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HTML/XHTML1.1

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

XHTML 1.1: Module-based XHTML

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XHTML 1.1は、XHTML 1.0を基盤として、モジュール化設計を導入したXMLベースのマークアップ言語です。W3Cによって2001年5月31日に最初に勧告され、2010年11月23日に改訂されました。しかし、2018年3月27日に廃止され、HTML5に置き換えられました。

背景と目的

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XHTML 1.1は、以下の目的で設計されました:

  • モジュール化: マークアップ言語を柔軟にカスタマイズ可能にする。
  • デバイス独立性: モバイルデバイスや特殊な表示環境に適応。
  • XML技術の活用: XMLの厳密な構文と拡張性を活かす。

このモジュール化アプローチにより、開発者は特定のデバイスや用途に応じたカスタムマークアップを作成することが可能となりました。

XHTML 1.1の特長

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XHTML 1.1の主な特長は以下の通りです:

  • 完全なモジュール化: 要素と属性をモジュール単位で分離。
  • 構文の厳密性: XHTML 1.0と同様、XML 1.0の厳密なルールに準拠。
  • フレーム非推奨: フレーム要素は完全に廃止され、代替としてスタイルシートや他の技術が推奨されました。
  • 国際化対応: Unicodeの完全なサポート。

XHTMLモジュール

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XHTML 1.1は以下のモジュールで構成されており、用途に応じて必要なモジュールを選択可能です:

  • Text Module: 段落、リスト、見出しなどの基本的なテキスト要素を提供。
  • Hypertext Module: ハイパーリンク機能を提供。
  • List Module: リスト構造(順序付きリスト、順序なしリスト)を定義。
  • Table Module: 表組み要素を提供。
  • Forms Module: フォーム関連の要素と属性を定義。
  • Image Module: 画像要素を定義。

文書型(DOCTYPE)

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XHTML 1.1文書では、以下のDOCTYPE宣言を使用します:

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd">

このDOCTYPE宣言は、モジュール化されたDTDを指します。

構文ルール

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XHTML 1.1はXML 1.0に完全準拠しているため、構文ルールはXHTML 1.0と同様に厳密です:

  • 要素は正しくネストされる必要があります。
  • すべてのタグは閉じられる必要があります。
  • 要素名と属性名は小文字で記述されます。
  • 属性値は引用符で囲む必要があります。

XHTML 1.1の廃止

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XHTML 1.1はその柔軟性と厳密性が評価されましたが、普及は限定的でした。その主な理由は以下の通りです:

  • モジュール化の複雑さ:一般的な開発者にとって敷居が高かった。
  • HTML5の台頭:HTML5はXHTML 1.1が目指した多くの目標を、より簡単に実現。

W3Cは2018年3月27日にXHTML 1.1を廃止し、HTML5を推奨しました。HTML5はモジュール化の概念を統合しつつ、より簡潔で柔軟なマークアップを提供しています。

XHTML 1.1とHTML5の比較
特徴 XHTML 1.1 HTML5
構文 XML 1.0に完全準拠 SGMLに依存しない
モジュール化 高度なモジュール化設計 必須モジュールは統合
ブラウザ対応性 限定的 高い互換性
フレームの扱い 完全廃止 代替技術(CSSなど)を推奨

XHTML 1.1の影響

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XHTML 1.1は廃止されましたが、その技術と考え方は現在のWeb技術に大きな影響を与えました。特に、モジュール化や構文の厳密性といった特徴は、HTML5および関連するWeb標準の発展に寄与しています。

参考リンク

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