コンテンツにスキップ

HTML/DOCTYPE

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

DOCTYPE(文書型宣言)

[編集]

DOCTYPE(文書型宣言)は、HTML文書の最上部に記述される宣言であり、ブラウザに文書のHTMLバージョンを伝える役割を果たします。正しいDOCTYPEを使用することで、ブラウザが意図したレンダリングモードでHTMLを解釈することを保証します。

基本構文

[編集]

DOCTYPEは、HTML文書の最初の行に記述します。記述例は以下の通りです。

<!DOCTYPE html>

この宣言は、HTML5文書で使用されるシンプルな形式です。

DOCTYPEの役割

[編集]

DOCTYPEの主な役割は以下の通りです:

  • 標準モードの指定: ブラウザに「標準モード(Standards Mode)」でHTMLを解釈させる。
  • 後方互換性: レガシーな文書のために「クイークスモード(Quirks Mode)」をサポート。

DOCTYPEの種類

[編集]

歴史的に使用されてきた主なDOCTYPEの一覧です:

HTML5

[編集]

HTML5では、以下のシンプルなDOCTYPEを使用します:

<!DOCTYPE html>

特徴:

  • 短く簡潔。
  • HTML文書がHTML5であることを指定。

HTML 4.01【廃止】

[編集]

HTML 4.01【廃止】では、以下の3種類のDOCTYPEがあります:

  • Strict DTD(厳格型):
    <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd">
    
    • 厳密に構造化されたHTML文書用。
  • Transitional DTD(遷移型):
    <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">
    
    • 古いHTML要素を一部サポート。
  • Frameset DTD(フレームセット型):
    <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Frameset//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/frameset.dtd">
    
    • フレームセットを使用する文書用。

XHTML 1.0【廃止】

[編集]

XHTML 1.0【廃止】では、HTML 4.01【廃止】と同様に以下の3種類があります:

  • Strict DTD:
    <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd">
    
  • Transitional DTD:
    <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
    
  • Frameset DTD:
    <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Frameset//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-frameset.dtd">
    

その他のバージョン

[編集]
  • XHTML 1.1【廃止】:
    <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd">
    
    • モジュール化されたDTDを採用。

標準モードとクイークスモード

[編集]

DOCTYPEはブラウザが以下の2つのモードを選択するために使用されます:

  • 標準モード(Standards Mode): 現代のWeb標準に準拠してレンダリング。
  • クイークスモード(Quirks Mode): 後方互換性のために古いレンダリング方法を使用。

例えば、DOCTYPEが正しく指定されていない場合、ブラウザは自動的にクイークスモードに切り替わる可能性があります。

注意事項

[編集]
  1. DOCTYPE宣言は必ずHTML文書の最上部に記述します。
  2. DOCTYPEは大文字と小文字を区別しませんが、一般的に大文字で記述されます。
  3. DOCTYPEの指定ミスは、ブラウザの挙動に予期しない影響を与えることがあります。

参考リンク

[編集]