高等学校理科 生物基礎/ホルモンによる体内環境の調節

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ホルモン分泌の調節[編集]

ホルモン分泌で中心的な役割をしている器官は、間脳にある視床下部(ししょうかぶ、hypothalamus)と、視床下部の下にある脳下垂体である。 脳下垂体には前葉と後葉がある。

  • 神経分泌(しんけいぶんぴつ)

間脳の視床下部には、ホルモンを分泌する神経細胞があり、これを神経分泌細胞(しんけい ぶんぴつ さいぼう、neurosecretory cell)という。また、このように神経がホルモンを分泌することを神経分泌(しんけい ぶんぴつ)という。この間脳の神経分泌細胞により、脳下垂体の血管中にホルモンが分泌される。この神経分泌のホルモンは、脳下垂体のホルモンを調節するための放出ホルモン(releasing hormone)または放出抑制ホルモン(inhibiting hormone)である。

視床下部から伸びている神経分泌細胞が、脳下垂体に作用して、脳下垂体のホルモン分泌を調節している。

脳下垂体の前葉と後葉とで、分泌される血管の位置が違う。

脳下垂体前葉では、視床下部にある血管に分泌し、その血管が前葉まで続いて脳下垂体に作用している。前葉からは成長ホルモン(growth hormone)などが分泌される。

いっぽう、脳下垂体後葉では、視床下部からつながる神経伝達細胞が後葉まで続いており、後葉中の血管に、神経伝達細胞が直接、ホルモンを分泌している。

後葉からは、水分調節に関わるバソプレシンというホルモンが分泌され、バソプレシンによって腎臓での集合管における水の再吸収などが促進される。


  • 再吸収とホルモンとの関係

ヒトなどの場合、血液中の塩分濃度が低いと、Naの再吸収がホルモンによって促進される。このホルモンは鉱質コルチコイド(mineral corticoid)という。腎細管でほとんどのナトリウムが再吸収される。鉱質コルチコイドは副腎皮質から分泌されている。

腎臓の働きと再吸収

水の再吸収については、脳下垂体からバソプレシン(vasopressin)というホルモンが分泌されることによって、腎臓(じんぞう)の集合管での水の再吸収が促進される。 塩類の過剰な摂取などで、血液中の塩類濃度が上昇して体液の浸透圧が上がったときにも、バソプレシンによって水の再吸収が促進され、塩類濃度を下げさせる。水が吸収された結果、尿の液量は少なくなり、尿は濃くなる。

※参考  このように尿量を減らす作用がバソプレシンにあるため、バソプレシンは「抗利尿ホルモン」(ADH)とも呼ばれる。[1](※ 検定教科書での「抗利尿ホルモン」の記載を確認。) 専門書などでは「抗利尿ホルモン」の名称のほうを紹介している場合もある。



  • チロキシン
チロキシンのフィードバックによる調節

のどの近くにある甲状腺(こうじょうせん、thyroid gland)からはチロキシン(thyroxine)が分泌される。 チロキシンは代謝を活性化するホルモンであり、酸素の消費やグルコースの消費が、活発になる。 視床下部は、チロキシンの濃度を、つぎのような仕組みで調節している。

チロキシンによって、視床下部や脳下垂体による甲状腺刺激が抑制されるという仕組みである。 視床下部や脳下垂体は、チロキシンが多くなりすぎないように、チロキシンによってホルモンを抑制する。チロキシンによって視床下部は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンを抑制する。また、チロキシンによって、脳下垂体は甲状腺刺激ホルモンを抑制する。こうして、チロキシン自身が最終的に、甲状腺からのチロキシン分泌を抑制するように働きかける。

逆にチロキシンが少なくなると、視床下部や脳下垂体が、甲状腺刺激ホルモンを通して甲状腺にチロキシンを増やすように働きかける。

チロキシンを受け取った細胞では代謝が活発になる。

このように、最終産物(この場合はチロキシン)が、前の段階(この場合は視床下部や脳下垂体)に働きかけることをフィードバック(feedback)という。

フィードバックは生物学に限らず、多くの分野で見られる現象だが、とりあえず生物学を例に説明する。

フィードッバックが前の段階を抑制する場合、負のフィードバック(negative feedback)という。ふつう、ホルモンは負のフィードバックによって、濃度などが一定の範囲内に近づくように調節されている。

(※編集注 バソプレシンのフィードバックの図を追加。)

腎臓での水の再吸収に関わるバソプレシンも、負のフィードバックによって一定に保たれる。この結果、バソプレシンが人体の水分調節のためのホルモンとして働くことになる。


いっぽう、フィードバックによって、前の段階が促進される場合を正のフィードバックという。電子機械などで見られる現象で、たとえば音声マイクとスピーカーのハウリング現象(マイクをスピーカーに近づけたときの、うるさい現象。※ うるさいので実験しないように。)などが、正のフィードバックにあたる。

