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Lojban For Beginners 日本語訳/再帰代名詞・相互関係

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

再帰代名詞・相互関係


さて、第7章で見た文に少し手を加えてみます。ジャンとスーザンの話です。

la suzyn. na djuno fi vo'a fe le du'u la jan. cinynei sy. 

「スーザンは( x1 )知らない、自身について( x2 )、ジャンが性的にスーザンを好きだということを( x3 )」


新しい代sumtiのvo'a が出てきました。これは、「この bridi の最初の sumti」を指す代名詞で、「自身」と訳して良いでしょう。ちなみに、文の二番目の sumti を指すなら vo'e 、三番目なら vo'i となります。しかしもっぱら使われるのは vo'a です。人々がロジバンで考えることにもっと慣れてきたら、 vo'e や vo'i の使用頻度も上がると思われます。これらは他の言語における再帰代名詞のように使えて便利です。


もっと単純な直球の例文を挙げます。

la meilis. pensi vo'a
「メイリーは( x1 )考える、自分のことについて( x2 )。」

le gerku cu batci vo'a
「その犬は( x1 )噛む、自分を( x2 )。」

こうも言えます。

mi nelci vo'a

「私は( x1 )好きだ、自分が( x2 )。」

しかしそれなら mi nelci mi と同じになりますし、こちらの方がより簡潔です。そしてもう少し複雑な用例を見てみましょう。

la suzyn. zgana la djiotis. soi vo'a vo'e

「スーザンはジョティスに気付いて、その逆もまた然りだった。」


soi という cmavo について見てみます。soi は、 以後の sumti 同士の関係をひっくり返しても bridi は真実だ、という時に使います。今ので言うと vo'a と vo'e が交換された場合も真だということです。

soi の後に一つしか sumti がない時もあります。その場合は、それと soiの直前にある sumti とをひっくり返せるということです。ですから、前述の文は短くこうも言えます。

la suzyn. zgana la djiotis. soi vo'a

あるいは、単にこうも言えます。

ko'a zgana ko'i soi vo'a
「甲は丙に気付いた、互いに。」
注:vo'a はあくまで bridi の最初の sumti を指します。 ri のように、その指すものが直前になったりはしません。上の文は、vo'a の代わりに ko'a を繰り返しても構いません。意味は同じです。
小ネタ:soi と同じ意味の gismu があります。simxu 「~は団体だ( x1 )、その構成員は互いに~をする( x2 )」です。これは selbri と重ねて tanru にして使われます。そして lujvo でも使われます。そのための短縮形は、 sim と si'u です。これを使いこなすにはまだ文法の知識が足りません。しかし本書の最後の方で再び触れます。