OpenOffice.org
OpenOffice.orgとは
[編集]OpenOffice.org(以下、「OOo」)は、オープンソースでフリーウェアとして配布されているアプリケーションスウィート(アプリケーションの集合体)です。Microsoft Office(以下、MS Office)と同様に、数本のソフトウェアをまとめてOOoと呼んでいます。もともとはサン・マイクロシステムズ社のStar Suiteというソフトウェアをオープンソースとして公開したものが起源となっているため、初めから商用レベルのクオリティがありました。
特徴としては、オープンソースで無償で利用できること、またそれゆえに柔軟でスピーディな開発がなされていること、そしてMS Officeと高い互換性を有していることなどが挙げられましょう。極めて簡単に表現すると、「無償で使えるMS Office」ということです。実際には、互換性も完全ではなく、機能の食い違いやインターフェースなどの違いもまだまだ多いですが、MS Officeのいいとこどりと独自のアイデアを次々と搭載し、着実に進化を続けています。
独自機能の代表例として、OOoは、早い段階でpdfファイル生成機能を持っていました。pdfは、コンピュータに Adobe Reader という無料のソフトが入っていれば、どんな端末でも同じような表示が可能なファイルの形式です。そのため、どうしてもMS Officeとの互換性ゆえに問題があって相手にファイルを送っても表示できない、という場合でも、pdf形式で送れば容易に閲覧することができます。また、OOoになにも追加してインストールする必要なくpdfファイルを作成することが出来ます。
また、2005年10月にリリースされたOOo2.0では、新たにXMLに基いた形式 (OpenDocument) でも文書を保存できるようになりました。これにより、さらに様々な環境に対して互換性が高まりました。
各ソフトの紹介
[編集]各ソフトを大まかに紹介します。
- Writer
- MS OfficeのWordに相当する、ワープロソフト。細かいレイアウトや機能、素材などの違いを除けば、ほとんどWordと変わりないと言ってよいでしょう。
- Calc
- 表計算ソフトです。
- Microsoft の 'Excel' や、旧ロータス・デベロップメント社の 'Lotus 1-2-3' のワークシートも読み込むことができ、Excel における Basicマクロにも互換性があります。
- ワークシート内で使用する標準関数群も、Excel と同じものが用意されていますが、引数の区切り文字、シート参照の際の記号など表記法が異なっています。
- Impress
- MS OfficeのPowerPointに相当する、プレゼンテーションソフト。機能的にはほぼ同等です。
- Base
- データベースソフト。データベース機能は以前からありましたが、2.0になって単体のソフトで実装されました。
- Math
- 数式エディタ
- Draw
- 図形描画
- HTML Editor
それぞれのソフトウェアを使う
[編集]Writer
[編集]OOoにおけるワープロソフトです。基本的な使いかたは、類似するMicrosoft OfficeのWordと大きくは変わりません。
Calc
[編集]Impress
[編集]Base
[編集]Draw
[編集]補助
[編集]Math
[編集]HTML Editor
[編集]OOo独自の仕組み
[編集]スタイル
[編集]OOoには、「スタイル」と呼ばれる独自の仕組みがあります。これは、文書中に使われる書式をひとまとめにしたもので、スタイルを適用したものを一括して変更することが出来ます。これにより、本文、見出しなどの見栄えを一定の形に整えることが出来ます。
F11を押すと、「スタイルと書式」とタイトルのあるボックスが出現します。デフォルトでは「本文」「見出し」などのいくつかのスタイルが存在しています。このスタイルをダブルクリックすると、その時点でカーソルの置かれている文書にたいして、そのスタイルを適用することが出来ます。また、水やりモードを使うと、マウスで簡単にいくつものをスタイルを適用出来ます。
スタイルを編集するには、コンテキストメニューを呼び出して、「変更」を選択します。すると、そのスタイルにおいて変更可能な項目が出ます。また、編集できるスタイルは、利用しているアプリケーションや適用する対象によって異なります。
- 管理
- そのスタイルの名前、継承元などを定義出来ます。
- インデントと間隔
- その文書の段落に対するインデント、改行の間隔などを定義出来ます。
- 配置
- その段落内での文書のレイアウトを定義出来ます。
- 体裁
- その文書に置けるハイフネーションなどを定義出来ます。
- 日本語の体裁
- 日本語を利用した際の改行、ぶらざげなどを定義出来ます。
- フォント
- その文書において利用するフォントを指定出来ます。
- フォント効果
- その文書において、フォントの見栄えを定義出来ます。
- 位置
- その文書における文字の配置、文字間隔などを定義出来ます。
- 日本語レイアウト
- 日本語におけるレイアウトの定義が出来ます。
- 番号付け
- 改行した際の番号や箇条書きの定義が出来ます。
- タブ
- タブを挿入した際の定義が出来ます。
- ドロップギャップ
- 文書の最初の一文字を強調する設定が出来ます。
- 背景
- そのスタイル内の背景を定義出来ます。
- 外枠
- そのスタイル内の枠を定義出来ます。
- 条件
- スタイルを適用する際の条件を定義出来ます。
- 数
- Calcにおいて、セルで利用する書式を定義出来ます。
- ページ
- ページ全体のスタイルを編集する際に利用でき、印刷の大きさなどを定義出来ます。
- ヘッダ
- 印刷する際のヘッダのスタイルを定義出来ます。
- フッタ
- 印刷する際のフッタのスタイルを定義出来ます。
- 表
- Calcにおいて、印刷する方向などを定義出来ます。
- 箇条書き
- Impressにおいて、改行する際の箇条書きの種類を定義出来ます。
- 番号付け
- Impressにおいて、改行する際の番号付けの種類を定義出来ます。
- 図
- Impressにおいて、改行する際の箇条書きの図を定義出来ます。
- オプション
- Impressにおいて、レベルが変更されたときのレイアウトを定義出来ます。
- コネクタ
- Drawにおいて、オブジェクトを結ぶコネクタの種類を定義出来ます。
- 透過性
- Drawにおいて、オブジェクトの透過を定義出来ます。
- テキスト
- Drawにおいて、オブジェクトにテキストを挿入した際の定義が出来ます。
- テキストアニメーション
- Drawにおいて、オブジェクトにテキストを挿入した際のアニメーションを定義出来ます。
- 寸法の記入
- Drawにおいて、オブジェクトに記入する寸法を定義出来ます。
OOoにおけるマクロ
[編集]OOoは、他のオフィススイートと同じように、マクロを利用して、作業の簡略化や機能の拡張を行うことが出来ます。