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Lojban For Beginners 日本語訳/物事の名称と関係性

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

第1章で見たように、cmene はある特定のものに対する名札のようなものです。例えば私が「太郎」といったときに指すのは、世界中にいるたくさんの太郎ではなくて、私の頭の中で想定している一人の太郎のことなのです。ですからロジバンで「tarous.」と言ったときも、指すことができるのは特定の一人だけです。cmene は普通、ものの種類(人、犬、コンピューター、など)や、ものとものの関係(好きだ、あげる、中にある、など)を表すことはできないのです。

注意:すでにロジバンの英知に触れた人ならば、ほとんどの名称語が名前を付けるのは「特定のもの」しかないわけではないと言うかも知れません。しかしより深くロジバンを学んでいけば、述語と名称語の本当の違いと、今言ったような単純化の必要性もわかるようになるでしょう。

関係性はロジバンの要です。関係性を示す言葉は「selbriの働きをする」と呼ばれます。「selbri」は(日本語における「動詞」「形容詞」のような)いわゆる品詞ではなくて、言葉がする働き・役割のことを指します。色々な種類の言葉が selbri の働きをしますが、cmene はそういう働きをしません。
selbriの働きを持てる言葉で主要なものに「gismu(語根)」があります。ロジバン語彙の基礎を為すブロックのようなものです。そして判別が容易です。なぜなら以下の五文字の構造を持つと決まっているからです。

(C=子音、V=母音)
CVCCV 例:gismu、dunda、sumti
CCVCV 例:cmene、bridi、klama