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JavaScript/改廃された技術

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』


改廃されたJavaScript技術

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JavaScriptの改廃された技術や利用が推奨されない技術は、ウェブ技術の進化、新しい要件、セキュリティ上の懸念などにより置き換えられることがあります。以下に、代表的な技術を示します。

JavaScript var 宣言

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  • サポート開始年: 1995年
  • サポート終了年: 廃止はされていないが推奨されない
    廃止または衰退の理由
    var はスコープが関数単位であり、ブロックスコープを持たないため予期しないバグが発生しやすい。これに対して letconst はブロックスコープを持ち、より安全で直感的なコードが書けるため推奨される。
    代替技術
    letconst を使用すること。

JavaScript document.write()

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  • サポート開始年: 1996年
  • サポート終了年: 廃止はされていないが推奨されない
    廃止または衰退の理由
    document.write() はページの読み込みをブロックし、パフォーマンスに悪影響を与える。また、モダンなウェブ開発手法において、動的なDOM操作のためのAPI(例: appendChildinnerHTML)が広く使われるようになった。
    代替技術
    DOM操作API(例: document.createElement()appendChild())やテンプレートエンジン(例: Handlebars.js)を使用すること。

JavaScript alert(), confirm(), prompt()

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  • サポート開始年: 1995年
  • サポート終了年: 廃止はされていないが非推奨
    廃止または衰退の理由
    ユーザー体験を阻害するため、モダンなウェブアプリケーションではほとんど使用されなくなった。また、UIのカスタマイズができないため、より柔軟な方法が求められる。
    代替技術
    モーダルダイアログやカスタムUI(例: ReactやVue.jsのダイアログコンポーネント)。

JavaScript with ステートメント

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  • サポート開始年: 1996年
  • サポート終了年: 2011年(ECMAScript 5で非推奨化)
    廃止または衰退の理由
    スコープの曖昧さが原因で、予期しない挙動を引き起こしやすい。これにより、コードの可読性やデバッグ性が低下するため非推奨化された。
    代替技術
    明示的にオブジェクトを参照するコードを書くこと。例: obj.property を使用する。

JavaScript setTimeoutsetInterval によるタイマー

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  • サポート開始年: 1996年
  • サポート終了年: 廃止はされていないが一部用途で非推奨
    廃止または衰退の理由
    正確な時間制御が難しく、負荷が高い場合にタイミングが遅れる可能性がある。特にアニメーションや時間感覚が重要なケースでは不適切。
    代替技術
    モダンなアニメーションや時間制御には requestAnimationFramesetTimeout のPromiseラッパーを使用することが推奨される。

JavaScript非標準のイベントハンドラ attachEvent

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  • サポート開始年: 2000年(Internet Explorer専用)
  • サポート終了年: 2016年(Internet Explorer 11で終了)
    廃止または衰退の理由
    標準化された addEventListener に置き換えられたため。attachEvent はIE独自の非標準APIであり、移植性が低かった。
    代替技術
    標準APIの addEventListener を使用すること。

JavaScript arguments.callee

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  • サポート開始年: 1995年
  • サポート終了年: 2015年(ECMAScript 5 Strict Modeで非推奨化)
    廃止または衰退の理由
    再帰関数の名前を安全に変更できないなどの問題があった。モダンなJavaScriptでは名前付き関数式や関数の自己参照が可能になったため、非推奨となった。
    代替技術
    名前付き関数式やES6のアロー関数を使用すること。

JavaScript古いモジュールローダー require.js

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  • サポート開始年: 2010年
  • サポート終了年: 廃止はされていないが非推奨
    廃止または衰退の理由
    ES6でモジュールシステム(import/export)が標準化されたため。require.js は依存管理が複雑で、ブラウザ環境以外では非効率的だった。
    代替技術
    ES6モジュール(import/export)や、Node.jsでのimportrequireの併用。

JavaScript jQuery

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  • サポート開始年: 2006年
  • サポート終了年: 廃止はされていないが推奨されない
    廃止または衰退の理由
    モダンブラウザの標準APIが進化し、jQueryを使用する理由が減少した。また、ReactやVue.jsなどのフレームワークが普及し、jQueryのユースケースが狭まった。
    代替技術
    ネイティブのDOM操作APIやモダンなフロントエンドフレームワーク。