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Mizar/Q&A/意味

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

自然数の考え方

空集合Φを0=Φ={}と定義すると、後は帰納法的に、

要素数(自然数) 集合 集合
0 Φ{}
1 {Φ}{0}
2 {Φ,{Φ}}{0,1}
3 {Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}{0,1,2}
n+1 n∪{n}{0,1,2,...,n}

∴後続(successor)は以下のように定義される。

S(x) = x∪{x}


推移的(transitive)

集合 T が推移的であるとは、T の要素が T の部分集合になることです。

すなわち、T={Φ,{Φ}}の場合には、 {Φ}∈T かつ {Φ}⊂T である。


順序数(ordinal number)

集合 T が順序数であるとは、T が推移的であり、∈ について整列順序であること。

例:T={Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}

{Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}∈T かつ {Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}⊂T

{Φ}∈T かつ {Φ}⊂T

{Φ,{Φ}}∈T かつ {Φ,{Φ}}⊂T

{Φ,{Φ,{Φ}}}∈T かつ {Φ,{Φ,{Φ}}}⊂T

{Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}∈T かつ {Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}⊂T

{Φ}<{Φ,{Φ}}<{Φ,{Φ,{Φ}}}<{Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}


無限の公理(Infinity)

∃x(0∈x∧∀y∈x(S(y)∈x))

また、内包の公理により、全て自然数だけの集合の存在がいえる。 この集合をN ではなく、ω(omega) とする。


> Dedekind切断とは?

連続である実数をある点sで2つにちぎったとすると、Dedekind切断になります。

その2つにちぎった実数空間は2つの場合があります。

Dedekind切断
範囲 -∞~s s~∞
-∞~s],(s~∞ s]は有理数,-∞~s]s]を含むので、上界がs、上限もs(sは無理数,(s~∞s]を含まないので下界は無い、しかし、下限はs
-∞~s),[s~∞s)は無理数,-∞~s)[sを含まないので上界は無い、しかし上限はs[sは有理数,[s~∞[sを含むので、下界がs、下限もs

上界を上限、下界を下限とも言います。しかし、その逆は必ずしも真ではありません。


> 有界なる単調数列の収束について > > 下記のような式は C、M の意味は何でしょうか? > 詳しく説明していただげませんか。

二項係数: nC2 = n(n-1)/2

M: 0を含み関数について閉じている集合

n:自然数;Mの部分集合の共通部分 です。

式1: a>1,k>0ならば lim[n→∞](a^n/n^k)=∞.
証明

k = 1 のときは
a^n = (1+(a-1))^n>nC2(a-1)^2 = ((a-1)^2)n(n-1)/2 より
a^n/n^k > {((a-1)^2)(n-1)/2}.
任意の M に対して {2M/(a-1)^2}+1 より大なる自然数 n をとれば,
M < (a^n/n^k) となるので lim[n→∞](a^n/n^k)=∞.

0 < k < 1 のときは
n^k ≦ n であるので (a^n/n^k) ≧ (a^n/n)>{((a-1)^2)(n-1)/2}.
任意の M に対して {2M/(a-1)^2}+1 より大なる自然数 n をとれば,
M < (a^n/n^k) となるので lim[n→∞](a^n/n^k) = ∞.

1 < k のときは
a^(1/k)>1. よって任意の 1 より大きいMに対して,ある一定以上の自然数 n で
(a^n/n^k) = [{(a^(1/k))^n/n}]^k > M^k > M だから
lim[n→∞](a^n/n^k) = ∞.