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滋賀医科大対策

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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ウィキペディア滋賀医科大学の記事があります。

本項は、滋賀医科大学の入学試験対策に関する事項である。

滋賀医科大学は、滋賀県大津市にある医科系単科大学である。

滋賀医科大の問題は医科系単科大学らしい重厚な難問が多く、トップレベルの医学部受験生ですら難渋するレベルの難問が出題されている。そのため、合格最低点も総合大学の医学部医学科に比べ低い。そのため、難問から如何にして部分点を稼ぐかが勝負になる。

センター試験

医学科に関して言えば90%の得点率を確保したい。本学の入試問題の難易度を考慮すると、二次本番では殆ど差が出ず、センター試験の結果でほぼ勝負がつくと考えられるので、センター対策は入念に行っておきたい。95%あれば安全圏といえよう。看護学科に関しては75%の得点率は確保しておきたい。80%確保すれば合格にグッと近づく。

英語

滋賀医科大学の英語は長文総合問題が2題、かなり長めの自由英作文問題が1題出題される。特に100語以上の記述が求められる英作文はかなり特徴的であり、滋賀医科受験生を悩ます要因のひとつとなっている。このような滋賀医科大学の英語に対応するために、学校で配布される英語の長文問題集を1~2冊こなそう。

教科書やテキストで取り扱われている文章を全文和訳し、教師など第三者に添削してもらうと良い。その際に、分からない単語や箇所がいくつかあるはずだから、文意や文脈から判断して適切な意味に訳すことができるようになるために、まずは辞書を引かずに推測して訳してみると良い。また、和訳したらそれで終わりという学習態度ではなかなか英語の力はつかないので、出来れば暗唱できるくらい読み込むことを勧める。この過程で単語や使えるフレーズ、英語の感覚を身につけることができるのである。

さらにテキストの文章には必ず「移植問題」などのテーマが少なくとも1つはあるはずであるから、それについて自分で書籍などで調べ、考えてみることも大切である。(特に告知問題など医療関連のテーマにたくさん触れておきたい。)英作文に関しては何か英作文用の教科書(学校で配布されるはず)を1冊決めて徹底的にやりこむと良い。問題はすべて解くのと同時に、例文をすらすら暗唱できるようになるまで定着させるとなお良い。

数学

滋賀医科大の数学は4題または5題出題される。頻出分野は数IIIの微分・積分、確率、図形と方程式である。例年膨大な計算量を要求する問題が出題されているが、最近はやや難度が緩和されてきていると言える。当該大学の数学は概して難易度は非常に高い。東大や京大以上に難問率は高いと言われている。

このような問題に対抗するには高等学校で学ぶ基礎的な事項は一通り網羅し、定型的な解法は本番当日までに自由自在に使いこなせるようにしておく必要がある。したがって、まずは日々の授業の内容を完全に理解するように努めるべきである。その際には、教科書で出てきた基本公式や初歩的な問題は第三者に説明できるようになるまで理解を深めることが重要である。出てきた公式は実際に自分で導いてみると良い。

その後受験用問題集を使用して演習を積んでいくことになるのだが、ただ闇雲に演習量をこなすのではなく、1題ごとにその問題の本質は何なのかじっくり考える習慣をつけるのが望ましい。また、解いた問題の別解を考えてみるのも思考力の養成の面から言っても推奨される。当然のことながら、演習の際の計算は必ず最後まで自分の手で正確に書き上げるようにするべきである。とくに計算力をつけるという意味でやや煩雑な計算を強いる問題を出題する医科大学(慶應義塾大学医学部・京都府立医科大学)や東工大などの過去問題も余裕があればこなしておきたい。

理科

滋賀医科大学の理科は生物・物理・化学から2題選択して解答することになる。 例年の傾向としては、化学は標準だがクセが強く、生物も教科書に記載されていない事項を問う問題が見られやや難しい。 物理はガチガチの微積物理が出題され、毎年合格者でも物理は苦戦する。

