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高等学校理科 生物基礎/細胞の構造とはたらき

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

導入

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地球にいる生物の種類は、名前の付けられている種が190万種ほどである。 その全ての生物は細胞(さいぼう)から成り立っており、 細胞は生物の機能上・構造上の基本単位である。

例えばヒトの体は200種類以上60兆個の細胞からできているといわれている。 その細胞は消化管なら食べ物の消化吸収をする細胞があり、 骨なら骨を作り出す細胞がある。

このページでは、 細胞の基本的な機能と構造、 細胞が体細胞分裂(somatic mitosis)によって分化していくこと、 細胞が個体を作っていること、 などを扱う。

細胞の機能と構造

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細胞の大きさと顕微鏡の分解能

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細胞の大きさはそのほとんどが肉眼では見えないほど小さい。 顕微鏡の発達によって観察できる分解能が高まり、 細胞の内部構造が徐々に明らかになっていった。

細胞は生物の種類やからだの部位によってさまざまな大きさで存在している。 以下に顕微鏡の分解能と細胞などの大きさを挙げる。 ※分解能(接近した2点を見分けることのできる最小距離)

  • 肉眼で観察できるもの (分解能: 約0.2mm ※1mm=10-3m)
    • 数m:ヒトの座骨神経 (長さ1m以上)[1]
    • 数cm:ダチョウの卵の卵黄(直径約7.5cm)[1]、ニワトリの卵の卵黄 (直径約3cm)[1]、ミカンのつぶつぶ(※細胞ではない)[2]
    • 数mm:メダカの卵 (約1.5mm)[3]、ミカヅキモ(約0.2mm)[4]
  • 光学顕微鏡で観察できるもの (分解能: 約0.2μm ※1μm=10-6m)
    • 数μm:ヒトの卵 (約140μm)[1]、ヒトの精子(約60μm)[1]、スギの花粉 (約30μm)、ヒトの肝細胞 (約20μm)[4]、ヒトの赤血球 (約7.5μm)[4]、大腸菌 (約3μm)[4]
  • 電子顕微鏡で観察できるもの (分解能: 約0.2nm ※1nm=10-9m)
    • 数nm:HIV (約100nm※エイズのウイルスで細胞ではない)[1]、タンパク質分子 (約1~10nm※細胞ではない)[4]
μ(マイクロ)1μm=1,000分の1mm
n(ナノ)  1nm=1,000分の1μm
観察してみよう!
ほほの内側の細胞は比較的簡単に観察できる。
ほほの内側を綿棒で軽くこすって、
はがれた細胞を光学顕微鏡で観察してみよう。

細胞の機能と構造

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細胞の基本構造

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典型的な動物細胞の模式図
1.核小体、2.核、3.リボソーム、4.小胞体、5.粗面小胞体、6.ゴルジ体、7.細胞骨格、8.滑面小胞体、9.ミトコンドリア、10.液胞、11.細胞質基質、12.リソソーム、13.中心体
典型的な植物細胞の模式図
a.原形質連絡、b.細胞膜、c.細胞壁、1.葉緑体(d.チラコイド膜、e.デンプン粒)、2.液胞、(f.液胞、g.液胞膜)、h.ミトコンドリア、i.ペルオキシソーム、j.細胞質、k.小さな膜小胞、l.粗面小胞体 、3.核(m.核膜孔、n.核膜、o.核小体)、p.リボソーム、q.滑面小胞体、r.ゴルジ小胞、s.ゴルジ体、t.繊維状の細胞骨格

細胞の見た目や働きはさまざまに異なるが、基本的な機能や構造は同じである。 細胞は(かく、nucleus)と細胞質(さいぼうしつ、cytoplasm)、それらを囲む細胞膜(さいぼうまく、cell membrane)からなる。細胞膜に包まれた内部の物質のうちから核を除いた部分のことを細胞質という。 また、核と細胞質を合わせて原形質(げんけいしつ、protoplasm)とも呼ぶ。つまり、細胞膜に包まれた内部の物質のことを原形質という。よって原形質には核もふくまれる。 細胞質には、核を始めとして、ミトコンドリアなど、さまざまな機能と構造をもつ小さな器官があり、これらを細胞小器官(さいぼうしょうきかん、organelle)と呼ぶ。 細胞小器官どうしの間は、水・タンパク質などで満たされており、これを細胞質基質(さいぼうしつ きしつ、cytoplasmic matrix)と呼ぶ。この細胞質基質には、酵素などのタンパク質やアミノ酸、グルコースなどが含まれている。


