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解析学基礎/極限

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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はじめに

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関数の項目で、関数についての復習をしました。ここでは、解析学の根本となる極限(limit)の概念を学びます。

関数 f(x) = x2を考えます。この関数は、f(2)=4 となります。この関数を少しいじって次のような関数を考えてみます。

この関数は x ≠ 2 の所では、最初に定義した関数 f(x) = x2 と同じ値を取ります。ところが x = 2 の所では、分母が0になってしまうので関数の値は定義されていません。

x ≠ 2でしか定義されていない関数ですが、一つだけ確かな事があります。それは、x を 2に近付けると f(x)の値が 4に近付くということです。この事を

と表現します。

f(x)の x=2での値を考えているわけではなく、x=2の近くでの値を考えていることに注意してください。今の例では、x=2は、関数が定義されていない点でしたが、関数が定義されている点 x=15や x=1000000でも同じ事が考えられます。xをある値に近付ける時に、f(x)が、どのような動きを見せるか?という問題です。xをcに近付けるとき、必ず、f(x)がLに近付く場合、「Lはxをcに近付けた時の関数f(x)の極限である。」といいます。

xを c に近付けた時の f(x)の極限が Lであるということを数式で  

と表現します。

繰り返しになりますが、x=cでの f(x)の値を考えているわけではなく、xをcに近付けた時の f(x)の値に注目しているので、x=cでf(x)が定義されているかどうかは関係ありません。直感的には、xがcに限りなく近付いていった時に、f(x)は Lに限りなく近づいていくということです。

この極限の概念は、これまで表現しにくかった範囲での関数の性質も表現できるようになります。例えば 関数 f(x) = 1/xについて考えてみます。この関数は xが大きくなればなるほど、1/xは小さくなっていき、0に近付いていきます。1/x が 0になるということはありませんので、これを表現することは難しいです。しかし、極限という言葉を用いることによって、xを限りなく大きくしたときに、1/xの極限は 0であるということができるようになります。限りなく大きな数という数はありませんが、xを限りなく大きくした時に xがどの数に辿りつくのか?という心配をする必要はありません。重要なのは、xをどうしたときに f(x)がどのように振る舞うか?です。

xを限りなく大きくするということを x → ∞のように表します。この時、1/xが0に近付いていくということを数式で書くと

となります。

極限の形式的な定義

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解析学を理解する上で最初の難関は極限の定義を理解することです。 何も無い時代、賢い数学者達でさえ、極限にしっかりした定義を与えるまでに150年もの歳月を費やしました。

殆どの場合、極限の定義は、直感的なもので特に問題ありません。 しかし、限りなく近付くとはどういうことでしょうか? どのように近付いたら限りなく近付いたことになるのでしょうか? 例えば次の関数の極限はどうなるでしょうか?

直感ではf(0) = 0/0だと思うかもしれません。しかし、この極限は 1です。このように直感と数学的な答えが異なる場合、数学的な答えで納得するにはどうしたらいいでしょうか?

形式的な定義

(イプシロン・デルタ論法)

任意の正の数εに対し、ある数δが存在し

ならば

となるとき、Lは、xcに近付けた時の f(x)の極限(limit)といいます。 また、このように、不等式と任意の数εや、ある数δを用いて、上述の式で極限を定義する方法および、この定義式を基に解析学などでの他の定理を証明する論法をイプシロン・デルタ論法(ε-δ logic)と言います。一般的には、「ε-δ論法」と略記します。

直感的な定義と、形式的な定義の間の違いを理解することはとても重要です。直感的な定義ではf(x)Lに近いと表現した部分が、形式的な定義ではf(x)Lの差は「任意の正の数εよりも小さい」となっています。

「任意の」(arbitrary)という言葉は、「思いついたものなら何でも」という意味です。任意の正の数εは、ε=100でもいいですし、ε=1でもいいですし、ε=0.000001でもいいです。どんな正の数を持ってきても、定義の条件を満たす場合に、Lを極限と呼ぶのです。
「任意の」は「全ての」と同じ意味になるので、「全ての」と表現することも多いです。


厳密な数学的議論をする際には、下に挙げるような、一階述語論理の記号を使った簡便な表記を使うこともあります。

ここで、は全称記号(universal quantifier)といい、「任意の~に対して」を意味する記号です。は存在記号(existential quantifier)といい、「ある~が存在する」を意味する記号です。「s.t.」は英語の「such that」の略で、しばしば存在記号と組み合わせて用います。

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1)次の式で、ε = 0.01の時、δはいくつにしたら良いでしょうか?

