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高等学校 物理基礎/熱

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

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熱(ねつ)は、物体や物質の内部エネルギーの一形態であり、分子や原子の運動に関連しています。熱は温度の差によって移動し、熱量(エネルギーの転送)を引き起こすことがあります。この章では、熱に関連する基本的な概念と法則について説明します。

温度と熱量[編集]

温度[編集]

物体や物質の熱状態を表す指標が「温度」です。温度は熱平衡にある物体の状態を比較するために使用されます。一般的に、温度は摂氏(℃)やケルビン(K)の単位で表されます。摂氏とケルビンの間には、次のような関係があります。

- 摂氏 = ケルビン - 273.15

熱量[編集]

物体が持つ熱エネルギーの総量を「熱量」と呼びます。熱量は物体の質量と温度の変化に関連しており、次のような関係があります。

- 熱量 = 質量 × 比熱容量 × 温度変化

熱の伝導[編集]

熱は物質内部を伝わることができます。この伝導は、熱伝導と呼ばれます。熱伝導は、温度勾配(温度の差)によって引き起こされ、物質の特性によって影響を受けます。一般的に、熱伝導は熱エネルギーの高い領域から低い領域への移動を意味します。

熱の拡散[編集]

熱は空気や流体などの物質の間を移動することができます。この移動は、熱拡散と呼ばれます。熱拡散は、物質の粒子(分子や原子)の運動によって引き起こされます。熱拡散によって、物質内の熱エネルギーが均等に分布することがあります。

熱容量[編集]

物質の熱エネルギーを蓄える能力を「熱容量」と呼びます。熱容量は物質の質量と比熱容量によって決まります。比熱容量は物質ごとに異なり、物質の種類や状態によって異なる値を持ちます。

熱力学第一法則[編集]

熱力学第一法則は、エネルギー保存の法則の一つであり、エネルギーの変化を熱量と仕事によるエネルギー変化の合計として表します。熱力学第一法則は、エネルギーが保存されるという基本原理を示しています。