物理

3題構成になっており、力学と電磁気は必ず出題される。のこり1題は波動分野か熱力学分野から出題される。また、記述問題が多いのも特徴的である。頻出分野としては、力学では単振動、円運動、重心系。電磁気では電磁誘導、ガウスの法則、荷電粒子のふるまい、交流回路。熱力学は熱力学第一法則を取り扱った問題、熱サイクル、気体分子運動論。波動は光・音のドップラー効果、回折格子である。

滋賀医科大の物理に対処するには闇雲に問題パターンの暗記に走るのではなく(もちろんパターン暗記もある程度必要ではあるが。)基礎基本に立ち返って問題を考える態度を身につけることが必要である。つまり、例えば運動量保存則の公式ひとつ取っても、その式はどのようにでてきたのか、その式は本質的には何を表しているか、そもそも運動量とはどういうものか誰にでもわかるように説明できるだろうか、といったことを常日頃から考えているかどうかがそのまま理解度の差、ひいては入試における点数差に結びついてくるのである。

通常の授業にあたっては、出てくる数式がどういった基本原理に基づいて出てきたのかを確認し、その数式がどのような意味を持っているのか説明できるまで教科書や解説書にかじりついたり、友人や教師に質問し、理解を深めることが重要である。その上で公式などは自分で導いてみるのが良い。こういった地道なステップを踏まえたうえで教科書傍用問題集等にあたってみることを勧める。このようにして教科書の基礎を固めた後で、本格的な入試問題集に取り組めば良い。なお、問題演習を行う際には、ただ問題量をこなすことに終始するのではなく、問題の別解を考えてみたりすることも実力を伸ばす上で大いに推奨される。

化学

3題構成になっており、無機・理論分野から2題、有機分野から1題出題されるが、3題とも理論化学をベースとした出題となっている。滋賀医科大学の化学は計算問題が少なく、実験操作や、それにかかわる論述問題(字数制限なし。)が比較的多い。頻出分野に関して言うと、理論分野では結晶格子、化学平衡。無機分野では酸化・還元、中和滴定、元素の性質と反応、電気分解。有機分野では有機化合物の構造決定である。もちろん、頻出分野以外も満遍なく勉強すべきであることは言うまでもない。

全体的な難易度は概して高めであるが、だからといっていきなり背伸びをして難しい問題集に手を出すのは禁物である。まずは教科書や資料集を中心に、学校で配布される一般的な問題集を併用して基礎を固めることをお勧めする。当該大学ではややマニアックな知識を問われることがあるので、資料集は特に隅々まで読み込んでおきたい。その後、本格的な受験用問題集に取り組むのが良いと思われる。

生物

滋賀医科大学の生物は4題構成で、その殆どがヒトまたは動物に関するテーマを取り扱った問題である。論述問題が多く、またその論述問題も字数制限がないことが多い。当該大学の生物に対応するには、まず教科書と資料集を熟読し、学校で配布される一般的な問題集を併用して基礎固めと問題演習をすることを勧める。全体として難易度は高いものの、基礎的な問題もかなり混じっているので、それらを取りこぼさないようにするためにも万全な基礎力の養成は不可欠である。また日々の授業で行われる実験には積極的に参加し、実験機器・実験データの扱い方や描図のノウハウなどを習得するとよい。さらに、「Newton」などの科学雑誌で生物関係の記事があればそれを読んでみるのも良い。ブルーバックス等でもそういった生物関連の書籍がいくつもあるはずだから、興味があれば読んでみてもいいかもしれない。

模試

滋賀医科大に対応した模試は行われていないが、河合塾や代々木ゼミナールでは医学部受験者用の模試を行っている。また、年に2回行われる駿台全国模試では多くの医学部志望者が受験するので、それを受けてみるというのも一つの手である。

その他

受験時の心構えのひとつとして、ありきたりではあるが模試の判定や偏差値に一喜一憂する必要はあまりないということを明記しておきたい。そもそも得点は入試本番当日の自分のコンディションや問題との相性次第で大幅に変動するものだし、模試と実際の入試とでは難易度や問題の癖が全く異なるからである。実際、現役浪人関係なく、秋の模試等でC判定やD判定を出してしまった生徒が、直前期で実力が一気に伸びて合格したケースも存在するので、最後まで諦めずに勉強を続ける姿勢をもつことも大切である。