東北大対策

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本項は、東北大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。

東北大学は、我が国で3番目に設立された帝国大学である。

入試問題は全体を通して悪問や奇問は一切出ず、標準問題を中心に出題される。ただ標準とは言うもののそれなりに骨のある問題で、付け焼刃や丸暗記で通用するようなレベルの問題はなく、基本原理をしっかりと押さえている、と盤石な基礎が定着していることは前提として必要である。文系学部は2次試験で地歴公民が課されないので、文系は英数国の基礎学力をいかに着実に身につけておくかがポイントである。理系学部は数学と理科2科目の出来がポイントであろう。理系学部は典型的な2次重視で、盤石な2次試験の得点力がであれば、センター試験での多少の劣勢は十分に挽回可能である。過去問を徹底的に研究し、また積極的に東北大模試を受けて出題傾向に慣れておくことが望ましい。

また、後期日程の2次試験は経済学部、理学部においてのみ行われる。近年、他大学においても後期日程の廃止が相次ぎ、東北大学で後期日程の残っている経済学部、理学部には、首都圏から受験生の流入が考えられるため、難易度は上昇傾向にある。さらに、理学部の後期日程では、2次試験の科目として数学、理科2科目のみの試験で、奇抜な問題は出題されるわけではないが、競争レベルは高いと考えられるので、日ごろから十分な演習が必要である。

英語

東北大学の英語は例年、「長文読解、長文読解、会話文、英訳問題」の大問4つの形式となっていたが、近年、本学では問題傾向に大幅な変化が見られ、年度ごとに異なったタイプの問題が出題されており、安定していない。中でも特徴的なのが、長文や会話文に基づいた英作文(自由英作文というよりは英語で説明するという趣旨)の出題であり、自ら英語を駆使する力を重視する方向に舵を切ったと言えるだろう。この傾向は今後も続く可能性があるため、過去問で傾向を知っておくことが好ましい。過去問対策問題集としては例として、「東北大の英語15カ年」(難関校過去問シリーズ,教学社)が有る。1年間の受験勉強で2次対策に割ける時間を考えれば、十分なボリュームと言える。これに加えて余力が有れば、東北大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。

長文読解

きわめてオーソドックスな内容となっているが、合格点に到達するためには記述力・読解力ともに高い力が求められる。論理力をためされる問題が多いためそれに則した対策をとることが重要である。例として"空欄補充"、"和訳問題"、"内容正誤"などが挙げられる。"空欄補充"は接続詞の空欄補充が多く見られ、文法の力が要求される。"和訳問題"は毎年「下線部だけを見ても正答は不可能」という問題が出される。具体的には、下線部中にスラングもしくは高校のレベルを逸脱した単語が含まれており、長文を読み進め下線部のスラングや単語の意味を推定したうえで和訳する問題が毎年出ている。"内容正誤"では「問題文が読めない」という状況にならないように気をつけたい。近年は長文化の傾向がみられ、2013年は初めて1000語を超えるいわゆる超長文が出題された。尚、他大学の過去問で比較的東北大入試に有効なのは、論説文では、神戸大、名古屋大、九州大などである。

会話文

オーソドックスな東北大英語において唯一にして最大の特徴となるのが会話文の存在である。二次試験というよりセンター試験に近い問題だが配点は高く、全体の配点の約4分の1を占める。本文の会話の流れを見て適切な会話文を選択肢から選び空欄に補充していくという内容である。選択肢の会話文自体がレベルが高く難解であることが多いため、本文の流れがわかっても正答できない場合もある。独特な言い回しの会話文などは日ごろから注意して頭に入れておく習慣をつけたい。

いかに会話文問題を早く正確に処理するかは東北大英語で合格点をとるための重要な課題である。本番前は特に時間に気をつけて練習しないと本番では泥沼にはまることもありうる。

