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高校受験ガイド/男女の別学や共学

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

共学校の場合

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男子高校生と女子高校生の在校生割合

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公立の共学校であっても、男女比は必ずしも 1:1 に近いとは限りません。4:6 や 6:4 など、多少の差異のある場合もあります。

特に地方では、俗に「実質女子高」と言われる共学校もあります。過去に女子高だった公立学校を共学化したが、男子生徒が集まらず、女子生徒ばかりの公立高校もあるのです。 このように、2020年代では中高の男女比は決してキッチリ5:5ではないのです。つまり、高校側が新入生の男女比を設定していない、と考えられます。仮にある高校の新入生に男女比があったとしても、けっして明確な一定の数値ではなく、幅のある弾力的なもの(たとえば「男子3割~7割」みたいな)だと思われます。実際、年度によって男女比が変動している高校もいくつもあります。

よって、入試における合否の難易度も、多くの高校で、特に男女で難しさの差は無いです。たとえば女子の多い高校に男子が受験したからといって、その男子が受験で有利な事はないのが、現代では一般的です。

  • 共学における男子高校生と女子高校生の高等学校在校生割合は大都市圏(東京都・大阪府・神奈川県・愛知県・埼玉県・千葉県)だと次のような傾向です。
理系私立大学の付属高等学校なら、女子高校生よりも男子高校生が大きく上回ります。理系私立大学付属高等学校卒業生は理系大学に進みたいから、そのような傾向になっています。
公立高等学校 普通科なら、首都圏の場合、男子が全体の4~6割など多少の差はありますが、女子生徒と男子生徒はほぼ同じような割合がふつうです。

一方、私立高等学校の男女比は学校によって違います。

また、公立高等学校の男女比の傾向は、設置学科で変わります。

公立高等学校商業科とか公立高等学校国際科とかなら男子高校生よりも女子高校生が大きく上回ります。公立高等学校理数科とか工業高等学校とかなら女子高校生よりも男子高校生が上回ります。このような統計は、各都道府県の教育委員会「公立学校一覧(高)【在学者数・教職員数】」とかJS日本の学校とかに示されているので、確かめてみましょう。

さらに、学校の歴史が今の男女比に影響します。たとえば、近年まで女子校だった学校の場合、当然ですが、女子のほうが多い傾向があります。

共学化の段階措置

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統廃合で共学化をする予定のある男女別学では、たとえ制度的には男女別学でも、名目上での統合の数年前から、「男子クラス」「女子クラス」の設置のように段階的に実際は共学になっている場合があり、たとえば女子高内に若干の男子クラスが設けられるような事例もあります。[1]たとえ元・女子高だからといって、手加減はされません。

けっして、ぶっつけ本番で、名目上の共学化の年度に完全共学化をするのではなく、上記のように段階的に、共学化の実績を積み上げていくのです。

男女別学の公立高校のある地域の中学生・高校受験生で、「絶対に異性と同じ高校生になりたくない」という意志の人は、受験勉強をがんばって今後も残る偏差値の高い男女別学トップ高校にでも合格しましょう。

男女別学

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教員は男性もいます

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国公立の場合、男女別学と言っても、教員には異性もある程度は居ます。もしかしたら女子高なら多少は女性教職員が多いかもしれませんが[2]。

そもそも教科によっては、たとえば理系科目の教員には全国的に男性が多いとかの事情もあるので、まったく男性教師がいない高校というのは、国公立の場合は考えづらいです。

日本全国で、高校教員の7割以上が男性教員です。女性教員の多くは小学校の教員です[3]。

こういう事情があるので、高校で男性教員が全くいない女子高は、かなり、考えづらいです。

幼稚園・保育園や小学校の低学年には女性教員や女性の教育者が多いです。生徒の学年が上がるにつれて、学校側は次第に男性教員の比率を増やしていくことで、生徒に両性になれさせていく、という教育的な仕組みがあると思います。なので、女子高であっても男性教員は多くの学校で存在していると思います。


そもそも校長が普通、男性です[4]。男のほうが体力的に無理が利きますので、仕方ない。

戦前の小説とか映画とかだと、女子高の教員が女性教師ばかり、男子校の教員が男性教員ばかり、とかあるかもしれませんが、しかし戦後の平成以降の高校には異性の教員が普通にいます。

他校との交流で異性と交流

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生徒についても、公立でも公立でも、たとえ男女別学だからといって、文化祭などの行事では、けっして、まったく他校の異性の生徒との交流が無いわけではありません。たとえば、文化祭などで、近隣の同レベルの男女別学の高校との交流があるのが、よくあるパターンです。橋本紀子 ほか著 『男女共学制が戦後の日本人のジェンダー平等意識に与えた影響に関する調査研究』 , P.41

公立の場合、交流先の偏差値が同格とも限りません。ともかく、「まったく異性の同年代の若者と交流しない」という事は、無い。

中学生アンケート結果の内容

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中学生男女のアンケートでの、男子校・女子高の希望者の割合は、たったの3%です埼玉新聞 『男女共学化勧告…「別学にもニーズ」埼玉県教育長が見解 アンケート受け 中学生の別学希望3%台も「バランス取れている』 ,2024/07/27/12:03 。