ハウリングの起きる仕組みは、マイクから入力された音が、スピーカーから出て、そのスピーカーから出た音をマイクがひろってしまうので、さらにスピーカーから音が出るので、音が大きくなり、その大きくなった音をふたたびマイクがひろってしまうので、さらにスピ-カーから、もっと大きな音が出てしまい、そしてさらに・・・という、とてもうるさい現象である。

ホルモンの働き[編集]

浸透圧の調節[編集]

魚類の浸透圧の調節は、えら・腸・腎臓などで行われ、 淡水魚と海水魚の場合でその働きは異なっている。 淡水魚の場合、水分が体内に侵入するため、 えらや腸で無機塩類を吸収し、 腎臓で体液より低張の尿を大量に排出する。 海水魚の場合、水分が体外に出るため、 海水を大量に呑み込み腸で吸収し、 腎臓で体液と等張の尿を少量排出する。 また、えらから無機塩類を排出する。

哺乳類の浸透圧の調節は、腎臓で行われる。 また、腎臓の働きは、間脳視床下部・脳下垂体後葉や副腎皮質(ふくじんひしつ、adrenal medulla)によって調節されている。 水分の摂取などで、低浸透圧になった場合、副腎皮質が働く。 副腎皮質からは鉱質コルチコイド(mineral corticoid)が分泌される。 鉱質コルチコイドは腎臓の細尿管から無機塩類の再吸収を促進する働きがある。 水分の不足などで、高浸透圧になった場合、 間脳視床下部、脳下垂体後葉が働く。 脳下垂体後葉からはバソプレシン(vasopressin)が分泌される。 バソプレシンは腎臓の細尿管から水分の再吸収を促進する働きがある。

血糖値の調節[編集]

血液中に含まれるグルコースを血糖(けっとう、blood glucose)という。

※ 「グルコ-ス」とは、ブドウ糖のこと。
主に化学の分野では「グルコース」と言う。

健康なヒトの場合の血糖の含有量は一定の範囲に保たれ、空腹時で血液100mLあたり、ほぼ100mgという濃度である。(※ 検定教科書に普通に書いてある・)


(※ 範囲外: )このような単位量あたりの血糖の値を血糖値(けっとうち)という。
※ 「血糖値」は高校理科教育の用語では「血糖濃度」と言います。東京書籍では「血糖値」のまま書いています。


※ 高校と大学の生物学では、化学などの用法にあわせてだろうか、高校以降の生物学では「ブドウ糖」とは呼ばずに「グルコース」という。

※ 検定教科書にも、「血糖」の内容は「グルコース」だと、書いてある。(啓林館や東京書籍の検定教科書などに「グルコース」だと書いてある。)

なおグリコーゲンとグルコースとは別物。
しかし大学でも医学では、「ブドウ糖」(Grape sugar)と日本では言う。たとえば「低血糖」について医学書の治療法には「ブドウ糖」の輸液とか書いてある。
グルコースのほうが、貯蔵物質のグルコーゲンとの関係が分かりやすいし、生物学では「グルコース」と表記するほうが合理的である。


グルコースは細胞の活動に必要な糖である。

なお、グリコーゲンは、グルコースを貯蔵しやすく体内で変えたものであり、(※ 東京書籍、啓林館)化学構造としてはグルコースが数万個も結合した構造になっている(※ 数研出版の検定教科書版(チャート式ではない))。(なお動物だけでなく植物でもグリコーゲンで貯蔵される。) 動物の場合、肝臓や筋肉で、グリコーゲンとして貯蔵されている(※ 啓林館)。肝臓では、グリコーゲンの合成および分解が行われている。


血糖値が低すぎたり高すぎたりすると様々な症状を引き起こすため、 ホルモンと自律神経によって一定に保たれている。

糖は脳のエネルギー源なので、もし血糖濃度が下がりすぎてしまい、おおむね70mg/100mL以下になると(低血糖)、計算力の低下などの症状が表れ始め、60mg/mL以下になると意識障害や けいれん などの危険がある。(※ 第一学習社、東京書籍の教科書が本文で記述。なお東京書籍は60mg/100mLの数字を採用。第一学習社が70mg/mLを採用。)

※ 東京書籍の検定教科書のグラフで、健常人の血糖値が80以上になってるのは、低血糖でないという意味だろう。


食事などで炭水化物や糖質を取ると、一時的に血糖値が上昇する。逆に、急激な運動の後などでは下がっている。 血糖値が60mg以下(血液100mLあたり)だと、意識喪失や けいれん などが起き、危険である。運動などによって低血糖になると、間脳の視床下部が働く。


