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Lojban For Beginners 日本語訳/割合

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
注意
この回では少々論理的に込み入ったことを学びます。興味がなければ飛ばしてください。

le ci prenu が「その3人の人達」という意味で、re le prenu が「その人達のうち2人」という意味ならば、どういう風にして「その3人のうちの2人」と言えばよいのでしょうか。

これは簡単です。re le ci prenu とすればよいのです。しかしもし lo を使ったならば意味は変わってきます。「世界中の全ての3人からの2人(つまり全人口の3分の2)」と言いたいときに re lo ci prenu と言うことはできないのです。なぜなら、le ci prenu と言う際にはその3人が頭の中にあるのに対し、それと同じ論理でいくと lo ci prenu という文の意味は「実在する3人(宇宙で3人しか人がいない)」ということになってしまうからです(loi ci nanmu cu bevri le pipno と言えない理由もこれです)。そういう訳で結局「数 + lo + 数」の公式は、割合でなくて実際の数を表す際にしか使わないということになりましょう。例えば

re lo ci mensi pe mi cu nelci la .rikis.martin.
私の3人の姉妹のうち2人がリッキー・マーティンを好きだ。

この文は二つの事実に基づいています。一つ目は、私に3人の姉妹がいるということ(実は事実ではありませんが)。二つ目は、彼女らのうち2人がリッキー・マーティンを好きだということ(これは別に3人目がリッキー・マーティンを嫌っていると言っているわけではありません。興味が無いだけかもしれませんし、知らないのかもしれません)。この文内でもし le を使っても間違いではないのですが、「私には5人の姉妹がいてその内の3人について言っているだけだ」というような可能性を許すことになります。ロジバンの「le と lo」と英語の「the と a/some」の数少ない違いの一つがこれなのです。

しかしこのままだと何か言おうとする度に

vo ki'o nocize ki'o rexare lo xa ki'o cipare ki'o pamubi ki'o nosoci remna cu nelci la .rikis.martin.
6,312,158,093人(実在する)のうち4,037,194,262人がリッキー・マーティンを好きだ。

というような表現をしなければいけません。こんな言い方は苦痛でしかありません。

こういう問題は「fi'u」を使うことで解決します。fi'u は分数のスラッシュと同じ意味です。なので「全ての3人からの2人」つまり「人々の2/3」はロジバンでは「refi'uci loi prenu」となります。もちろんこれは分数ですから、等しく対応する小数もあります。「pixaxaxa loi prenu」というのは直訳すると「0.666の人々」ですが同じ意味です。

ここで loi が使われていますがもし「refi'uci lo prenu」と言ったなら、lo により人をグループ化せず別個化しているので人体の3分の2について話すことになります。

もっと割合の例を出しておきましょう。

・mi tcica pimu lei prenu
  私はその人たち(グループ)の 0.5 (半分)を欺いた。

・mi tcica pafi'ure lei prenu
  私はその人たち(グループ)の 1/2 (半分)を欺いた。

・mi tcica pa le re mlatu
  私はその2匹の猫(別個)のうち1匹を欺いた。

・mi se slabu vopano lo pacivore gismu
  1342個(実在する)の gismu のうち410個が私になじみがある。