出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
ある量が大きさと方向を指定すると決められるとき,その量をベクトル (vector) といい,ここでは太文字 などであらわす.
細文字 はそのベクトルの大きさを示すものとする.
いま二つのベクトル と を考えたとき,その合成ベクトル は
であらわされ,その方向と大きさは図A.1のように平行四辺形の法則であたえられる.
このとき,
がなりたつことが容易に確められる.
ベクトル と同じ方向の大きさが のベクトルを とかき,
これを単位ベクトルという.すると,
(A.1)
とかくことができる.図A.2 のような直交座標を考えよう.
このとき原典 から点 に向かってひいたベクトル を位置ベクトルといい,
とかく.また 軸のそれぞれの方向を向く単位ベクトルを であらわすと,
任意のベクトル は
(A.2)
とかくことができる.この を基本ベクトルという.
ここで はベクトル のそれぞれの軸の方向の成分の大きさである.
明らかに
(A.3)
である.