細胞小器官

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細胞核の概要
1.核膜、2.リボソーム、3.核膜孔、4.核小体、5.クロマチン、6.細胞核、7.小胞体、8.核質

は、1つの細胞がふつう1つもっており、内部に染色体(chromosome)がある。 染色体は、DNAとタンパク質からなる。 DNAが遺伝子の情報を持っている。 細胞分裂(cell division)の際にDNAは複製され、新しい細胞に分配される。 顕微鏡で核を観察する場合は、酢酸カーミンや酢酸オルセイン液などの色素で、染色体を赤色に染色できる。 そもそも、この染色現象こそが「染色体」という名前の由来である。 核は、1~数個の核小体(nucleolus)を含み、その間を核液(nuclear sap)が満たしている。 核の表面には核膜(かくまく、nuclear membrane)がある。 核膜は、二重の薄い膜でできており、核膜孔(かくまくこう、nuclear pore)と呼ばれる多数の孔があり、核への物質の出入りに関わっている。 DNAが遺伝子の本体であるが、染色体はDNAを含んでおり、核が染色体を含んでいるため、核が遺伝に深く関わっているのである。 基本的には1つの細胞が1つの核をもつが、 例外として、たとえばヒトの赤血球のように核をもたない細胞もあり、 またヒトの骨格筋の筋細胞のように1つの細胞が複数の核をもつものもある。 核は細胞小器官の働きを制御しており、そのため細胞の生存や増殖に必要なものである。 なので、赤血球のように核を失った細胞は長く生き続けることはできず、分裂することができない。 核の中にあるDNAが、このような、細胞小器官の制御を行っている。

  • アメーバの実験
アメーバの切断実験1
アメーバの切断実験2

アメーバをガラス板で核がある片(へん)と、核がない片とに切断すると、核がある片は増殖でき、核がない片は死ぬ。(アメーバの切断実験1)

アメーバの核をガラス管で吸い取り、核と細胞質とに分けると、両方とも死ぬ。(アメーバの切断実験2)

このように核は細胞の生存や増殖に必要である。


  • カサノリの実験
(※未執筆 執筆者を募集中)


  • 原核細胞と真核細胞

生物の細胞には、核をもたない原核細胞と、核をもつ真核細胞とがある。

大腸菌などの細菌類や、ユレモなどのシアノバクテリア(ラン藻類)の細胞は、核を持たない。 これらの生物の細胞も染色体とそれに含まれるDNAはもっているが、それを包む核膜をもっていないので、核がない。 このような、核のない細胞のことを原核細胞(prokaryotic cell)と呼ぶ。 また、原核細胞でできた生物を原核生物(prokaryote)と呼ぶ。 原核細胞の染色体とそれに含まれるDNAは細胞質基質の中にある。

原核細胞は、ミトコンドリアや葉緑体などを持たない。 原核細胞は、真核細胞よりも小さく内部構造も単純である。 シアノバクテリアは、ミトコンドリアと葉緑体を持たない原核生物であるが、光合成を行う。

これに対して、染色体が核膜に包まれている細胞を真核細胞(eukaryotic cell)と呼ぶ。 また、真核細胞でできた生物を真核生物(eukaryote)と呼ぶ。 ほぼすべての真核生物では真核細胞にミトコンドリアが見られる。 また、植物の場合、真核細胞に葉緑体も見られる。 ミトコンドリアおよび葉緑体は、独自のDNAを持ち、それを含む細胞の核のDNAとは遺伝情報が異なる。

このため、おそらくミトコンドリアおよび葉緑体は、 実はもともと、その受け入れ先の細胞とは別の生物だったが、 受け入れ先の細胞に入り込み共生するようになったのだろう、と思われている。 そして、ミトコンドリアまたは葉緑体を取り込んだ結果、生物界に真核細胞が出てきたものだと思われてる。 細胞がミトコンドリアまたは葉緑体を取り込む前は、その細胞は原核細胞だったのだろうと思われている。このような説を、細胞内共生説または単に共生説という。

