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高等学校工業 原動機/ディーゼル機関

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

ピストンによって空気を圧縮し高温高圧の空気とし、シリンダ内の高温空気に燃料を噴射して自然着火させる機関をディーゼル機関 (diesel engine) という。ディーゼル機関では、燃料の点火は行われない。燃料としては、軽油・重油などが用いられる。 作動行程は、吸気(intake) ・ 圧縮(compression) ・ 膨張(power) ・ 排気(exhaust)からなる。

圧縮によって、おおむね、シリンダ内の気体は、以下の様な状態になる。

  • 圧縮比 :12 ~ 24
  • 圧縮温度 :500℃ ~ 600℃
  • 内圧 :3.5MPa ~ 4.5MPa (35 kgf/cm^2 ~ 45 kgf/cm^2)


4サイクル機関と2サイクル機関とが、ディーゼル機関には、ある。

4サイクルディーゼル機関の動作原理[編集]

4サイクル・ディーゼルエンジンの動作

4サイクルディーゼル機関の行程を示す。

  • 吸気 

ピストンが上死点から下死点へと向かう間に、吸気弁が開き、空気だけをシリンダ内に吸い込む。空気の吸込み後、吸気弁を閉じる。排気弁は、この行程では、閉じたままである。

  • 圧縮 

吸気で弁が閉じた後、クランクの回転により、下死点から上死点へとピストンが移動して、シリンダ内の空気が圧縮され、高温・高圧の状態になる。排気弁は、この行程の間は、閉じたままである。

  • 膨張

高温のシリンダ内の空気中に燃料を噴射する。シリンダ内は高温なので、燃料は自然着火して、混合気が膨張する。ピストンは下死点へと押し下げられる。 吸気弁は、この行程では、閉じたままである。排気弁は、この行程では、閉じたままである。


  • 排気 

排気弁を開く。燃焼ずみのガスが排気される。クランクの回転により、ピストンは下死点から上死点へと移動するので、ピストンの移動によって、排気が押し出される。吸気弁は、この行程では、閉じたままである。 排気が終わった後に排気弁を閉じて、吸気行程へと移る。


セタン価[編集]

点火しないディーゼル機関でもノッキングは起こる。この場合は、点火が遅いことが原因である場合が多い。 セタン価の高い燃料が、ディーゼル機関では要求される。「オクタン価」は、ガソリンエンジン用の燃料の価数なので、ディーゼル機関ではオクタン価は用いられない。

ディーゼルエンジンで用いる軽油や重油では、ガソリンエンジンとは逆に、自己着火のしやすさが要求される。

セタン価(Cetane number)とは、耐ノック性が比較的高いn-セタンのセタン価を100として、耐ノック性が低いイソセタンのセタン価を15とした試料の軽油と、同一の耐ノック性を示すようなセタンとイソセタンとの混合物中に含まれるセタンの割合(容量比)を、その試料のセタン価とする。一般に、セタン価は45以上は必要である。