Lojban For Beginners 日本語訳/ke'a

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ke'a


あと一息です。前の文をもう一度見てみましょう。

do pu tavla le mi mensi {poi le mi mensi na nelci la rikis.martin. ku'o} loi dinske
「リッキー・マーティンが好きではない私の姉妹とあなたは経済について話した。」

le mi mensi を二回繰り返していましたね。7章でやったようにこれは ri (代名詞) を使えば良い、と思われたかもしれません。しかし、 ri の示す直前の sumti は le mi mensi ではなく、その中の mi になってしまいます。 le より mi の方が近いからです。また、 ri は sumti を指しますが、 sumti とは poi で始まる付け足しの文(関係節)そのものも含みます。 poi の前だけ、とはならないのです。ですから、 ri を使うことには非常な混乱が予想されます。また、以下の文も実は良くありません。

mi klama lo gusta be loi kisto be'o {poi ra berti le tcadu}
「私は行く、食堂へ、その食堂はパキスタン的なものを出す、それ( ra )は北にある、町の。」
「町の北にある、パキスタン料理を出す食堂に私は行く。」

ra は何を指すのかあいまいだからです。実は、ロジバンの関係節(sumti に加える文)には独自の代名詞があります。それが ke'a です。ですから、今までに見た四つの文章を完全なロジバンにすると、こうなります。

le mi mensi poi ke'a na nelci la rikis.martin.
「私の姉妹、どの姉妹かというと、それは好まない、リッキー・マーティンを。」
「リッキー・マーティンが好きじゃない方の私の姉妹」

le mi mensi poi do viska ke'a ca le prulamcte
「私の姉妹、どの姉妹かというと、あなたは見た、それを、昨晩に。」
「あなたが昨晩見た方の私の姉妹」

{le gusta be loi kisto be'o} poi ke'a berti le tcadu
「食堂、それはパキスタン的なものを出す、どの食堂かというと、それは北にある、町の中で」
「町の北にあるパキスタン料理の食堂」
( be'o は必要です。北にあるのはパキスタン的なものではなく、食堂だからです。)

le gusta be loi kisto be'o poi mi citka loi cidjrkari ne'i ke'a
「食堂、それはパキスタン的なものを出す、どの食堂かというと、私は食べた、カレーを、その中で。」
「私がカレーを食べたパキスタン料理の食堂」


これらの文章はもう少し簡潔にできます。関係節(付け足す文)の中に ke'a が見当たらない時は、その関係節の selbri の sumti の位置の最初の空いている所にそれがあてはまる、と決まっています。ですから、関係節(付け足す文)に selbri の x1 が抜けている時は、そこに ke'a があります。 x1 はあって x2 が抜けている時は、 x2 が ke'a のある場所です。このように順番に当てはめていけば、 ke'a がなくても、どこにそれが来るのかは決まります。上に見た文章は以下のように簡潔にできます。


le mi mensi poi na nelci la rikis.martin.
「リッキー・マーティンが好きじゃない方の私の姉妹」

le mi mensi poi do viska ca le purlamcte
「あなたが昨晩見た方の私の姉妹」

le gusta be loi kisto be'o poi berti le tcadu
「町の北にあるパキスタン料理の食堂」

le gusta be loi kisto be'o poi mi citka loi cidjrkari ne'i ke'a
「私がカレーを食べたパキスタン料理の食堂」


最後の文は変わっていません。 ke'a を抜かせるのは selbri でつなげられている時だけだからです。sumti tcita や空間を表す語によってつなげられている時は抜かせません。

注:このように ke'a を抜かしても意味が分かる、ということは、ロジバンにおいても、文法や論理よりも使い勝手や了解が優先する、ということです。理論的に厳密に考えれば、le mi mensi poi tavla は、ke'a が抜けている、というだけなのですから、le mi mensi poi ke'a tavla 「話をした方の私の姉妹」だけではなく、 le mi mensi poi tavla ke'a 「話し相手になった方の私の姉妹( x2 )」でもありえるはずです。ロジバンは論理に重きを置く言語です。しかし、人のしゃべる他の言語と同様に、ロジバンにおいてもだいたい普通の言い方というのはあります。


小ネタ:関係節(付け足しの文)を二つ付け足したい時には、 zi'e でそれら二つの関係節をつなげられます。これは両方とも真実の時に使います。詳しくは11章にて見ます。一例を挙げると以下のように言えます。
le mi mensi poi na nelci la rikis.martin. zi'e poi do viska ca le purlamcte
「リッキー・マーティンが好きじゃなくて、あなたが昨晩見た方の、私の姉妹」