Cargoハンドブック
表示
Cargoは、Rustプログラミング言語のパッケージマネージャであり、ビルドシステムです。Cargoを使用することで、Rustクレートの依存関係の管理、ビルド、パッケージの作成が簡単に行えます。
インストール
[編集]Cargoは、Rustの公式インストーラーであるrustupを通じてインストールできます。以下のコマンドを実行して、rustupをインストールします。
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
インストール後、次のコマンドでCargoのバージョンを確認できます。
cargo --version
クレートの作成
[編集]新しいクレートを作成するには、以下のコマンドを使用します。
cargo new クレート名
このコマンドは、指定したクレート名のディレクトリを作成し、基本的なCargo設定ファイルであるCargo.toml
を生成します。
クレートの構造
[編集]典型的なRustのクレートは、次のような構造を持ちます:
my_crate/ ├── src/ │ ├── main.rs │ ├── lib.rs │ └── other_module.rs ├── Cargo.toml └── README.md
- src/: クレートのソースコードを含むディレクトリ。
- Cargo.toml: クレートのメタデータ、依存関係、ビルド構成などを含むファイル。
- README.md: クレートのドキュメント。
Cargo.toml
[編集]Cargo.toml
は、クレートの依存関係やメタデータを定義するファイルです。以下はCargo.toml
の基本的な構成です。
- Cargo.toml
[package] name = "クレート名" version = "0.1.0" edition = "2018" [dependencies] 依存関係名 = "バージョン"
コマンド
[編集]Cargoにはいくつかの便利なコマンドがあります。以下に主要なコマンドを示します。
ビルド
[編集]クレートをビルドするには、以下のコマンドを実行します。
cargo build
テスト
[編集]テストを実行するには、次のコマンドを使用します。
cargo test
実行
[編集]クレートを実行するには、次のコマンドを使います。
cargo run
クレートの公開
[編集]Cargoを使用して、クレートをCrates.ioに公開するには、以下のコマンドを実行します。
cargo login <APIトークン> cargo publish
このコマンドを実行する前に、Cargo.toml
で必要なメタデータを設定しておく必要があります。ログインにはCrates.ioのAPIトークンが必要です。
依存関係の管理
[編集]Cargoは、依存関係を簡単に管理できます。Cargo.toml
の[dependencies]
セクションに依存関係を追加し、以下のコマンドで更新できます。
cargo update