JavaScript/Polyfill
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Polyfill(ポリフィル)は、Web開発において、ブラウザがサポートしていない最新のWeb標準や機能を実現するためのコードやプラグインのことを指します。Polyfillは、特定の機能が存在しない場合に、その機能をエミュレート(模倣)して提供する役割を果たします。
例えば、あるブラウザが新しいJavaScriptの機能をサポートしていない場合、その機能を実装するPolyfillを追加することで、古いブラウザでもその新しい機能を利用できるようになります。これにより、開発者は最新のWeb技術を使ったコードを書きつつ、広範なブラウザ互換性を維持することができます。
主なPolyfillの例
[編集]- HTML5 Shim/Shiv
- Internet Explorerの古いバージョンでHTML5要素を認識させるためのPolyfill。
- ES5 Shim
- ECMAScript 5の機能をサポートしていないブラウザのためのPolyfill。
- Fetch API Polyfill
- 古いブラウザでFetch APIをサポートするためのPolyfill。
- Promise Polyfill
Promise
オブジェクトをサポートしていないブラウザ向けのPolyfill。- core-js
- 広範囲なJavaScript機能のPolyfillを提供します。
- Modernizr
- 機能検出とPolyfillの組み合わせを提供します。
使用方法の例
[編集]例えば、PromiseをサポートしていないブラウザにPromise機能を追加するためのPolyfillは次のように使用されます:
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/promise-polyfill/dist/polyfill.min.js"></script>
上記のスクリプトをHTMLファイルに追加することで、古いブラウザでもPromiseを使用できるようになります。
Polyfillは、最新のWeb標準を活用しつつ、広範なブラウザ互換性を実現するための重要なツールです。
Polyfill.io 事件
[編集]Polyfill.io事件は、広く使用されているJavaScriptライブラリが悪意のある第三者に買収され、マルウェアを注入された重大なセキュリティインシデントです。
主なポイント:
- 2024年2月、中国企業Funnullがpolyfill.ioを買収し、マルウェアを注入。
- 約10万のウェブサイトに影響し、ユーザーデータ盗難やリダイレクトの危険性。
- セキュリティ企業が問題を特定し、Googleは影響を受けたサイトへの広告をブロック。
- 開発者にcdn.polyfill.ioの使用停止と代替手段の利用を推奨。
- サードパーティライブラリ使用時のセキュリティ対策の重要性が浮き彫りに。
この事件は、ウェブ開発のサプライチェーンセキュリティの重要性を強調し、外部リソース利用時の慎重な対応の必要性を示しています。