GTK/GTK3とGTK4の比較
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GTK3とGTK4の主な変更点
[編集]レンダリングシステム
[編集]GTK3
[編集]GTK4
[編集]- GSKレンダリングノードシステムの導入
- OpenGLやVulkanのネイティブサポート
- CSDがデフォルトに
- より効率的なGPUアクセラレーション
イベント処理
[編集]GTK3
[編集]// GTK3でのイベントハンドリング g_signal_connect(widget, "button-press-event", G_CALLBACK(handler), NULL);
GTK4
[編集]// GTK4でのジェスチャー処理 gtk_gesture_click_new(); gtk_event_controller_key_new();
ウィジェットシステム
[編集]GTK3
[編集]gtk_container_add()
による子ウィジェットの追加- 複雑な継承階層
GtkContainer
クラスの存在
GTK4
[編集]gtk_widget_set_parent()
の導入- より単純化された継承構造
GtkContainer
の廃止- より一貫性のあるAPIデザイン
削除された機能
[編集]GTK3から削除されたもの
[編集]GtkStatusIcon
GtkStyle
- レガシーなテーマエンジン
GTK4で非推奨または削除
[編集]gtk_main()
とgtk_main_quit()
GdkScreen
GtkAlignment
- 古いスタイルのメニューAPI
新機能
[編集]GTK4の新機能
[編集]- Compositorベースのレンダリング
- 改善されたメディアサポート
- より良いアクセシビリティ
- 新しいウィジェット
GtkDropDown
GtkColumnView
GtkGridView
パフォーマンスの改善
[編集]- より効率的なメモリ使用
- 改善されたレンダリングパフォーマンス
- より良いハードウェアアクセラレーション
APIの変更例
[編集]ウィンドウ作成
[編集]GTK3
[編集]GtkWidget *window = gtk_window_new(GTK_WINDOW_TOPLEVEL); gtk_container_add(GTK_CONTAINER(window), child);
GTK4
[編集]GtkWidget *window = gtk_window_new(); gtk_window_set_child(GTK_WINDOW(window), child);
シグナル処理
[編集]GTK3
[編集]g_signal_connect(button, "clicked", G_CALLBACK(on_button_clicked), NULL);
GTK4
[編集]gtk_gesture_click_new(); gtk_gesture_single_set_button(GTK_GESTURE_SINGLE(gesture), GDK_BUTTON_PRIMARY);
移行のための変更点
[編集]コード変更が必要な箇所
[編集]- イベントハンドリング
- ウィジェット階層
- レンダリング関連のコード
- テーマとスタイリング
互換性対策
[編集]- GTK3のアプリケーションは並行して動作可能
- 段階的な移行が可能
- 移行ガイドラインの提供
パフォーマンスの比較
[編集]レンダリング性能
[編集]- GTK4は最大で30%高速
- メモリ使用量の削減
- GPUアクセラレーションの改善
メモリ使用
[編集]- より効率的なオブジェクト管理
- 改善されたメモリアロケーション
- より小さなメモリフットプリント
開発環境への影響
[編集]ビルドシステム
[編集]- Mesonのサポート強化
- より良いデバッグサポート
- より詳細なドキュメント
ツール対応
[編集]- GTKインスペクタの改善
- より良いデバッグツール
- IDE統合の強化
まとめ
[編集]GTK4の利点
[編集]- 改善されたパフォーマンス
- モダンなAPI設計
- より良いハードウェアサポート
- 拡張された機能セット
移行を検討する際の考慮点
[編集]- アプリケーションの規模
- 必要な機能の有無
- パフォーマンス要件
- 開発リソース
GTK4は多くの改善を提供する一方で、移行には一定の労力が必要です。アプリケーションの要件に応じて、適切な移行タイミングを検討することが重要です。