Lojban For Beginners 日本語訳/先行する接続詞

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先行する接続詞

接続詞の続きです。「もし(仮定)」を使う文を考えてみます。

.i mi djuno ledu'u do vi zvati .inaja mi dasni noda

「あなたがここにいると知っていたら、何も着なかったのに。」


構造的に言えば、


「あなたがここにいると知っている」 .inaja 「何も着ない。」


.inaja は、「先の文が真実ならば、後の文は真実だ」と言いたい時に使います。

正確に言うとこうです。「先の文が真実でない場合にはこだわらない。その場合には、後の文は真実であるかもしれないし、真実ではないかもしれない。しかし、先の文が真実ならば、後の文は真実だ。」)


上の例で言うならば、「あなたがここにいることを知」らなかったら、「着ない」かもしれないし、「着る」かもしれないが、「知っている」なら「着ない」ということです。


「あなたがここにいると知っている」と述べた後に、 .inaja を付けて、「ならば…」と言ってるわけですね。


他の例を見てみます。

mi djica loi bakni na.e loi jipci 

「私が欲しいのは牛肉ではなくて、鶏肉。」つまり「牛肉ではなくて鶏肉が欲しい。」


「私が欲しいのは牛肉」と言った後に、「ではなくて」と続けているわけです。

日本語と似ているようですが、このように、前に言ったことを後から否定するのは、ややこしい、と感じられる時もあります。


実は、ロジバンでは前もって予告する言い方も用意されています。g- が付いた語を前に置き、 gi で後をつなぐのです。

例えば、

mi .e do

「私とあなた」は、 g- と gi を使うと、

ge mi gi do

「私とあなた」と表現できます。

mi djica genai loi bakni gi loi jipci

「私が欲しいのは(~ではなくて、~だ)、牛肉(ではなくて)、鶏肉だ。」と言えます。


このように、 -nai を付ければ、否定を表現できます。前に置く g- の方ではなく、 後の gi の方に -nai を付ければ、後に来るものを否定することになります。

mi djica ge loi bakni ginai loi jipci

「私が欲しいのは(~と~だ)、牛肉と、(そして~ではない)鶏肉ではない。」つまり「私が欲しいのは牛肉であって、鶏肉ではない。」


(このような g- と gi を文法用語ではselma'o GA と言います。)


「牛肉」や「鶏肉」といった名詞的な語( sumti )だけではなく、文( bridi )もこれでつなげられます。


(文法的に言えば、 g- + sumti の直後に gi + sumti が続くのでないならば、 sumti を接続しているのではなく、bridi を接続している、と見なします。)


冒頭の妄想の文ならこう言い換えられます。

.i ganai mi djuno lenu do vi zvati gi mi dasni noda

「(こうならば、こうだ、)あなたがここにいると私は知っている(ならば、以下は真実だ)、何も服を着ない。」つまり「もしあなたがここにいると知っていたら、服を着なかったのに。」


上の文章は、冒頭の文章のように .i で文が二つに分かれてはいません。 ganai が前に来るならば、.i で文を切らなくても、bridi がもう一つ 来ることは明らかだからです。


.i で区切らないで済む利点を挙げます。

.i la usakos. ractu .ije ro ractu na'e ze'u jmive .i la usakos. seni'i na ze'u jmive 

「うさこはうさぎ。そして、うさぎは長くは生きない。うさこは、だから長く生きないの。」


この「だから」の部分に、 bo を使い、iseni'ibo として、 文をつなげたい、とします。


ここで、

.i la usakos. ractu .ije ro ractu na'e ze'u jmive .iseni'ibo la usakos. na ze'u jmive

とすると、後半の「うさぎは長くは生きない」と「だから、うさこは長く生きない。」の二つの文が「つながりますが、 最初の「うさこはうさぎ。」の文はつながりません。bo は .ije よりもつなげる力が強いからです。


「うさこはうさぎ。」と「そして、うさぎは長くは生きない。」の二つの文が「うさこは、だから長く生きないの。」という論理的帰結に結びつくことを示したい時には、どうしたら良いのでしょうか? 前の二つの文を一つにまとめることができれば、これは解決できます。

.i ge la .usakos. ractu gi ro ractu na'e ze'u jmive .iseni'ibo la .usakos. na ze'u jmive


形容する( tanru )語をつなげる接続詞にも、先に置く形態があります。こちらは、 gu'- になります。

la mizuxon. cinynei ro melbi naja xajmi nanmu

「瑞穂さんが性的に嗜好するのは、(美形でなければ、面白くも面白くなくもありえるが、)美形ならば面白い全ての男性だ。」つまり「瑞穂さんの好みの男性は皆、美形ならば面白い。」


これを先に置く形態の接続詞に言い換えてみます。

la mizuxon. cinynei ro gu'anai melbi gi xajmi nanmu 

「瑞穂さんが性的に嗜好するのは、全ての、(~であるならば~である)美形ならば楽しい男性だ。」


まあ、分かりやすさはあまり変わらない、と思いますが。


(文法用語の話ですが、 gismu (動詞的になり得る語)同士をつなげる接続詞の先行詞版はありません。文の接続詞の先行詞版は複数の文を一つの文にまとめるのだから、 gismu 同士の接続詞と同じことです。)