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解析学基礎/数列の極限

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

定義[編集]

数列が、実数αに収束する、正の無限大に発散する、負の無限大に発散する、ということをそれぞれと書き、それぞれの定義を次のようにする。

数列について、

[1]のとき

任意のに対して、アルキメデスの原理より、を満たすNが存在する。ならば、より。よって、は正の無限大に発散する。

[2]のとき

任意のε>0に対して、。よっては1に収束する。

[3]のとき

任意のε>0に対し、アルキメデスの原理から、を満たす自然数Nが存在する。ならば、に注意すると、。よって、は0に収束する。

性質[編集]

数列の和差積商の極限[編集]

のとき、次の等式が成立する。

証明は関数の極限の証明と同じであるので省略する。

その他の基本的性質[編集]

  • ならば、α = β

証明
任意のε>0に対して、あるNが存在してならばなので、

εは任意より、α=β


  • ならば

証明
任意の ε>0に対して、あるNが存在してならばなので、

εは任意の正の数なので、α≤β


  • ならば、

証明は関数の極限と同じなので省略する。

実数の連続性に関わる性質[編集]

  • 有界な単調数列は収束する。

証明
が有界な単調増加列とし、とおく。上限の定義より、任意のεに対し、を満たす自然数Nが存在し、のとき、単調増加性より、。つまり、数列は収束する。

  • をそれぞれ、単調増加数列、単調減少数列としてすべての自然数iについてかつ、ならば、実数cが存在して、(区間縮小法の原理)

証明
より、二つの数列は有界かつ単調で、収束する。それぞれの極限値をα , βとおくと、条件よりβ-α=0 ∴ α = β

  • 有界な数列は収束部分列を持つ。(ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理)

証明
数列を有界とする。とおく。のうち、有限個の{an}の項しか含んでいない方でない方をとおく。 このようにして数列を作ると、この二つの数列は、前性質の条件を満たしているので、ともに収束する。 また、すべての自然数kに対して、を満たす自然数が存在し、はさみうちの原理から部分列は収束する。

  • (これを満たす数列をコーシー列という)なら、数列は収束する。

証明
ε1を固定して、ε =ε1のときのNN1とおくと、n>N1のとき、より、数列は有界で、前性質より収束する部分列を持つ。この収束値をαとおくと、ある自然数Nが存在して、が成り立つので、三角不等式より、