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線型代数学/行列の基本変形

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

線型代数学 > 行列の基本変形


ここでは、基本変形と階数について議論する。特に、階数は線型代数学では非常に重要な概念であるので十分理解されたい。

基本行列

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定義

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以下の3種の行列,を基本行列(fundamental matrix)という。

(n次単位行列の第i行と第j行を入れ替えたもの。)
(n次単位行列の第i行をC倍したもの)
(n次単位行列の第i行、第j列をCに置き換えたもの)

左(右)から基本行列をかけることを左(右)基本変形(fundamental operation) という。

左(右)からP(i,j),Q(i;c),R(i,j;c)をかけるということことは、それぞれ

  • 第i行(列)と第j行(列)を入れ替える。
  • 第i行(列)をc倍する。
  • 第j行(列)のc倍を第i行(列)に加える。

という操作を行うことに対応する。



である。

基本行列の正則性

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基本行列は正則である。

実際、

である。


階数

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定理と定義

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は基本変形によって以下の形に一意的に変形できる。

このとき、rを行列Aの階数(rank)といい、

などと書く。

(証明)

のときは上の形になっている。 以下、 とする。

今、 としても一般性は失われない。

まず、 を左からかけると

となる。

次に、 を右からかけると

となる。

そして、 を左から、 を右からかけ、さらに を左からかければ、

となる。 なら上と同じ操作をすれば、帰納的に求めたい形になる。

(一意性) 以下 とする。

Aに基本変形を施して以下の2つの形になったとする。

ここで、基本変形の正則性から、正則行列  が存在して、

したがって が成り立つ。

これから、 は正則だから

またこのことから、 において

は正則

であることが分かる。

例題

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の階数を求めよ。

(第1行の2倍を第3行に加える)

(第2行の2倍を第1行に、1倍を第3行に加える)

(第1列の-1倍と第2列の-1倍を第3列に加える)

したがって、この行列の階数は2である。□

練習問題

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以下の1~4の行列の階数を求めよ。

(1) (2)

(3) (4)       答え:(1)…3 (2)…4 (3)…3 (4)…2