初見の問題で、実験考察の手順を記述させるなど参考書だけでは学ぶことのできない内容を出題されている年もあるため、幅広い学習をする姿勢が求められる。対策としては、まず教科書に載っている知識問題を暗記し図説に乗っている図を頭の中で作れるようにすることが不可欠である。

模試

東北大模試として2020年現在、東北大入試オープン*1令和2年度は中止(河合塾、年に2回あるが2回目の成績を重視されたい)、東北大入試実戦模試*2[5][6](駿台予備学校)、東北大入試プレ(2020年度は、8月実施。2020年度より、試験科目の実施順序は本番に準拠)*3(SAPIX YOZEMI GROUP)、東北大本番レベル模試*2*3(東進ハイスクール、年に2回あるが2回目の成績を重視されたい)が各予備校で実施されている(開催はいずれも1日完結で実施)。いずれも前期日程に対応。各予備校は東北大入試を徹底分析し、精度の高い予想問題を作成しており、また、多くの東北大志願者と競争できる為、受験すれば本番入試に向けての大きな指針となる。

*1[7]*2[8]*3[9]

四社で幅広い期間(2020年は7月・8月・10月・11月開催、そして夏休み終了までで3回、9月から本番までで3回実施)で分散して受験できるようになったことから東北大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。四社合わせて最大6回受験できることになるが、復習そしてセンター試験を考えれば、全社そして全回受験するのはさすがに過多であるだろう。いくら2次重視とはいえ、総点に加算される以上、共通テスト験の成績も侮れないし、万全な対策は必要である。目的は東北大模試で良い判定をとることではなく「東北大合格」とすべきであり、東北大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全6回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身の処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。

また、この模試と、共通テスト対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験するべきである。

加えて、主に高1・2生が対象になるが、2021年度は東進で「東北大入試同日体験受験」(2月25日・26日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を同日に同解答時間・同スケジュール(但し、試験開始と終了時刻は異なる)で解くというものである。試験開始と終了の時刻は違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる(医学部医学科の面接試験は実施せず)。模擬試験とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。

共通テストに必要な科目

2020年1月実施をもって大学入試センター試験は廃止となり、代わって2021年度1月より新たに大学入学共通テストが実施される。2021年度以降の受験者は大学入学共通テストの情報を参照して頂きたい。外国語の試験の配点について、『英語』は「筆記」と「リスニング」を合わせて 200点満点(「筆記」は150点満点,「リスニング」は50点満点に換算)、 『ドイツ語』・『フランス語』・『中国語』・『韓国語』は 200点満点となる。 外国語の取扱いについて『英語』の換算方式以外は、旧・大学入試センター 試験の取扱いから変更する予定はない。

国語 文理共通:国語が必須。
地理歴史・公民 文系学部:世界史B、日本史B、地理B、倫理・政治経済から2科目選択(解答順序は不問)。

理系学部:世界史B、日本史B、地理B、倫理・政治経済から1科目選択(第一解答科目の得点を採用)。

数学 文理共通:数学I・数学Aが必須。数学II・数学B、工業数理基礎、簿記・会計、情報関係基礎から1科目選択(ただし後三者は中等教育課程で当該科目を履修した者及び専修学校高等課程修了者のみ選択可)。
理科 文系学部:「基礎」を付した科目から2科目、あるいは「基礎」を付さない科目から1科目選択(第一解答科目の得点を採用)。

理系学部:「基礎」を付さない科目から2科目選択(解答順序は不問)。

外国語 文理共通:英語リスニングは必須(英語「筆記」受験者のみ,英語「筆記」以外の受験者は受験不可)。外国語「筆記」は英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目選択。

なお、学部により選択科目に制限がある場合があるので詳細は公式HP参照のこと。

※以下は、2020年1月まで実施されていた大学入試センター試験における情報である。
センター試験対策として理系学部に関して言えば、最低でも8割以上(医学部医学科は射程範囲を考えれば8割7分~8割8分周辺)は欲しいところである。マーク模試あるいは過去問で8割5分以上(医学部医学科は9割以上)をコンスタントに獲得できるならば、2次試験(医学部医学科は加えて面接試験も)に重点を置いて対策した方が好ましい。大切なのは、2次試験の対策が疎かになるほどにセンター試験の得点向上に力を注ぎすぎないことである。例えば、センター試験終了後に2次試験対策をまったくのゼロから開始するなどでは遅すぎる。2次重視だけにセンター試験でボーダーを若干下ったが2次試験の得点力が盤石であることで合格、逆にセンター試験でボーダーを大きく上回ったが2次試験の得点力が脆弱であることで不合格、という事態が起こっても何らおかしくはないのである。

後期日程(経済学部・理学部)

経済学部(文系・理系)と理学部の2学部で募集を実施している。理学部については令和3年度入試より、二段階選抜の第1段階においては約10倍を超えた場合(従来は、約20倍)に実施されることとなり、第2段階では個別学力検査(数学・理科2科目)に加えて面接試験が新たに加わることとなる。令和3年(2021年)度より、一般選抜(後期日程)という名称で実施される予定。

脚注

  1. ^ 最後の答えは合っているものの計算の過程において論理の飛躍や論理の不明確が少しでも有った場合はそれで減点され、思ったほど得点できていないことが多々ある。また、ちょっとやそっと書いた程度では部分点獲得は難しい。
  2. ^ 数学者は思いつきでものをいう
  3. ^ 第53回大学入試懇談会報告
  4. ^ 第57回大学入試懇談会報告
  5. ^ 経済学部と理学部に限り、後期日程も志望判定対象としている。
  6. ^ 答案は2014年実施分よりWeb返却(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、Web公開開始日から3ヶ月間。)となり、紙の答案は追加料金を払うことで返却可能となった(但し試験会場で使用した答案そのものは返却されず、答案をスキャンして前記のPDF形式のものをプリントアウトしたものを返却)。
  7. ^ 河合の入試オープンについて、本学二次個別学力検査筆記試験では、文系学部は1日目(2月25日)に「外国語→国語」,2日目(2月26日)に「数学」、理系学部は1日目(2月25日)に「外国語→理科(二科目)」,2日目(2月26日)に「数学」、と2日間がけで実施されるが、本模試では文系学部は「国語→数学→英語(のみ)」、理系学部は「理科(二科目)→数学→英語(のみ)」、と本番とは異なった順序、そして1日完結で実施される。
  8. ^ 駿台の入試実戦模試・東進の本番レベル模試について、本学二次個別学力検査筆記試験では、文系学部は1日目(2月25日)に「外国語→国語」,2日目(2月26日)に「数学」、理系学部は1日目(2月25日)に「外国語→理科(二科目)」,2日目(2月26日)に「数学」、と2日間がけで実施されるが、本模試では文系学部は「国語→英語(のみ)→数学」、理系学部は「理科(二科目)→英語(のみ)→数学」、と本番とは異なった順序、そして1日完結で実施される。
  9. ^ 代ゼミのの入試プレ・東進の本番レベル模試について、理学部・農学部の志望者対象について、理科は地学(地学基礎/地学)の実施はしない(選択不可)。

関連リンク