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聖書ヘブライ語入門/音節構造・アクセント・シェワー/潜入パタハ

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

3.7 潜入パタハ


喉音について上に述べたような特色は,語末においても現れる. すなわち,語末の喉音 ˁ(ע ), h(ה ), ḥ(ח ) に ā 以外の長母音が先行するとき,その長母音から喉音にわたる瞬間,短い a の音が潜入する. ティベリア式ではこれを「潜入パタハ」 פַּתַח גְּנוּבָה 《盗まれたパタハ》 と呼び,喉音の下にパタハ(ַ)を付けて標記する.転写ではハーテフ・パタハと同じく, 上につけた a で表す. 例: רוּחַ rūaḥ, רעַׁ rōaˁ, נוֹגֵעַ nōgēaˁ, מַגִּיהַּ maggīah.

このように転写すると,潜入パタハは音節構造の規則(3.1(2))を破るように見える. しかし潜入パタハは,上記の条件の下で自動的に起こる現象であって, 同一条件下で潜入パタハを伴わない語(例: רוּח rūḥ )は無い. つまり,潜入パタハが現れる条件を知っていれば, これを一々表記する必要はないのである. だから音節構造上もこの潜入パタハは無関係で, たとえば rūḥ = rūaḥ で 1 音節を構成する.