よく報道では「高校生の半数以上が共学化に反対」などと報道されますが、しかし当の高校受験生の各本人は、実は男女別学への進学を別に望んでもいません。

つまり、実質的には、「もう12校しか残ってない男女別学を、これ以上減らすことには反対」ぐらいのニュアンスです。受験生本人が男女別学に進学したいわけではないというアンケート結果である事に注意が必要です。


実際、となりの栃木県でも、過去の2015年に似たようなアンケートで、中高生の5割が「共学校と別学校両方あるのが良い」という、似たような意見です。下野新聞 digital 『栃木県立高、質の維持へ統合必至 学級数減で共学化議論も』 , , 2023/7/18


男女別学の偏差値が高いのは、中学生はべつに、男子校・女子高の文化に憧れているのではなく、単に偏差値の高い地元の高校が、たまたま男子校または女子高だっただけです。

高校生と中学生とのアンケート結果に乖離があります。結論を先に言うと、高校生は、自分の出身校の文化を残したいのでしょう。

新聞によると、高校生の意見では『高校生は6割ほどが「共学化しない方がよい」と回答』との事ですが、上記の3%の実態と考えると、おそらく、「男女別学の高校も残したほうが良い」という意見が6割、なのでしょう。

しかし、中学生にとっては、高校は出身校ではありません。なので、乖離が発生するわけです。

そういう、浦和高校・浦和一女などの「男女別学も残したほうがいい」という気持ちなら、おそらく共学の高校に通った子たちも同じような気持ちでしょうし、だからこそ高校生全体のアンケートでは6割もあるのです。


なので、「女子高なので、のびのびと過ごせた」という、よくある卒業生からの意見は、おそらくは、新聞アンケート結果から考えるに実態は「元から共学でもノビノビと過ごせる子が、男女別学⁺なので、もっとノビノビと過ごせた」という前向きな意見だと解釈するのが妥当でしょう。

地方の公立高校と私立高校共学化はどうやって進みましたか?

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バブル崩壊の時期と重なるように子供の数も減りました。もし、男子高等学校・女子高等学校のままなら受験生が足りなくなります。そうすると、授業の質も下がります。このような時代背景から、大半の地方自治体は男女共学化の公立高等学校と私立高等学校を増やしました。その結果、地方の公立高等学校と私立高等学校も男子高校生と女子高校生が一緒に同じ学習内容を同じ学級内で学ぶようになりました。

高校の男女別学と私大の男女比

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日本の戦前の大学は、男子しか通えなかったので、男性のほうが大学生の多めの時代がありました。

そこで少なくない私立大学のいくつかが、近年、手っ取り早く自大学の男女比を均等にしたいことから、女子高からの推薦枠を多めにしています。けっして、女子高の学力が伸びているというわけではありません。マーチや関関同立などの私大がすでにそう行動しています。

共学と男女別学

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戦前の日本では、中学校以上からは男女別学でした。このため、公立高校のうち、戦前から存在する高校は、今でも男女別学な高校が北関東を中心に21世紀でも残っています。

また、日本人の伝統主義的なブランド志向からか、公立高校では戦前からある古い高校ほど偏差値が高い傾向が多いのですが、上述のように戦前の高校教育は男女別学だったので、したがって昭和の時代までは、公立高校で偏差値の高い高校は男女別学の傾向がありました。

しかし、平成になり、男女共学化が各県で進み、令和の今では、北関東などの一部の地域を除き、ほとんどの公立高校が共学になっています。(ただし、国立の高校には、男女別学が残っています。たとえば、筑波大付属駒場は男子校です)

このため、もう全国的に統計を見ると、公立の男女別学の高校は1%くらいしか残っていません[5]。

2003年度に福島県、2010年度に宮城県ですべての県立校が共学化しており、もうこれらの地域では男女別学の県立高校は残っていません[6]。

2023年の時点で、今も別学の公立高校が残っているのは、埼玉のほか、群馬(12校)、栃木(8校)、宮城(1校)、千葉(2校)、和歌山(1校)、島根(1校)、福岡(2校)、鹿児島(5校)だけです[7]。

どうしても男女別学の必要性を訴えるなら、けっして一部の地域住民にしかメリットの無い「選択の自由」(?)を主張するのではなく、たとえば「比較対象としての実験校になる」とかそういう事を言わなければなりません。あるいは、そんなに選択の自由を主張するなら、男女別学だけ例外的に学区を撤廃して日本全国から生徒を募集するとか主張しないと、他県の選択肢を無視しており理屈が通りません。あるいは、「各県に男女1高校ずつだけ男女別学を設置すべきだ」とか主張しないと理屈が通りません。

しかし実際の歴史では、埼玉県の私立は、もう1980年代のベビーブームの時代から、ほとんど共学ばかりです。埼玉では公立の進学校は男女別学が多く、私立は進学校でも男女共学、という傾向が歴史的にあります。これはちょうど、昭和の東京の高校が、公立進学校は比較的に男女共学が多く、私立は男女別学が多い、という対比の逆になっています。