ミトコンドリアの構造
1.内膜 2.外膜 3.クリステ 4.マトリクス

ミトコンドリア(mitochondria)は動物と植物の細胞に存在し、 長さ1μm~数μm、幅0.5μm程度の粒状の細胞小器官であり 化学反応によって酸素を消費して有機物を分解しエネルギーを得る呼吸(respiration)を行う。 ミトコンドリアの形は球形または円筒形の構造体で、 外側にある外膜と内側にあるひだ状の内膜との2重膜をもつ。 内膜がひだ状になった部分をクリステ(cristae)、内膜に囲まれた空間を満たす液体をマトリックス(matrix)と呼ぶ。 呼吸に関わる酵素がクリステとマトリックスにふくまれており、この酵素で有機物を分解する。 ミトコンドリアの内膜でATPという物質を合成する。 真核細胞は、一般にミトコンドリアをもつが、原核細胞にはミトコンドリアをもたない。 原核生物も呼吸を行うが、しかし原核細胞の呼吸は、けっしてミトコンドリアによるものではない。

(※ 教科書の範囲外:)観察時のミトコンドリアの染色は、ヤヌスグリーンによって緑色に染色できる。

葉緑体の構造

葉緑体(chloroplast)は植物の細胞に存在し、直径5~10μm、厚さ2~3μmの凸レンズ形の器官であり、 光エネルギーを使って水と二酸化炭素から炭水化物を合成する光合成(photosynthesis)を行う。 葉緑体にはチラコイド(thylakoid)と呼ばれる扁平(へんぺい)な袋状の構造体があり、 チラコイドが積み重なってグラナ(grana)と呼ばれるまとまりを作っており、 一部の細長く延びたチラコイドが複数のグラナ間を結んでいる。 その間をストロマ(stroma)と呼ばれる液体が満たしている。 さらに、その周りを内膜と外膜の2重膜が囲んでいる。

クロロフィルa(青)およびクロロフィルb(赤)の吸収スペクトル

また、葉緑体はクロロフィル(chlorophyll)という緑色の色素をふくんでいる。 正確に言うと、クロロフィルは緑色の光を反射して、ほかの色の光を吸収する色素である。 このクロロフィルの反射特性のため、植物は緑色に見える。 チラコイドの膜が、クロロフィルなどの色素をふくんでおり、これによって光エネルギーを吸収している。 そして、ストロマにある酵素の働きによって、光合成の有機物合成を行っている。 葉緑体は、ストロマに独自のDNAを持っている。

調べてみよう!
光合成を行う他の生物を自分の細胞の中に取り込むハテナという生物がいる。
このハテナについて調べてみよう。



液胞の構造

液胞(えきほう、vacuole)は主に植物細胞にみられ、物質を貯蔵したり浸透圧を調節したりする。 一重の液胞膜で包まれ、内部を細胞液(cell sap)が満たしている。 一部の植物細胞はアントシアン(anthocyan)と呼ばれる赤・青・紫色の色素を含む。


細胞膜

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細胞膜の構造
細胞二重膜の模式図
イオンチャネルの模式図

細胞膜は細胞質の外側にある厚さ5nm~10nm程度の薄い膜である。主にリン脂質とタンパク質で構成される典型的な生体膜であり、細胞への物質の出入りの調節を行う。リン脂質には水に溶けやすい親水性の部分と、水に溶けにくい疎水性の部分があり、疎水性の部分を内側に向かい合った、二重膜(にじゅうまく、bilayer)になっている。

「水と油」という言葉が、仲の悪いことの表現として用いられるように、水と油は溶け合わない。

このように細胞膜が外部に対して疎水性(そすいせい)の部分だけを出してるため、細胞膜は疎水的(そすいてき)である。そのため、細胞膜は、水に溶けない。このため、細胞膜によって、細胞がまわりから仕切られ、それぞれの細胞が溶け合わないようになっている。

細胞膜のところどころにタンパク質が分布しており、この(細胞膜にある)タンパク質が、細胞への物質の出入りの調節に関わっている。細胞膜は、物質によって通しやすさが異なる「選択的透過性」(せんたくてき とうかせい)という特徴(とくちょう)をもつ。スクロース溶液などに対しては、細胞膜は半透性 (※「細胞への物質の出入り」を参照) に近い性質を示す。

