Lojban For Beginners 日本語訳/ひっくり返す
ひっくり返す
まず1文で理由を含めてしまう前に、2文使うやり方を見てみましょう。まず、命題として以下の文があるとします。.ije は「前部と後部は共に真」という意味ですが、今はあまり気にしないでください。
la .usakos. ractu .ije ro ractu na'e ze'u jmive 「ウサコはうさぎであり、そして、全てのうさぎは長くは生きない。」
そして、それがもたらす結論があります。
.i la .usakos. ni'i na ze'u jmive 「ウサコは、論理的に、故に、長くは生きない。」
この ni'i は何なのでしょう?実はロジバンにおいて前置詞( sumti tcita )は時制のように使えます。 pu を selbri の前に置くように、ni'i を selbri の前に置いているのです。副詞のようになっている、とも言えます。これは厳密には、 ni'i zo'e 「それを論理的に必然的としているのは、何がしか言わずものこと」つまり「(言わずものことから)論理的に必然と」と言うのと同じになります。「言わずものこと」は、ここでは前の二つの文のことですね。つまり ni'i あるいは ni'i zo'e で「故に」です。挿入句のようなイメージです。
しかし以下の1文では sumti tcita として使いつつ、zo'e 「何がしか」の代わりに、具体的な sumti ( lo などの冠詞で始まるもの)を置きました。そうするとさっきのような「故に」ではなく「論理的理由は」という意味になります。これは ni'i が nibli(x1 は x2 を論理的に必然とさせる)から来たからです。
la .usakos. mrobi'o ni'i lenu ro ractu na'e ze'u jmive 「ウサコは死ぬ、それを論理的必然にするのは、全てのうさぎは長くは生きない、ということ。」 「ウサコが死ぬのは、うさぎはみんな長くは生きられないから。」
では逆にして、「うさぎはみんな長くは生きられないから、だから、ウサコは死ぬ。」と言いたい時はどうでしょう?
こうなります。
ro ractu na'e ze'u jmive seni'i lenu la .usakos. mrobi'o
seni'i とは、ni'i に se が付いたものです。元の gismu と同じように、 sumti tcita にも se を付けてそれに付く sumti を変えることができます。そしてそれぞれの意味を確認すると、
ni'i の後に来る sumti は、lo nibli (論理的必然とさせる要因) seni'i の後に来る sumti は、lo se nibli (論理的必然な結果)
です。つまりこうなります。短い訳し方は色々あるでしょう。
○○ ni'i △△ 「○○。それを論理的必然にさせるのは△△」 「△△だから○○」「○○。なぜなら△△」 △△ seni'i ○○ 「△△。それにより論理的に必然となるのは○○」 「△△だから○○」「△△従って○○」
日本語式の語順でも英語式でも言えるということですね。しかし普通は強調したい方を前に持ってくると思います。
では前に習った他の sumti tcita も見てみましょう。
le lante cu spoja ri'a lenu ri pu glare 「缶は破裂した、そのことを引き起こしたのは、それが熱かったこと。」 le lante pu glare seri'a lenu ri spoja 「缶は熱かった、そのことが引き起こしたのは、それが破裂したこと。」 so'i prenu cu nelci la djiotis. mu'i lenu ri xajmi 「多くの人はジョティスが好きだ、それを動機づけるのは、彼女が楽しい、ということ。」 la djiotis. xajmi semu'i lenu so'i prenu cu nelci dy. 「ジョティスさんは楽しい、それが動機づけとなって起こるのは、多くの人が彼女を好きになる、ということ。」