英訳問題

基本的に和文英訳であるが、自由英作文が出される年もあるので注意が必要。難しい単語や言い回しを使う必要はない。オーソドックス。

数学

東北大学の数学は、非常にオーソドックスな計算力を問う問題から柔軟な発想を持ち合わせていないと書き出すこともできないような問題まで幅広い設問が課される。難易度は、大学全体としては難しい部類に入る。年度によって異なるが、文系学部では4問中2問完答+2問は部分点をかき集める形で1問半解答以上、理系学部では6問中3問完答+3問は同様に部分点で1問半解答(部分点等)以上、医学部医学科では6問中4問完答+2問は同じく半分~1問半周辺が合格ラインとされる。勿論、難易度によって差異は有るが、教科書レベルのような非常に基礎的な問題が4題、あるいは6題で構成されて出題されることは考えにくいので、ほぼ妥当と言える。(東北大学受験生のレベルとしては)標準的な問題がほとんどであるが、採点が非常に厳しく[1]、条件等を書き忘れるなどのケアレスミスが命取りになる(「"連続"という二文字を書き忘れた答案は減点」という年があったことは有名[2][3])。また、いわゆる1/6公式など、高等学校の数学の授業で学習する内容であっても、断りなしに用いると減点される[4] ので、これらの公式を用いたい場合は証明した上で用いるべきだろう。いくら標準レベルとは言うものの、このように厳しく採点されるのでよほど実力がない限り満点を狙うことはほぼ不可能と考えてよく、無理に狙う必要はない(医学部医学科についても同様)。こちらも至難の業ではあるが、文系学部で7割,理系学部で7割5分,医学部医学科で8割超~8割5分周辺をコンスタントに獲得できる実力に達していれば、他の科目に力を注ぐことが好ましい。

文系

数学IA IIB(Bは「数列」「ベクトル」):4題100分(医学部保健学科看護学専攻を含む)

比較的解き易い典型的な問題が多い。試験時間も十分に与えられているため、ケアレスミスが命取りになる。試験時間や問題のレベルからして、高得点が求められる入試内容と言える。標準問題を繰り返し演習し一通りの解法を身につけておくこと、東北大志望者ならば正解しなければいけない問題を絶対落とさないことがポイント。また計算力の養成もポイントになる。地道に学習しているかどうかが問われる。過去問演習もしっかり行っておこう。

理系

数学IA IIB III(Bは「数列」「ベクトル」):6題150分

頻出分野は微積、確率、ベクトル、複素数平面である。(数学IIIの範囲は、理学部・工学部などの大学1年の授業で扱われる内容の序論的な部分であり、入学後もある程度の基本的な知識は必要である。頻出なのはそのせいであろう。ちなみに、2006年までは第5問・第6問は理学部・工学部受験者のみ必答であり、数学IIIの範囲を中心に出題していた。)典型的な標準問題が多いが、多少難度の高い問題も出題されている。典型問題についての定石を身につけておくとともに、計算力の養成もポイントになる。ほとんど計算で解決できる問題というのは案外どの大学でも多く出題されていて、積分など式が複雑になってもめげずに計算することは重要である。試験時間は、完答を目指すには短いが、医学科以外で合格点を目指す分には余裕があるので、正確に計算し、見直しもするべきである。とにかくたくさん演習問題を解いて量をこなしておくことが必要。過去問をできるだけ多く解いておきたい。過去問対策問題集としては例として、「東北大の理系数学15カ年」(難関校過去問シリーズ,教学社,15年分を収録)がある。この過去問集の分量もそれなりだが、1年間で東北大理系数学に割ける時間を考慮すると十分な量と言える。

特に工学部・理学部・薬学部・農学部の場合数学の配点が大きく、二次試験の数学一問が50点(薬学部は67点)であるから、センター試験一科目分に相当する。そのため数学が相当にできれば合格の可能性は高いと言ってよく、他科目の出来が悪くとも、二次試験の数学には相当な自信がある者は、挑戦も一考であろう。(ただし数学は試験のたびに点数が最もぶれやすい.また理科の出来も重要であるし、直前期に学力を伸ばしやすい)

*文系理系ともに収録した「東北大学数学入試問題50年」(聖文新社,50年分を収録)もあるが前記過去問集よりもさらにすごい分量なので、数学以外の他の科目の完成度がしっかりしている(例:センターは9割以上をコンスタントに余裕で獲得できる,2次試験でも数学以外が偏差値70以上をコンスタントに獲得できる等)のであれば手を付けても構わないが、そうではなく他の科目が懸念材料となっているならば無理に手を付ける必要はない(寧ろ、これは大学受験生として利用するには過多と言える)。

国語

オーソドックスだが難度の高い問題が多く、特に、現代文と漢文が難しいといわれる。現代文では問題演習を通して論理力を十分に鍛える必要がある。特に硬い内容の文芸評論などは要注意と言える。漢文は全国記述模試とは次元が異なる難易度の問題が出される。白文の書き下しや現代語訳が求められるので、句形の習熟は勿論のこと、白文を読解する練習などを日ごろから十分に行うべきである。古文は比較的標準的な問題が多いが、基本を身につけているかが問われる。

