JavaScript/Web Worker
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Web Workers API
[編集]概要
[編集]Web Workersは、ウェブアプリケーションでバックグラウンドスレッドを実行するHTML5の機能です。メインスレッドから分離されたスクリプトを実行することで、重い処理をブラウザのUIをブロックせずに実行できます。
主な特徴
[編集]- マルチスレッド処理 - JavaScriptでCPUに負荷のかかる処理を並列実行可能
- パフォーマンス向上 - メインスレッドをブロックせずに複雑な計算を実行
- リソース管理 - ウェブアプリケーションのレスポンシブ性を維持
Web Workerの種類
[編集]デディケーテッド・ワーカー
[編集]単一のスクリプトによって使用される専用のワーカー。最もシンプルな実装方法。
シェアード・ワーカー
[編集]複数のスクリプト(異なるウィンドウ、タブ、iFrame)から共有可能なワーカー。
サービス・ワーカー
[編集]ネットワークリクエストや Push 通知、オフライン機能を管理するための特殊なワーカー。
基本的な使用方法
[編集]ワーカースクリプトの作成
[編集]// worker.js self.onmessage = function(event) { const result = performHeavyComputation(event.data); self.postMessage(result); }; function performHeavyComputation(data) { // 重い計算処理 return data * data; }
メインスレッドでのワーカー初期化
[編集]// メインスクリプト const worker = new Worker('worker.js'); worker.onmessage = function(event) { console.log('ワーカーから受信:', event.data); }; worker.postMessage(42); // ワーカーに data を送信
制限事項
[編集]- DOMへの直接アクセス不可
window
オブジェクトの使用不可- クロスオリジンスクリプトの読み込みに制限あり
エラーハンドリング
[編集]worker.onerror = function(error) { console.error('ワーカーでエラー発生:', error); };
ユースケース
[編集]- 大規模データの処理
- 画像・ビデオ編集
- 暗号化処理
- 複雑な数学的計算
- リアルタイムデータ解析
パフォーマンスに関する注意
[編集]- ワーカーの作成とメッセージ交換には軽微なオーバーヘッドあり
- 短い処理には不向き
- データのシリアライズ/デシリアライズにコストがかかる
ブラウザサポート
[編集]最新のモダンブラウザで広くサポートされています。Internet Explorer 10以降、Chrome、Firefox、Safari、Edgeで利用可能。
関連技術
[編集]結論
[編集]Web Workersは、ウェブアプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上させる強力な API です。適切に設計・実装することで、よりレスポンシブで効率的なウェブアプリケーションを作成できます。