ここでは、双曲線関数について解説する。解析学基礎/三角関数を既習とする。
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以下のように定義される関数を双曲線関数という。
- 双曲(線)正弦関数:

- 双曲(線)余弦関数:

- 双曲(線)正接関数:

- 双曲(線)余接関数:

- 双曲(線)正割関数:

- 双曲(線)余割関数:

各関数に付されている「h」は「hyperbolic(双曲線の)」の略である。各関数を発音するときは三角関数の部分に「ハイパボリック」を前接する(例:ハイパボリックサイン)。ただし、
はそれぞれ「シャイン(シンチ)」「コッシュ」「タンチ」とも読まれる。
定義より
である。
それぞれの定義から、以下の公式が導かれる。




また、定義式より各関数の値域は以下のようになる。
:
:
:
:![{\displaystyle (0,1]}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/7e70f9c241f9faa8e9fdda2e8b238e288807d7a4)
:
:
定義式より、各関数の偶奇は以下とわかる。
:奇関数
:偶関数
:奇関数
:偶関数
:奇関数
:奇関数
定義式より、以下が導かれる(双曲線関数に関するピタゴラス恒等式)。

- 但し、三角関数と同様に
であることに注意。
この関係式から、以下の事実がわかる。
- 三角関数は単位円
の媒介変数表示
として得られたが、同様に双曲線関数は単位双曲線
の媒介変数表示
として得られる。
「"双曲線"関数」という名の由来はこれである。なお、三角関数に「円関数」という別名が存在するのもこれが理由である。
高校数学では双曲線
の媒介変数表示は
と習ったであろう。
実は、一般に媒介変数表示は一意ではない。単位円の媒介変数表示も
という別形が存在する。
三角関数を用いた上記の媒介変数表示では媒介変数
は
(及び類似区間)に制限されるが、双曲線関数を用いた媒介変数表示
では媒介変数
は任意の実数値をとることが許される。
単位円の媒介変数表示
に於いて、媒介変数
は点
の
軸からみた偏角を表した。それでは、単位双曲線の媒介変数表示
に於いて媒介変数
は何を表すのだろうか?答えは後述する。
また、
が成り立つ。
三角関数と同様に、以下のような加法定理が成り立つ。



三角関数の場合と異なり、左辺と右辺で複号が一致している。
双曲正割関数・双曲余割関数・双曲余接関数の加法定理は各式の逆数をとれば求まる。
とおけば倍角の公式を得る。







2倍角の公式を変形して半角の公式を得る。



加法定理の式の和や差を考えて積和の公式を得る。



更に変形して和積の公式を得る。




三角関数の正弦合成・余弦合成と同様に、引数の等しい双曲線関数の一次結合は、単一の双曲線関数で表すことができる。

- 但し
である。
双曲線関数の定義式に着目すると、
と置換することで双曲線関数の媒介変数表示を得る。





どの性質も、三角関数にとてもよく似ています。このようにとてもよく似た性質を持つことが、三角関数と似た記号を使う理由です。
置換積分の計算をするときに、三角関数を使うと便利なことがありました。例えば、

は
という置換によって

という簡単な積分に帰着できました。双曲線関数でも同じようなことができます。例として

という積分を計算してみましょう。まず、
と置換すると

となります。ここから先の計算でも三角関数と同様な公式が使えますし、あるいは直接指数関数の積分として計算してもかまいません。計算してみましょう。答えは

です。