「政治学概論」の版間の差分

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==== 社会民主国家 ====
[[ファイル:John_Maynard_KeynesKeynes 1933.jpg|thumb|right|150px|ジョン・メイナード・ケインズ(1883年-1946年)はイギリスの経済学者である。ケンブリッジ大学で学び、インド省や大蔵省を歴任しながら経済学の研究を進め、公共投資政策を理論的に基礎付けた。経済状態を有効需要の調整によって管理することを提起して経済学におけるケインズ主義を確立した。著作には『講話の経済的帰結』、『雇用・利子および貨幣の一般理論』などがある。]]
発展途上国ではしばしば経済発展や社会福祉のために、社会への積極的な介入が実施される。これは社会民主国家(social-democratic states)と呼ばれる国家のあり方として捉えることが可能であり、社会民主国家は最小国家とは異なる公平性(fairness)、平等性(equality)、または社会正義(social justice)の原理に基づいて活動する。これらの国家は国家が市民社会の経済活動や社会状況において経済政策、社会福祉、国民教育などの幅広い領域にわたって日常的に重要な役割を果たしている。社会民主主義の立場に立脚した議論の重要な論拠となる議論に主にケインズ主義(Keynesianism)と福祉国家(welfare states)がある。ケインズは経済成長の促進や完全雇用の調整などの経済政策を通じて国家が資本主義経済を管理することを構想していた。このようなケインズ主義の考え方の背景には自由放任政策が経済の不安定化、失業問題、また時には恐慌という社会不安をもたらすという見方がある。古典的なケインズ主義では国家は公共事業の実施を通じて雇用を創出し、余剰の資本の投資を主導的に促進することを通じて景気回復を試みる役割が与えられている。歴史上では大恐慌に陥ったアメリカが従来の緊縮財政ではなくニューディール政策によって積極的に経済に介入することを試みた事例がある。この政策ではケインズ主義の立場に基づきながら公共事業により学校や道路の建設、開発計画や産業復興によって景気の回復を促進した。次に福祉国家とは市民の生活水準を向上させることを促す福祉政策を積極的に行うことに責任を持つ国家である。グリーンは自由主義の立場から国家が担うべき役割が個人の自己実現の上での障害を取り除くことであると考えていた。つまり人間の価値とは人格の完成に求められるのであって、自由はその完成に至るための手段であると捉える。グリーンは個人の人格が完成するために積極的な自由が不可欠であり、これを実現するために国家がその自由を社会に対して保障するべきであるという国家の役割を確立しようとした。したがって、個人の社会的自由のために国家は財の再分配、所得保障、その他さまざまな社会福祉を行うべきであると論じられる。福祉国家を実践していると見られる現代の国家にはオーストリアやスウェーデンなどの国家があり、例えばスウェーデンでは社会福祉の規模が比較的大きく、課税と社会保障に対して国民所得のうち約7割を社会が負担している。
 
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