さて、血糖の調節に関わる器官は、すい臓および視床下部である。

視床下部は、交感神経によって、すい臓と副腎髄質を働かせる。


  • 低血糖の場合

グリコーゲンが、つぎの仕組みで分解されることで、グリコーゲンからグルコースが取り出され、グルコース濃度を上げる仕組みである。


すい臓のランゲルハンス島α細胞からはグルカゴン(glucagon)が分泌され、 副腎髄質(ふくじんひしつ、adrenal medulla)からはアドレナリン(adrenaline)が分泌される。

グルカゴンやアドレナリンは、グリコーゲンをグルコースへ分解させる働きがある。

また、視床下部は放出ホルモンで脳下垂体前葉を働かせ、脳下垂体前葉は副腎皮質刺激ホルモンで副腎皮質を働かせ、副腎皮質からアドレナリンが分泌される。

また、副腎皮質が分泌する糖質コルチコイド(glucocorticoid)が、タンパク質を分解させて、その分解された元タンパク質を材料としてグルコースを合成させる。糖質コルチコイドは、タンパク質をグルコースへ分解させる働きがある。

アドレナリンやグルカゴンが、肝臓や筋肉に働きかけ、貯蔵されているグリコーゲンの分解を促進する(肝臓や筋肉にはグリコーゲンが蓄えられている。)。

これらの反応の結果、血糖値が上昇する。

  • 高血糖の場合

食事などによって高血糖になると、すい臓のランゲルハンス島β細胞が、血糖値の上昇を感知し、β細胞がインスリン(insulin) を分泌する。

インスリンは、グルコースをグリコーゲンへ合成させたり、 グルコースを細胞へ吸収・分解させたりする働きがある。

このインスリンが、細胞でのグルコースを用いた呼吸を促進したり、肝臓でのグリコーゲンの合成を促進するので、結果的にグルコースの消費が促進されるので、グルコースの濃度が下がり、グルコース濃度が通常の濃度に近づくという仕組みである。

また、間脳の視床下部でも血糖値の上昇は感知され、副交感神経の刺激を通じて、すい臓にインスリンの分泌をうながし、すい臓のランゲルハンス島β細胞がインスリンを分泌する。


  • 糖尿病 (※ 高校の範囲
ヒトの血糖濃度

いっぽう、病気により血液100mL中の血糖値が常に200mg(「200mg/100mL」のように書く)を越えると、糖尿病(とうにょうびょう、diabetes mellitus)という病気だと判断される。[2] (※ 200mgの数値は高校の範囲外だが、実は東京書籍の検定教科書で200mgの数字が本文中にある。糖尿病については高校理科の範囲内、東京書籍や[3]、第一学習社など。) 健康な人では、血糖値はおおむね100~150mgの範囲内であり、空腹時は100前後だが食事などによって150mg/mL近くに上昇する(※ 第一学習社および実教出版の『生物基礎』の検定教科書に図表で記載あり)。

※ 実教出版の教科書の図表を見ると、糖尿病患者の血糖値が最低値が200mgになってるのは、上述のような理由がある。


糖尿病とは、すい臓からインスリンが、うまくは分泌されなくなってしまった病気である。インスリンが細胞と結合すると、グルコースを消費させる。しかし、インスリン分泌がうまくいかないと、この消費がなくなってしまい、その結果、グルコースが余る。


※ 「血糖値」は高校理科教育の用語では「血糖濃度」と言います。東京書籍では「血糖値」のまま書いています。なので、右グラフの「血糖濃度」を「血糖値」と書いても、正解です。医学書(『標準生理学』や『生理学テキスト』など)では「血糖値」の表記を使っているので、なるべく「血糖値」という表現に、なれてください。
※ 血糖値は、「200mg/100mL」と書かずに「200mg」とだけ略記的に書く方法も、慣用的に認められている(※ 東京書籍の検定教科書が本文中で「200mg」というふうに末尾「/100mL」を省略した記法をしている)。
グルコース投与による血糖濃度とインスリンの変化
グラフは概略である。

その結果、原尿にグルコースが高濃度で含まれるので細尿管でのグルコース吸収が間に合わず、尿中に高濃度のグルコースが含まれて排出される。

(もし健康なヒトなら、原尿のグルコースは、ほぼ100%再吸収されるため、尿中には高濃度のグルコースは排出されない。にもかかわらず高濃度のグルコースを含む尿が排出されるという事は、つまり病気に掛かっている事になる。)


高血糖が長く続くと、欠陥が変性して血流が低下してしまい、その結果、眼や腎臓などの、さまざまな器官で障害を起こす。糖尿病には、このような各器官での合併症があるため、危険な病気である。