ただし埼玉県の場合、私立高校よりも公立高校のほうが合格先の偏差値が高いという傾向があります(東京とは違います)。

なお、大学合格率を見る際の注意として「公立高校からの大学合格率は浪人生が多い」と言っておきます。特に、東大・京大などの難関大学を狙う高校の場合、(東大・京大への)現役合格率が3%とかで、2浪とかがザラです。特に男子校はこの傾向があります。このため、(東大や国公立に限らず)医学部を狙う人は、現役合格率の高い私立を目指す高校があり(医学部は面接で年齢の若さを見られるので)、実際に埼玉県では栄東などがそういう私立になっています。

ありそうな勘違いで、男女別学の12校どこも進学重点校だと混同している人もいそうですが、しかし実際は違います。埼玉の進学重点校の12校は、男女別学の12校とは独立に決まってます。(動画)『【激動?】公立の地域トップ12校が、〇〇に選ばれた!【埼玉県公立高校が動き出す】』 2023/05/20 浦和・大宮地区の3校はどれも進学重点校ですが、しかし他地域の男女別学は必ずしも進学重点校とは限りません。

男女別学と同じくらいの偏差値の共学があるのは、それは浦和・大宮地区の話。男子校と女子高の偏差値が近いのは、それは浦和・大宮地区の話。(地域差別になるので、具体的に偏差値のかけ離れている地域名は出しません。


さて他県では、部分的には男女別学が残っている県でも、家からとても遠いなど、事実上、通える地域ではありません。

まあ、男女別学の校舎を共学に作り替えると、トイレの増設などの工事も必要になるので、仕方ないのかもしれません。

ほか、部活動に部室も共学になると男女別々に必要なのが、けっこう敷地的に負担です。


なお、私立でも同様であり、東京や神奈川のように戦前から私学の多かった地域では、私立で高偏差値な高校は男女別学な傾向があります。

たとえば戦前からある慶應義塾高等学校(慶應日吉高)は男子校です。早稲田大学高等学校も男子校です。いっぽう、慶應義塾湘南藤沢高校は1990年代に設立されたので男女共学です。

ほか、「男子御三家」(開成・麻布(あざぶ)・武蔵)、「女子御三家」(桜蔭・女子学院・雙葉(ふたば))なんて言葉もあります。

また、戦前からある古い私学は、校舎が歴史的建造物になってしまっていたり、そういうのもブランド化しているので、簡単に建て替えるわけにもいきません。

高度成長期などの校舎の立て直し

戦前から続くような伝統校でも、実際は建築の立て替え工事を何度もしています。たとえば、戦前からの木造校舎を解体して、戦後の高度成長期や昭和末期とかに鉄筋コンクリートに立てなおしたりしています。立て直しなどの際に、校舎の位置も微妙に移転しています。たとえば、校庭だった場所に新校舎を建てて、校舎だった場所が新校庭になったりとか。

建築史でも、関東大震災を機に、それ以前は木造だった校舎が、震災後は鉄筋コンクリート造になっていった歴史が、都心ではあります(地方はどうか知りません)。

あるいは「義務教育の子供には男女別学は相応しくない」として高校以降を区別する論法なら、だったら大学も義務教育ではないので公立大学や国立大学で「男子大学」を主張しないと(国立の女子大はすでに「お茶の水女子大」や「奈良女子大」があるので男子大学を追加しないといけない)理屈が通りません。

あるいは、もし反論として「大学は女子差別是正のアファーマティブ・アクションの一貫で、国公立の男女別学は女子大だけでも良い」というなら、だったら高校の男女別学もそのアフォーマティブ・アクションにより男女同数である必要はなくなってしまい女子高だけ多くても問題なく、したがって公立男子高校の共学化の論拠になってしまいます。

なお、埼玉県だけを見ると、公立高校(都道府県立)の男子校と女子高の校数は、ほぼ1対1ですが(女子高のほうが少しだけ数が多い)、しかし日本全国で見ると、

男子校が15校、女子高が30校と、

ほぼ 1対2 の比率です。なお、国立は入っていません。

脚注・参考文献

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  1. ^ (pdf)坂本祐子 ほか著『男女別学高校から共学高校への移行と生徒の意識』 P41 の 対象者D の事例
  2. ^ 高校受験ナビ 『鴻巣女子高校の掲示板 スレッド』
  3. ^ 文部科学省 『調査結果の概要』
  4. ^ 朝日新聞 『少なすぎる女性校長、公立中高は1割未満 識者「女の子の翼を折る」』 , ,2023年3月22日 9時00分
  5. ^ 『北関東に多い「公立高校の男女別学」は時代錯誤か? 共学化めぐる議論の歴史』、弁護士ドットコムニュース、2022年01月01日 09時33分 2024年3月31日に確認.
  6. ^ 『北関東に多い「公立高校の男女別学」は時代錯誤か? 共学化めぐる議論の歴史』弁護士ドットコムニュース、2022年01月01日 09時33分 2024年3月31日に確認.
  7. ^ 朝日新聞『減りゆく公立高の男女別学校 7割が埼玉・群馬・栃木に集中のなぞ』2023年12月13日 12時00分 2024年3月31日に確認.