NEW IS-LM分析
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- マクロ経済学初中級 > NEW IS-LM分析
NEW IS曲線
[編集]多期間モデルの消費の効用最大化より
- u'(c[t])=(1+r[t])/(1+ρ)・u'(c[t+1]) (15-5)式
この (15-5)式に簡便化のため、 効用関数u(c)={c^(1-1/σ)}/(1-1/σ)を代入すると [{c[t]^(1-1/σ)}/(1-1/σ)]'={(1+r[t])/(1+ρ)}・[{c[t+1]^(1-1/σ)}/(1-1/σ)]' c[t]^(-1/σ)=(1+rt)/(1+ρ)c[t+1]^(-1/σ) 両辺に対数すると ln c[t+1]-ln c[t]=σ{ln(1+r[t])-ln(1+ρ)} 近似式 ln(c[t+1])-lnc[t]=Δc[+1]/c[t] ln(1+r[t])≒r[t] ln(1+ρ)≒ρより
簡便化したオイラー方程式
Δc[1+t]/c[t]=σ(r[t]-ρ)を導出できる
また、近似式ΔC[1+t]/C[t]=lnECt+1-lnCt=Ect+1-ctより
- Ect+1-ct=σ(r[t]-ρ)
また、C=Yと仮定する(投資は行わない)ことから
- Eyt+1-yt=σ(r[t]-ρ)
- yt=Eyt+1-σ(r[t]-ρ)
また、GDPは潜在GDPに等しいと仮定
- yt=y*t-σ(r[t]-ρ)
上記式がNEW IS曲線である。
テイラールール
[編集]NEWケインジアンモデルではLM曲線を用いない。 その代わりに、中央銀行の金利設定ルールを導入する。 テイラールールと呼ばれ、名目金利をインフレ率とGDPの状態で設定することである。
it= πt+ ρ + θπ(πt– π*t) + θY(Yt― Y*t)⑤
動学的AD曲線の導出
[編集]財・サービスの需要(NEW IS曲線)
- Yt= Y*t― α(rt― ρ) + εt①
フィッシャー式
- rt= it― Etπt+1②
フィリップス曲線
- πt= Et-1πt+ φ(Yt― Y*t) + ut③
適応的期待
- Et-1πt= πt-1④
金融政策のルール(テイラールール)
- it= πt+ ρ + θπ(πt– π*t) + θY(Yt― Y*t)⑤
内生変数 Yt 産出 πt インフレ率 rt 実質金利 it 名目金利 Etπt+1 期待インフレ率
外生変数 Y*t 自然産出水準
π*t 中央銀行の目標インフレ率 εt 財・サービスの需要へのショック ut フィリップス曲線へのショック(供給ショック)
先決変数 πt-1 前期のインフレ率
パラメータ α 財・サービスの需要の実質金利に対する反応度
ρ 自然利子率 φ フィリップス曲線におけるインフレの産出に対する反応度 θπ 金融政策のルールにおける名目金利のインフレに対する反応度 θY 金融政策のルールにおける名目金利の産出に対する反応度
- Yt= Y*t― α(rt― ρ) + εt
②式を代入
Yt= Y*t― α(it― Etπt+1― ρ) + εt
⑤式を代入
- Yt= Y*t― α(πt+ ρ + θπ(πt– π*t) + θY(Yt― Y*t)― Etπt+1― ρ) + εt
長期均衡では
- Et-1πt= πt-1
なので④を代入すると
- Yt= Y*t― α(+ θπ(πt– π*t) + θY(Yt― Y*t)) + εt
これをYtについて解くと
- Yt= Y*t― α(+ θπ(πt– π*t) + θY(Yt― Y*t)) + εt
- Yt= Y*t― {1/(1-θY)}α(θπ(πt– π*t) ) + {1/(1-θY)}εt (動学的AD曲線)
参考リンク
[編集]- NEW IS-LM分析 - 新・金融経済まとめwiki - アットウィキ
https://www65.atwiki.jp/internetkyogakusys/pages/54.html
- 応用マクロ経済学(2010年度)
- マンキューモデルと流動性の罠 - himaginaryの日記