  • 発展

細胞膜には、ところどころにイオンチャネル(ion channel)があり、ナトリウムNa+、カリウムK+など特定のイオンのみを通過させる。また、ところどころに受容体(じゅようたい、receptor)があり、特定の物質からの刺激を受け取る。受容体の種類ごとに受け取れる物質の種類が違い、そのため受け取れる刺激の種類がちがう。受容体の材質はタンパク質である。

また、細胞膜上のタンパク質に、オリゴ糖などの多糖類で出来ている糖鎖(とうさ、sugar chain)が付いている場合もあり、細胞どうしの識別(しきべつ)などの情報交換や、細胞どうしの結合などに役立っている。なお、ヒトのABO式血液型の違いは、赤血球の細胞膜の糖鎖の違いによるものである。

細胞が異物を消化吸収する食作用(しょくさよう)の際にも、細胞膜が関わっており、異物に細胞膜が取り付くことで、異物を包んで取り込む。食作用のことを飲食作用とも言ったり、エンドサイトーシスともいう。マクロファージやアメーバなどの食作用は、このような細胞膜の働きによるものである。


細胞壁

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細胞壁の構造(緑が細胞壁)

細胞壁(さいぼうへき、cell wall)は植物細胞や菌類や原核生物に見られ、細胞膜の外側で細胞を守る固い膜であり、形を保つ働きを持つ。動物細胞には見られない。 細胞壁は、セルロースを主成分としており、セルロースとペクチンなどの炭水化物によってなりたつ全透性 (※「細胞への物質の出入り」を参照) の構造である。


発展的な話題

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発展: 細胞の研究の歴史
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ロバート・フックの顕微鏡
ロバート・フックによるコルクのスケッチ。

細胞は、1665年、イギリスのロバート・フックによって発見された。 彼は、自作の顕微鏡を用いて、軽くて弾力のあるコルクの薄片を観察したところ、 多数の中空の構造があることを知った。それを修道院の小部屋(cell、セル)にみたて、細胞(cell)と呼んだ。 彼が観察したのは、死んだ植物細胞の細胞壁(さいぼうへき、cell wall)であったが、 その後、1674年、オランダのレーウェンフックによりはじめて生きた細菌の細胞が観察された。

19世紀に入ると、細胞と生命活動の関連性が気付かれたはじめた。 まず1838年、ドイツのシュライデンが植物について、 翌1839年、ドイツのシュワンが動物について、 「全ての生物は細胞から成り立つ」という細胞説(cell theory)を提唱した。

さらに後、ドイツのウィルヒョーの「全ての細胞は他の細胞に由来する」という考えにより、細胞説は浸透していった。


発展: 細胞骨格
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細胞質基質には、一見すると液体以外に何も無いように見えるが、実は繊維状の構造がある。この細胞質基質に存在している繊維状の構造を細胞骨格(さいぼう こっかく、cytoskeleton)という。

細胞骨格には、微小管(びしょうかん、microtubule)、中間径フィラメント(intermadiate filament)、微小繊維(actin filament)の3種類がある。 この細胞骨格によって、細胞小器官は固定されている。

また、細胞小器官や液胞などが細胞内で運動して原形質が流動しているように見える理由は、細胞骨格が動いて細胞小器官などを運んでいるためであることが近年に分かった。

そして、その動く仕組みは、筋繊維が動く仕組みと、ほぼ同じである。 (※ くわしくは、生物IIで勉強する。)


発展: 電子顕微鏡で見られる細胞小器官
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'ゴルジ体の構造

細胞小器官において、小さすぎて光学顕微鏡では見られないが、電子顕微鏡でなら見られる構造が、いくつか存在している。

ゴルジ体や中心体は、小さすぎるため、光学顕微鏡では見られないが、電子顕微鏡で見ることができる。

ゴルジ体(Golgi body)は酵素やホルモンなどの分泌に関与するほか、細胞内で利用されるタンパク質の修飾を行う。 一重膜の平らな袋状の層がいくつか重なった構造をしている。

