UNIXハンドブック/rm
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rm コマンド
[編集]rm
コマンドは、ファイルやディレクトリを削除するための基本的なコマンドです。本章では、UNIX環境における rm
コマンドの使用方法について解説します。GNU/Linux特有の拡張は扱わず、POSIX規格に準拠した内容に限定します。
基本的な使い方
[編集]構文
[編集]rm [オプション] ファイル...
- ファイル: 削除する対象のファイルやディレクトリ。
例
[編集]$ rm file1.txt
file1.txt
を削除します。$ rm file1.txt file2.txt
- 複数のファイルを同時に削除します。
主なオプション
[編集]以下は、POSIX規格に準拠した主なオプションです。
-i
: 確認を求める
[編集]削除する前に、ユーザーに確認を求めます。
$ rm -i file1.txt remove file1.txt? (y/n) y
-f
: 強制削除
[編集]確認を求めずに、存在しないファイルに対するエラーも表示せず削除を行います。
$ rm -f file1.txt
-R
または -r
: 再帰的に削除
[編集]ディレクトリとその内容を再帰的に削除します。
$ rm -R dir1/
dir1
ディレクトリとその中身をすべて削除します。
注意点
[編集]- 削除操作の取り消し不可
rm
コマンドで削除したファイルやディレクトリは復元できません。慎重に操作してください。
- ディレクトリの削除
- ディレクトリを削除する場合、必ず
-R
オプションを使用してください。指定しないとエラーになります。
- ディレクトリを削除する場合、必ず
- 重要ファイルの削除防止
- 誤操作を防ぐため、
-i
オプションを使用するか、重要なファイルに書き込み保護を設定してください。
- 誤操作を防ぐため、
-f
オプションの使用に注意- 確認なしで削除を実行するため、慎重に使用する必要があります。
例題
[編集]例1: 単一ファイルを削除
[編集]$ rm file1.txt
file1.txt
を削除します。
例2: ディレクトリを再帰的に削除
[編集]$ rm -R project/
project
ディレクトリとその内容をすべて削除します。
例3: 確認付きで削除
[編集]$ rm -i file1.txt remove file1.txt? (y/n) n
- 削除確認を求められ、拒否する例です。
まとめ
[編集]rm
コマンドは、ファイルやディレクトリを削除するための非常に強力なツールです。誤操作によるデータ損失を防ぐために、-i
オプションを活用し、慎重に使用してください。本章で紹介した基本的なオプションを理解し、安全な削除操作を行うよう心がけましょう。