糖尿病は、尿に糖が含まれる事自体は、あまり危険視されておらず、目が腎臓などに障害の出ることが危険視されている(※ 数研出版の見解)。


糖尿病の分類は、大きくは二つの種類に分けられる。

まず、インスリンを分泌する細胞そのものが破壊されていて分泌できない場合のI型糖尿病がある。若くして発症することが多い。

もう一つは、I型とは別のなんらかの原因で、インスリンの分泌量が低下したり、インスリンに細胞が反応しなくなる場合であり、これをII型糖尿病という。肥満や喫煙・運動不足などの生活習慣病などによる糖尿病で、II型糖尿病が多く見られている。 日本の糖尿病患者の多くはII型である。


糖尿病の治療には、I型・II型とも、インスリンの投与が行われる。患者は、食後などに毎回、自分でインスリンを注射しなければならない。

II型の生活習慣が原因と考えられる場合、食事の見直しや、適度な運動なども、治療に必要になる。

糖尿病の症状として頻尿(ひんにょう)がある[4](※ 高校の範囲)。

この原因は、原尿の浸透圧が血糖によって上昇したことにより、細尿管での水分の再吸収が減るためだと考えられてる[5](※ 高校の範囲)。

また、頻尿などにより水分が低下するため、のどの渇きが起きる。


血糖濃度をあげるホルモンの種類は多く仕組みも複雑である。しかし、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみしか今のところ知られておらず、また仕組みも単純である。この事から、動物は、飢餓に適応して、血糖値の調節の機構を進化させてきたと考えられている。飽食の時代よりも、飢餓の時代のほうが、圧倒的に多かったのだろうと考えられている。


(※ 範囲外 :) 糖尿病患者でない正常者でも、食後には尿中に糖が排出されるが、これは健康な反応である[6]


体温の調節[編集]

変温動物は、体温調節が不完全で、体温は外部環境によって変化する。

一方、恒温動物では、体温は、外部環境によらず、一定に保たれている。ヒトの場合、健康なら、体温は約37℃に保たれる。

体温の調節は、ホルモンや自律神経が行っている。体温調節の中枢のある場所は、間脳の視床下部にある。

  • 体温が低下した場合

寒さによって体温が低下すると、間脳の視床下部が働く。 視床下部は、交感神経やホルモンによって、肝臓や筋肉の代謝を促進し、発熱量を増加させる。 また、交感神経によって皮膚の血管や立毛筋を縮小させ、熱放散を減少させる。また、骨格筋をふるわせることで、熱を産生する。

また、チロキシンやアドレナリンなどが分泌され、肝臓での物質の分解を促進して熱を産生する。

  • 体温が上昇した場合

暑さによって体温が上昇すると、間脳の視床下部が働く。 視床下部は、交感神経によって、 皮膚血管を拡張し、汗腺から発汗させ、熱放散を増加させる。

また、副交感神経によって、肝臓での物質の分解が抑制され、熱の産生を抑える。

その他[編集]

甲状腺(こうじょうせん)の場所

ヒトの 「のどぼとけ」 の、すぐ下には、甲状腺という器官がある。この甲状腺は、甲状腺ホルモンというホルモンを分泌している器官である。ホルモンとは、体内のいろいろな働きを調節するための分泌物(ぶんぴぶつ)である。くわしくは、中学の保健体育で習うか、または高校生物で習う。

さて、甲状腺ホルモンの主成分はヨウ素である。ヨウ素は、ワカメやコンブなどの海ソウに多く含まれている。

さて、通常のヨウ素には放射能(ほうしゃのう)が無く、安全である。だが、原子力発電などの原子核分裂では、放射性のある様々な原子が作られる。その中に放射性のある特別なヨウ素も作られる場合がある。

原子力発電などの事故などへの対策として、原子力発電所などの近隣地区に ヨウ素剤(ようそ ざい) が配布される理由は、この放射能のある特別なヨウ素が甲状腺に集まらないようにするためである。

体内に吸収されたヨウ素は、甲状腺に集まる性質がある。なので、あらかじめ、普通のヨウ素を摂取しておけば、放射性のある特別なヨウ素を吸収しづらくなるのである。もしくは、仮に吸収してしまっても、通常のヨウ素によって、放射性のあるヨウ素が、うすめられる。

なお、甲状腺ホルモンの働きは、体内での、さまざまな化学反応を促進(そくしん)する働きがある。


  1. ^ 嶋田正和ほか『生物基礎』数研出版、平成26年発行、p.119
  2. ^ 文部科学省『高等学校用 疾病と看護』教育出版、平成25年発行、P.51
  3. ^ 浅島誠『生物基礎』東京書籍、平成26年2月発行、P.108
  4. ^ 庄野邦彦ほか『生物基礎』実教出版、平成26年1月発行、P.51
  5. ^ 有田和恵ほか『解剖生理学』照林社、2007年6月発行、P.206
  6. ^ 無痛症の参考文献 :『やさしい生理学 第7版』、南江堂、2019年 5月20日 第7版 第2刷、105ページ