理科

二科目受験で、試験時間は二科目でまとめて150分である(一科目ごとの時間配分は厳密に設けられておらず、一科目終了後の答案回収は行わない)。
学部ごとの必要受験科目は以下である。
学部・学部-物理・化学・生物から二科目選択
学部・学部-物理・化学・生物・地学から二科目選択
学部・学部-物理・化学の二科目必須

物理

かつては難問揃いであったが、近年は易化傾向が続き、標準問題を中心に構成され、同偏差値の受験生の実力をうまく計ることができる良問揃いとなっている。しかし若干問題量の多い年もあるので、医学部医学科、理学部物理学科受験者の上位でなければ高得点を取るのは難しい。特に各大問の最後のあたりは難しいことが多く、医学部医学科ほか物理が得意な者でなければ解けないであろう。だが開示をしてみると思ったより点数を取れていると感じる受験生が多く、物理においては途中式を解答に書かせる形式であるため採点基準は甘く、式を立てられていれば得点を与えられると言われている。その途中経過の解答欄は横長なので、人によっては解答しづらいかもしれない。どの大問も基本事項の確認程度の問題から始まり、難度が高い問題へと移行していく。グラフの描画・現象の理由説明なども出題される。力学と電磁気は毎年1題ずつ出題され、波動・熱力学(あるいは電磁気と力学の融合)からの出題が1題である。

化学

出題分野は理論化学(大問1)、無機化学(大問2)、有機化学(大問3)としっかりと分けられており対策は立てやすい。その中で、大問3で有機化学の構造決定問題(主に小問で最終部分)は難易度が高いことは有名であるが、大問1,2そして大問3の前半(組成式や分子式、反応や実験方法の名称、異性体等)は、基本的には標準問題だけで構成されている。現象の数十字での論述問題が特徴的。有機化学は、有機化合物の分野はこれまで通り必出であるが、新教育課程(2015年度入試以降の受験者対象)で2年目(新教育課程完全移行の元年)となる2016年から一部だが天然有機物や高分子化合物の出題されるようになった。基本は前記の有機化合物の構造決定の対策に主眼を置いて対策することで問題ないが、天然有機物や高分子化合物も並行してやっておくことが好ましい。

理論化学と無機化学は、重要問題集(数研出版)や過去問で標準問題を繰り返し解く、有機化学は基礎知識(試薬に対する反応、官能基そして官能基が存在したことにより起こる化学現象)を盤石なものとして過去問に取り組むことで自然と対応できる力が養われていく。有機化学はそれなりの難易度でいきなり平均して使える時間の25分での処理は難しいが、やり始めのころは時間内に解くことよりも時間を要しても正確に解くことに重きを置いて対策することで問題ない。

生物

知識問題と考察問題のバランスが良く、受験問題としては良問である。一見得点源に思われがちな知識問題において、求められるレベルは非常に高く教科書レベルの用語では太刀打ちできないことも多い。受験生にとってはすべての範囲を網羅するのに非常に時間がかかるため、物理受験者に対してやはり不利であるといわざるを得ない。また初見の問題で、実験考察の手順を記述させるなど参考書だけでは学ぶことのできない内容を出題されている年もあるため、幅広い学習をする姿勢が求められる。対策としては、まず教科書に載っている知識問題を暗記し図説に乗っている図を頭の中で作れるようにすることが不可欠である。

模試

東北大模試として2017年現在、東北大入試オープン[5](河合塾、年に2回あるが2回目の成績を重視されたい)、東北大入試実戦模試[6][7][8](駿台予備学校)、東北大入試プレ(2018年度は、8月実施)[6][9](SAPIX YOZEMI GROUP)、東北大本番レベル模試[6][9](東進ハイスクール、年に2回あるが2回目の成績を重視されたい)が各予備校で実施されている(開催はいずれも1日で実施)。いずれも前期日程に対応。各予備校は東北大入試を徹底分析し、精度の高い予想問題を作成しており、また、多くの東北大志願者と競争できる為、受験すれば本番入試に向けての大きな指針となる。よって、東北大志願者はこれらの模試を出来る限り受験するべきであろう。

