UNIXハンドブック/ls
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ls
コマンドは、指定されたディレクトリの内容をリスト表示するための基本的なコマンドです。本章では、UNIX環境における ls
コマンドの使用方法について解説します。GNU/Linux特有の拡張は扱わず、POSIX規格に準拠した内容に限定します。
基本的な使い方
[編集]構文
[編集]ls [オプション] [ファイル...]
- 引数を指定しない場合、現在のディレクトリの内容が表示されます。
- ファイルやディレクトリを指定することで、特定の場所の内容を表示できます。
例
[編集]$ ls file1.txt file2.txt directory1
現在のディレクトリにあるファイルやディレクトリが一覧表示されます。
主なオプション
[編集]以下は、POSIX規格に準拠した主なオプションです。
-a
: 隠しファイルを表示
[編集].
で始まる隠しファイルも表示します。
$ ls -a . .. .hiddenfile file1.txt
-l
: 詳細情報を表示
[編集]ファイルの詳細な情報(パーミッション、所有者、サイズ、タイムスタンプなど)を表示します。
$ ls -l -rw-r--r-- 1 user group 1024 Dec 28 12:34 file1.txt
-R
: 再帰的に表示
[編集]サブディレクトリの内容も再帰的に表示します。
$ ls -R dir1: file2.txt dir2: file3.txt
-t
: タイムスタンプ順に表示
[編集]ファイルの更新日時に基づいてソートします。
$ ls -t file2.txt file1.txt
-d
: ディレクトリ自体を表示
[編集]ディレクトリの内容ではなく、ディレクトリそのものを表示します。
$ ls -d */ directory1/
ファイル情報の詳細
[編集]ls -l
コマンドで表示される情報の各フィールドの意味を解説します。
-rw-r--r-- 1 user group 1024 Dec 28 12:34 file1.txt
- ファイルタイプとパーミッション:
-rw-r--r--
- 最初の文字: ファイルタイプ(
-
は通常のファイル、d
はディレクトリなど) - 次の9文字: パーミッション(所有者、グループ、その他)
- 最初の文字: ファイルタイプ(
- リンク数:
1
- ファイルに対するハードリンクの数
- 所有者:
user
- ファイルの所有者
- グループ:
group
- ファイルのグループ
- サイズ:
1024
- ファイルのサイズ(バイト単位)
- タイムスタンプ:
Dec 28 12:34
- 最終更新日時
- ファイル名:
file1.txt
注意点
[編集]- 隠しファイル
- ファイル名が
.
で始まるものはデフォルトでは表示されません。-a
オプションを使用して表示可能です。
- ファイル名が
- ディレクトリ名の扱い
- ディレクトリ名のみを表示したい場合は
-d
オプションを使用します。
- ディレクトリ名のみを表示したい場合は
- ソート順
- デフォルトではアルファベット順でソートされます。タイムスタンプやサイズ順など、特定の基準でソートするにはオプションを指定します。
まとめ
[編集]ls
コマンドは、UNIXシステムにおいてファイルやディレクトリを管理する上で最も基本的かつ頻繁に使用されるコマンドの一つです。本章で紹介した基本的なオプションとその使い方を理解し、必要に応じて適切に利用してください。