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HTML Living Standard/embed

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

embed 要素

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embed 要素は、外部のアプリケーションやメディアをHTMLドキュメントに埋め込むために使用される要素です。例えば、音声や動画、Flashアニメーション、Javaアプレットなどを埋め込むことができます。しかし、embed 要素は現在ではあまり推奨されておらず、よりセマンティックでアクセシブルな要素に置き換えることが推奨されています。

概要

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embed 要素は、HTMLページに外部コンテンツを埋め込むために使用されます。これにより、ユーザーが追加のプラグインやソフトウェアをインストールせずに、コンテンツを直接ブラウザ内で表示できるようにします。embed 要素は、objectiframe よりも簡潔にメディアコンテンツを埋め込む方法を提供しますが、その使用には限界があります。

属性

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embed 要素には、次のような属性があります:

  • src: 埋め込むメディアファイルのURLを指定します。
  • type: 埋め込むコンテンツのMIMEタイプを指定します。例えば、動画の場合は type="video/mp4" のように指定できます。
  • width: 埋め込むコンテンツの表示幅を指定します(ピクセル単位)。
  • height: 埋め込むコンテンツの表示高さを指定します(ピクセル単位)。

使用例

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以下の例では、embed 要素を使用して、PDFファイルを埋め込む方法を示しています:

<embed src="sample.pdf" width="600" height="400">

また、動画ファイルを埋め込む例:

<embed src="video.mp4" type="video/mp4" width="600" height="400">

レガシーな要素

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embed 要素は、以前は多くのメディアコンテンツを埋め込むために使用されていました。しかし、現代のWeb開発においては、次のような理由からその使用は推奨されません:

  • アクセシビリティ: embed 要素には、埋め込んだコンテンツの動作や状態に関する情報を提供する機能が不足しており、スクリーンリーダーやキーボードナビゲーションに対するサポートも限られています。そのため、アクセシビリティが重要なWebサイトでは、代わりに videoaudioobjectiframe といったよりセマンティックでアクセスしやすい要素を使用することが推奨されます。
  • セマンティックな代替要素: 現代のWebでは、特定の種類のメディアやアプリケーションを埋め込むために、より専門的でセマンティックな要素を使用することが推奨されています。例えば、動画や音声の場合は videoaudio を使用することで、より意味を持った埋め込みが可能となります。
  • Flashの非推奨: 特に type="application/x-shockwave-flash" のようなFlashコンテンツを埋め込むために使われていた embed 要素は、Flashの非推奨化に伴い、現在ではほとんど使用されません。

代替手段

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embed 要素の代わりに使用すべき代替要素には、次のようなものがあります:

  • video: 動画コンテンツを埋め込むための要素。アクセシビリティや制御機能(再生、一時停止、音量調整など)が充実しています。
  • audio: 音声コンテンツを埋め込むための要素。音声の再生制御が可能で、ユーザーにより良い体験を提供します。
  • object: より広範な埋め込みコンテンツに使用でき、コンテンツの動作に関する制御が可能です。
  • iframe: 外部Webページやメディアコンテンツを埋め込むための要素。Webコンテンツや他のHTMLページを埋め込むために使用されます。

使用例(代替手段)

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例えば、動画を埋め込む場合、embed の代わりに次のように video 要素を使用することが推奨されます:

<video width="600" height="400" controls>
  <source src="video.mp4" type="video/mp4">
  ブラウザが動画をサポートしていません。
</video>

結論

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embed 要素は、以前は多くのタイプのメディアやアプリケーションを埋め込むために使用されていましたが、現代のWeb開発においては、よりセマンティックでアクセシブルな要素への移行が推奨されます。特に、動画や音声、外部コンテンツを埋め込む場合は、videoaudioiframe などを使用することが推奨されています。

関連項目

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関連仕様

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