2018年度はSAPIX YOZEMI GROUPの「東北大入試プレ」は8月実施となり、これまでと違って比較的早期に実施されることになった。四社で幅広い期間(2018年は6月・8月・10月・11月開催、そして夏休み終了までで3回、9月から本番までで3回実施)で分散して受験できるようになったことから東北大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。四社合わせて最大6回受験できることになるが、一年で二次試験対策に使える時間を踏まえれば十分と言える(復習を考えれば、6回でも多い方かもしれない)。

また、この模試と、センター試験対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験するべきである。

センター試験に必要な科目

国語 文理共通:国語が必須。
地理歴史・公民 文系学部:世界史B、日本史B、地理B、倫理・政治経済から2科目選択(解答順序は不問)。

理系学部:世界史B、日本史B、地理B、倫理・政治経済から1科目選択(第一解答科目の得点を採用)。

数学 文理共通:数学I・数学Aが必須。数学II・数学B、工業数理基礎、簿記・会計、情報関係基礎から1科目選択(ただし後三者は中等教育課程で当該科目を履修した者及び専修学校高等課程修了者のみ選択可)。
理科 文系学部:「基礎」を付した科目から2科目、あるいは「基礎」を付さない科目から1科目選択(第一解答科目の得点を採用)。

理系学部:「基礎」を付さない科目から2科目選択(解答順序は不問)。

外国語 文理共通:英語リスニングは必須。英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目選択。

なお、学部により選択科目に制限がある場合があるので詳細は公式HP参照のこと。

センター試験対策として理系学部に関して言えば、最低でも8割以上(医学部医学科は射程範囲を考えれば8割7分~8割8分周辺)は欲しいところである。マーク模試あるいは過去問で8割5分以上(医学部医学科は9割以上)をコンスタントに獲得できるならば、2次試験(医学部医学科は加えて面接試験も)に重点を置いて対策した方が好ましい。大切なのは、2次試験の対策が疎かになるほどにセンター試験の得点向上に力を注ぎすぎないことである。例えば、センター試験終了後に2次試験対策をまったくのゼロから開始するなどでは遅すぎる。2次重視だけにセンター試験でボーダーを若干下ったが2次試験の得点力が盤石であることで合格、逆にセンター試験でボーダーを大きく上回ったが2次試験の得点力が脆弱であることで不合格、という事態が起こっても何らおかしくはないのである。

脚注

  1. ^ 最後の答えは合っているものの計算の過程において論理の飛躍や論理の不明確が少しでも有った場合はそれで減点され、思ったほど得点できていないことが多々ある。また、ちょっとやそっと書いた程度では部分点獲得は難しい。
  2. ^ 数学者は思いつきでものをいう
  3. ^ 第53回大学入試懇談会報告
  4. ^ 第57回大学入試懇談会報告
  5. ^ 本学二次個別学力検査筆記試験では、文系学部は1日目(2月25日)に「外国語→国語」,2日目(2月26日)に「数学」、理系学部は1日目(2月25日)に「外国語→理科(二科目)」,2日目(2月26日)に「数学」、と2日間がけで実施されるが、本模試では文系学部は「国語→数学→英語(のみ)」、理系学部は「理科(二科目)→数学→英語(のみ)」、と本番とは異なった順序、そして一日のみで実施される。
  6. ^ 6.0 6.1 6.2 本学二次個別学力検査筆記試験では、文系学部は1日目(2月25日)に「外国語→国語」,2日目(2月26日)に「数学」、理系学部は1日目(2月25日)に「外国語→理科(二科目)」,2日目(2月26日)に「数学」、と2日間がけで実施されるが、本模試では文系学部は「国語→英語(のみ)→文系数学」、理系学部は「理科(二科目)→英語(のみ)→理系数学」、と本番とは異なった順序、そして一日のみで実施される。
  7. ^ 経済学部と理学部に限り、後期日程も志望判定対象としている。
  8. ^ 答案は2014年実施分よりWeb返却(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、Web公開開始日から3ヶ月間。)となり、紙の答案は追加料金を払うことで返却可能となった(但し試験会場で使用した答案そのものは返却されず、答案をスキャンして前記のPDF形式のものをプリントアウトしたものを返却)。
  9. ^ 9.0 9.1 理学部・農学部の志望者対象について、理科は地学(地学基礎/地学)の実施はしない(選択不可)。

関連リンク