まず最初に、極限の定義の最後の式に f(x)と εを代入します。

これを整理すると

となります。極限の定義の最初の式に形を合わせるように変形します。

ここで、|-0.04| と 0.04 のうち小さい方を δとします。もちろん、0.04以下の正の数であれば何をδに選んでも構いません。δには沢山の選び方があります。

定義の式をもう一度読み返してみてください

ならば

は成り立っていますね。ε = 0.01に対して、確かに、少なくとも1つのδが存在していることになります。δ=0.03と取っても、δ=0.00001と取っても

であることに注意してください。

2)xを4に近付けたときのf(x) = x + 7 の極限はいくつでしょう?

このような問題に答える場合、2のことが必要です。まず第一に、この極限がいくつになるかを決めなければなりません。ここは、直感的な極限の定義のときのように、直感や推測が役立つ部分です。その後、その数が極限となることを証明しなければなりません。この問題では、答えは11ですが、11になることを、極限の形式的な定義を用いて、それが極限となることを証明しなければならないのです。

直感的: xを4に近付けると、f(x) = x + 7は4 + 7 = 11に近付くので、極限は11と言えそうです。

形式的: 任意のεに対して、δが存在して

ならば


この問題に関して言えば、δ = εと取れば問題ありません。(δの選び方に関してはδの選び方を参照してください。)そして次のことを証明しなければなりません。

ならば

が成り立つ。


|x - 4| < ε

であるので

|f(x) - 11|  = |x + 7 - 11| = |x - 4| < ε

がなりたちます。これで形式的な定義に沿った証明ができました。


3)xを4に近付けた時の f(x) = x²の極限はいくつでしょう?

形式的: また2つの手順を踏みますが、直感的な方法で f(x)の極限は 16だろうと予想ができ、

δ = −4

となるようにδを取ります。このδは常に0より大きい事を確認してください。

あとは

ならば

となることを示せばいいことになります。

三角不等式を用いることによって

|x + 4| = |(x - 4) + 8| ≤ |x - 4| + 8 < δ + 8

となりますので

となり、証明が終わりました。

4) xを 0に近付けたときのsin(1/x)の極限が存在しないことを示します。

背理法を用います。極限が存在すると仮定し、それをpとし矛盾を導きます。p < 0であるならばε=1ととると、どんな δ > 0を持ってきても、

ととるとき、 を満たすような自然数nが存在します。しかし、

となりますから、ε=1のとき、形式的な定義の条件を満たすようなδは一つも存在しないことになり、極限が定義できないことになりますので矛盾ということになります。したがって、p <0ではありません。

p ≥ 0であると仮定する場合も同様に、ε=1のとき

ととるとき、 を満たすような自然数nが存在し

となります。

即ち p < 0でもなく、 p ≥ 0でもありませんから極限pは存在しないことになります。

この関数 sin(1/x)は、位相数学者の櫛(topologist's comb)として知られる有名な関数です。

5)xを0に近付けたとき、x sin(1/x)の極限はどうなるでしょうか?

これは0になります。任意のε > 0に対して、 δ = ε と選ぶと 任意のxに対して、0 < |x| < δならば |x sin(1/x) -0| ≤ |x| < εとなり、証明が終わりました。

常に|sin(x)| ≤ 1であることに注意してください。

極限から微分へ

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車の運転を例にとります。走行距離が時間に比例する車に乗っているとします。時間を横軸にとり、走行距離を縦軸に取ってグラフを描けば直線が書けます。この車の速さを求めたいときは、走行距離÷時間を計算することにより簡単に求まります。これは、グラフで言えば、直線の傾きにあたります。

しかし、普通は車というものは速くなったり遅くなったりして走るため、グラフは直線にはならず、速さを求めることは難しくなります。 そこで、瞬間での速さというものを求めるということをします。速さを求めるには二点必要です。二つの時刻での位置から速さを求めます。グラフで言うと、グラフ上の二点を取りその二点を結ぶ直線の傾きを求めるということになります。これは、その二点間での平均の速さを求めるということになります。

ここで微分(derivation)の基本的な考え方に行き着きます。 この二点間を限りなく近付けた時に、平均の速さがどうなるかを考えます。つまり、2つの点をとり平均の速さを求め、その二点間から2つの点を選び平均の速さを求め、さらにその二点間から2つの点を選び、平均の速さを求め…ということを繰り返して、二点間の距離を限りなく近付けた時に、平均の速さ(直線の傾き)の極限がどうなるかということを見ていきます。

連続性

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この項目では関数の項目で直感的に述べた連続性の形式的な定義をします。とても簡単な定義です。

f(x)が cで連続(continuous)であるとは、

連続性の定義

が成り立つこととします。

関数や、極限が cで定義できなかったり、この等式が成り立たない場合、fcで連続にはならないことに注意してください。

連続性の直感的な考え方とどのように対応しているのかを考えてみてください。連続性を理解するために、関数のグラフを描いて考えてみてください。もし、ある区間内のどこでも、この等式が成り立っているならば、この区間内では鉛筆を離さずにグラフをなぞることができることがわかります。逆に、途中で関数fの値が飛んでいたりすると、その場所で定義の等式は成り立ちませんし、鉛筆を離さずにグラフをなぞることもできません。


極限をみつける

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ここでは極限であることの証明よりも極限値をみつけるということに注目します。これまでの証明でも、まず最初に、極限の値を見つけることから始めました。どうやって極限値を見つけたのでしょう?

