COFF
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COFF(Common Object File Format)は、オブジェクトファイルのための標準フォーマットで、主にUNIX系オペレーティングシステムで使用されます。COFFは、オブジェクトコードや関連情報を格納するための構造を提供し、プログラムのリンクや実行に必要なデータを整理する役割を果たします。
COFFの歴史
[編集]COFFフォーマットは、1980年代初頭にUNIXシステム用に開発されました。特に、AT&TのUNIX System Vで使用されることが多く、これによりCOFFは広く受け入れられることとなりました。その後、さまざまなプラットフォームでのオブジェクトファイル形式として採用され、今日でも多くのコンパイラやリンカで使用されています。
COFFの構造
[編集]COFFファイルは、一般的に以下の主要なセクションで構成されています。
- ヘッダー:
- COFFファイルの最初の部分で、ファイルのメタデータを提供します。ヘッダーには、ファイルのタイプ、アーキテクチャ、セクションの数、タイムスタンプなどが含まれます。
- セクションテーブル:
- ヘッダーの後に続くセクションテーブルは、各セクションの情報を格納します。セクションテーブルには、セクションの名前、サイズ、アドレス、特性などが記載されています。
- セクション:
- 実際のオブジェクトコードやデータが格納される部分です。一般的なセクションには、次のようなものがあります。
- .text: 実行可能なコードが含まれるセクション。
- .data: 初期化されたデータが含まれるセクション。
- .bss: 初期化されていないデータが含まれるセクション(サイズのみ指定される)。
- 実際のオブジェクトコードやデータが格納される部分です。一般的なセクションには、次のようなものがあります。
COFFの特長
[編集]COFFフォーマットは、以下のような特長を持っています。
- プラットフォームの互換性:
- COFFは、異なるUNIX系プラットフォーム間でのオブジェクトファイルの互換性を提供します。これにより、同じアーキテクチャの異なるOSでコンパイルされたファイルを利用できることが多いです。
- 動的リンクのサポート:
- COFFは、動的リンクをサポートしており、共有ライブラリを使用したプログラムの実行が可能です。これにより、複数のプログラムが同じライブラリを共有することができます。
- デバッグ情報の含有:
- COFFフォーマットは、デバッグ情報を含むことができ、開発者はプログラムのデバッグを効率的に行うことができます。
COFFの使用例
[編集]COFFフォーマットは、主に以下の用途で使用されます。
- オブジェクトファイル:
- コンパイラが生成するオブジェクトコードを含むファイル形式。プログラムのリンク時に使用されます。
- 実行可能ファイル:
- COFFを基にした実行可能ファイルが生成され、直接実行可能な形式として利用されます。
まとめ
[編集]COFF(Common Object File Format)は、オブジェクトファイルのための標準フォーマットであり、主にUNIX系オペレーティングシステムで使用されます。その柔軟な構造とプラットフォーム間の互換性により、COFFは多くのコンパイラやリンカで広く利用されています。