中心体の構造

中心体(centrosome)は主に動物細胞にみられ、べん毛や繊毛を形成したり、細胞分裂の際の紡錘体形成の起点となる。 微小管という管状の構造体が3つ集まり、それが環状に9つ集まり中心小体を作り、 その中心小体が2つL字直交して中心体を作る。


発展: ウイルス
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※ 東京書籍と第一学習社などの一部の教科書で紹介されている。

インフルエンザ ウイルスなどのような「ウイルス」という種類の物が存在する。ウイルスはDNAまたはRNAからなる核酸と、それを覆う(おおう)タンパク質からなる殻(から)のような構造体によって出来ている。ウイルスは単独では生存できず、そのため、動物や植物など他の生命体に感染して寄生することで、ウイルスは生存し増殖する。(ウイルスは、いわゆる「代謝」の能力をもたない(※ 第一学習社の『新生物基礎』) 。)ウ イルスが殻のなかにもつ核酸は、遺伝情報としての核酸である。(※ 範囲外だが補足: つまりウイルスは、tRNA(トランスファーRNA)やrRNA(リボソームRNA)など、遺伝情報でない核酸は一般的に持たないといいうこと。そもそもリボソームをウイルスは持たない。)


(※ 以下、教科書の範囲外 )
※ チャート式などで紹介されている。

そのため、よくウイルスについて「生物と非生物との中間的な存在である」などと言われる。


ほとんどのウイルスは0.3μm以下の大きさであり、大腸菌 (約3μm)などの細菌の大きさと比べて、とても小さい。そのため、ウイルスは電子顕微鏡を使わないと見えない。ウイルスは、タンパク質の殻と、その殻につつまれた核酸をもつ構造で、いわゆる「細胞」を持っていない。ウイルスは遺伝物質として核酸をもち、単独では増殖できない。ウイルスの増殖は、他の生物の生きた細胞の中に侵入して、その細胞の中にある物質を利用して行う。死んだ細胞(例:加熱処理などした細胞)の中では、ウイルスは増殖できない。

※ 検定教科書では、東京書籍をのぞくと、ウイルスについては、あまり深入りしていない。啓林館など難しい話題が好きな教科書でも、記述していない。


参考書の範囲外
※ 実はウイルス以外にも、細菌のリケッチアなど、単独では増殖できない微生物が存在する。リケッチアとウイルスの違いは、ウイルスはDNAまたはRNAと、それを覆うタンパク質の被覆しか、主な構造を持たないという点である。 ※ このように、ウイルスの定義は難しく、そのため高校の段階では、ウイルスの定義について深入りしてないのだろう。

その他

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  • アクアポリン (発展)
アクアポリンによる水の取り込みの概念図

水はリン脂質の間を通過できる。これとは別に、もっと大量に、水分子と一部の(電気的に)中性小分子(グリセロールなど)だけを透過するチャネルがあり、アクアポリン(aquaporin、AQP)という。アクアポリンは、水分子以外の水溶液中のイオンは遮断する。(グリセロールの透過については、 ※ 参考文献: LODISHなど著『分子細胞生物学 第7版』、翻訳出版:東京化学同人、翻訳:石浦章一など、2016年第7版、415ページ)

赤血球や腎臓の細尿管上皮細胞などにアクアポリンはある。

いっぽう、カエルの卵にはアクアポリンが無いため、水を透過せず、低調液の中でも膨張しない。(より正確にいうと、カエルの卵にも、アクアポリンと形の似た高分子があるが、しかし、その高分子が、水を透過する作用をもたない。(※ 参考文献: LODISHなど著『分子細胞生物学 第7版』、翻訳出版:東京化学同人、翻訳:石浦章一など、2016年第7版、415ページ) そのため、日本の高校生物の教科書では、そのカエル卵にある高分子は「アクアポリンではない」と分類されている。 )


アクアポリンを発見したピーター アグレが2003年のノーベル化学賞を受賞した。


脚注

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  1. ^ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 吉里勝利監修『スクエア最新図説生物』第一学習社、2004年1月10日初版発行、p.11
  2. ^ http://ci.nii.ac.jp/naid/110003732441
  3. ^ http://www3.famille.ne.jp/~ochi/medaka/07-sanran.html
  4. ^ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 田中隆荘ほか『高等学校生物I』第一学習社、2004年2月10日発行、p.21

参考文献

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