関数がある点cで連続であるならば、連続性の定義から点cに近付けた時の関数の値の極限は、単にcでの関数の値に等しくなります。多項式、三角関数、対数関数、指数関数などは、その定義域全体で連続になります。

関数f(x)がcで連続でない場合、有理関数だと c の近くでは連続で、cの所だけが孤立して不連続になっている事も多いです。そういった場合は、cを除いて値が一致するような、似たような関数g(x)を見つけたいと思うことがあります。極限の定義からすると、xcに近付けた時の極限が存在するならば

を満たさなければなりません。 このような場合、不連続になっている点の部分を埋めて、元の関数に近い連続な関数を探したくなります。連続の定義によれば、cでの値が、元の関数のcでの極限に一致しなければなりません。

関数 g(x) は、cを除いて、f(x)と等しい関数です。 f(x) の極限の定義は、0 < |x - c| < δ という集合の上でされていますが、x = cの時、その不等式は成り立たないので、cでの極限はcでの関数の値によりません。 したがって、c での極限は f(x) と g(x) で等しくなります。つまり、新しい関数 g(x) は連続なので、cでの値は、この極限に等しくなければいけないのです。


最後に、極限値が存在しない例をいくつかあげておきます。


ギャップ: 関数が定義されていない場所に(広い)ギャップがあることがあります。例えば

で、f (x) は -4 ≤ x ≤ 4 では定義されていないとき、この区間に含まれる点には近付きようがありません。区間の端点 x =  ±4 でも極限が存在しないことに注意してください。極限が存在するためには、両側からその点に近付く必要があります。グラフ上で孤立した点などでは極限が存在しないことに注意してください。

但し、片側だけから近付く場合、例えば、左側からだけ近付いたときの「極限」も考えられます。これを左極限左側極限、left-hand limit)、右側からだけ近付いたときの「極限」を右極限右側極限、right-hand limit)ということがあります。その場合、ここで定義した「極限」は、両極限両側極限)と言われます。右極限と左極限がともに存在して等しい時、その値が両極限ということになります。


段差: グラフが途切れて急に高さが変わるような場合です。そのような点でも関数は連続ではありませんし、極限も存在しません。床(floor)関数のようなグラフになります。

階段関数というのは、入力値を越えない整数を返す関数のことです。

発散:

xを 0 に近付けると、値がいくらでも大きくなります。この場合も極限値はありません。

振動: あるグラフが、x軸に平行な線と何度も交わり、上へ行ったり下に行ったりを繰り返すような場合です。 実際によく起こり、極限が無いこともよくあります。グラフはあるxの値に近付こうとしても、無限に上下運動を繰り返します。 しかしながら、xを近付けるにつれ、振動の高さ(深さ)が限りなく小さくなっていく時は極限が存在します。 よく使われる振動の例として、三角関数を用いたものがあります。極限の無い振動の例として

という関数が考えられます。

sin 関数のグラフは、無限に振動します。この振動の起こっている (1, ∞) という区間を 1/x という変換を用いて (0, 1) に入れます。すると、この有限区間の中に、無限回の振動を詰め込むことができるようになります。実際、この f(x) で x を 0 に近付けていくと、無限回の振動が起こります。

病的なグラフ: ここでは 2 つの例を考えます。

まず、 f が 任意の有理数qに対し定数 f(q)=2 を取る場合、f は、任意の q0 で連続になります。任意に ε > 0 を取ると、任意の δ > 0 に対し、 0< |q-q0| < δ を満たす q は | f(q) − f(q0) | = |2−2| = 0 < ε も満たします。したがって、 f は q0 で連続です。

f は 有理数上だけで定義されていて、無理数の所では定義されていないことに注意してください。 f の値が評価できる所だけ、 条件の判定ができます。 f の値を判定できない無理数の所では 極限や連続の定義は意味を持ちません。

2 つ目の例として、 次のような関数を考えます。

先程定義した、 f と似ていますが、今度は無理数の時は 0 という値を取るように定義されています。gには連続な点はありません。 x を実数として、 gx で連続でないことを示します。 ε = 1 とします。 もし gx で連続あるとすると、 |x-y| < δ ならば |g(x)− g(y)|<1 となるような δが存在する筈です。しかし、 δ をどんなに小さくとっても、 |g(x) − g(y)|=2 となるような y が存在します。 x が有理数ならば、 y に無理数をとり、 x が無理数ならば、 y に有理数を取ればいいからです。したがって、 g は全ての実数で連続ではありません。

この 2 つの病的なグラフの例は重要です。そっくりな例でも結果は逆なのです。 有理数と有理数の間には必ず無理数があり、無理数と無理数の間には必ず有理数があるのでグラフを描こうとしても有理数と無理数の区別を付けられず、 y=g(x) のグラフなどは、視覚的に表現するとすれば y=2 というグラフと y=0 というグラフを合わせたものにせざるを得ません。

極限を求めるための道具

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線形性

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が存在するとき、

線形性の証明

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仮定より、 とおく。このとき、

を任意に取ってくる。 より、極限の定義からある実数 が存在して

絶対値を外せば、

したがって

ここで、 とおけば上の式が成り立つ。すなわちある実数 が存在して任意の に対して

すなわち2番目の式が証明されたのである。

はさみうちの原理

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を満たす関数、f(x), g(x), h(x) があり、x を c に近付けた時に f(x) と h(x) の極限が存在し

であれば、 g(x) の極限も存在し

となります。これをはさみうちの原理(Squeeze theorem)といいます。これはいろいろな場面で使われます。

はさみうちの原理の使用例

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三角形と円弧
三角形と円弧

右図の三角形ABCにおいて∠ACBが直角とします。 AC=AE=1とし、C から E まで円弧が描かれています。 E から AC に降ろした垂線の足が D です。 ∠BAC の大きさを x とします。(弧度法で単位はラジアンです。x は正であることに注意してください。)

すると、ED = sin(x) 、 BC = tan(x) です。面積を比べると

△EAC < 扇形 ACE < △ABC

ですから

という不等式が得られます。これを整理して

いま、 0<x< π/2 ですが、この不等式の左辺と中辺は偶関数なので、この不等式は −π/2 < x <0でも成り立つとわかります。即ち、 0<|x|<π/2という区間でこの不等式を考えます。

ここで、x → 0 とすると、

なので、はさみうちの原理より

となります。

はさみうちの原理自体とても便利な道具ですが、この sin(x) と x の比が 1 に収束するという事実もとても役に立つ道具になります。

はさみうちの原理の証明

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という条件から、任意の ε に対して、ある δ1 、 δ2 が存在して、

0<|x-c|<δ1 ならば、 |f(x)-α|<ε
0<|x-c|<δ2 ならば、 |h(x)-α|<ε

となります。δ1 、 δ2のうち小さい方(等しければその値)を δとします。

0<|x−c|<δ

ならば

f(x)−α < g(x)−α < h(x)−α
−ε < f(x)−α < ε
−ε < h(x)−α < ε

であることから

−ε < f(x)−α < g(x)−α < h(x)−α < ε

となり、

|g(x)-α|<ε

が言えました。つまり、g(x) も αに収束します。

無限大 ∞ について

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において、x を、0に近づけたときの極限はどうなるでしょうか?

は、分母が 0 になってしまうため定義されていません。

しかし、直感的には xを小さく選べば、gはいくらでも大きくできるということが分かるでしょう。例えば、 g(x) を 106 にしたければ、xを 10-3に取ればいいのです。 この場合、 xを十分 0 に近く(しかし、x≠0 であることに注意してください。)取れば、g(x) をいくらでも大きくできます。

これを

と書きます。

この記法は、極限の記法に合わせただけのもので、実際には x = 0 での極限は存在しないことに注意してください。∞ という極限が存在するわけではありませんし、∞は数ではありません。

不連続な関数

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不連続(discontinuous)とは、関数がある点で連続で無いことをいいます。例えば、

は、x = 3に除去可能な不連続点(removable discontinuity)を持ちます。

この「除去可能」(removable)というのは、少し手を加えるだけで不連続なところを連続にした関数を得られるという意味です。特にこの関数の場合は、x≠3の時は、約分することで f(x) = x+3 になります。 もし、f(3)=6 であったならば、連続な関数になります。即ち、新しい関数

を定義します。もちろん x=3 で、x+3=6 ですから、まとめて、g(x) = x+3と書くこともできます。x=3 でも定義されているので、 f(x) とは別の関数であることに注意してください。 f(x) の x=3 での極限である 6 を g(3) の値として、連続な関数になりました。 有理関数では、このような不連続性の除去が可能です。分母が0にならないときは、このような操作によらなくても連続関数を得ることができます。分母が 0 になるときに、0 で割るということを避けるために、こういった新しい関数 g(x) を用意する必要があります。

外部リンク

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