ガフィオ羅仏辞典/K
表示
< ガフィオ羅仏辞典
K の部
[編集]原文:ガフィオ初版 p.876
K または k
[編集]- K, f. n., lettre de l'alphabet
- [ représentait dans l'ancienne langue le son du κ grec, tandis que c notait le son du γ ;
- après l'introduction de la lettre g, et c ayant pris le son du κ,
- la lettre K ne fut conservée que dans quelques abréviations et dans un petit nombre de mots] :
- K = Kæso (Cæso) ;
- K ou Kal. = Kalendæ (Calendæ).
K, k, (文字の名前は カー [kaː]) 【女性名詞 あるいは 中性名詞】 アルファベットの文字 [古代のラテン語では、c が(ギリシア語の)γ (ガンマ)の音を書き留めていたのに対して、(K, k は)ギリシア語の κ (カッパ)の音を表わしていたが、
文字 g の導入後に、c は κ (カッパ)の音を帯びるようになり、
文字 K は、いくつかの略語においてしか、および、少数の単語においてしか、保たれなかった。]
(訳注:古ラテン語では ラテン文字 K はギリシア文字の Κ (カッパ)に対応して /k/ の音を表わし、C はギリシア文字の Γ (ガンマ)に対応して /g/ の音を表わしていたが、エトルリア語の影響で C が /k/ の音を表わすようになり、/g/ の音を表わすために新たな文字 G が考案され、ラテン文字の K は無用になった。)
K. = Kæso (Cæso) に同じ。 K. または Kal. = Kalendæ (Calendæ) に同じ。
Kaeso, Kaesonis
[編集]- Kæso, v. Cæso
Kaesō, -ōnis ⇒ Caeso の項を参照。 (訳注:カエソー [ˈkae̯soː] は、古代ローマの男性の個人名。⇒ 関連記事 en:Caeso (praenomen) 。)
Kalendae, Kalendarum
[編集]- Kălendæ, v. Calendæ.
Kălendae, -ārum ⇒ Calendae の項を参照。 (訳注:暦の月の初日、1日)
kana または kanus
[編集]- Kāna, Kānus, v. Cana, Canus.
kāna, kānus ⇒ cana, canus の項を参照。 (訳注:「白い」「灰白色の」、あるいは「白髪の」を表わす形容詞のことであろう。⇒ 関連記事 wikt:la:canus )
kanaba
[編集]- Kānăba, v. Canaba.
kānăba, -ae ⇒ canaba の項を参照。 (訳注:「小屋」「倉庫」のことであろう。)
kaput
[編集]- Kăput, v. Caput
kăput ⇒ caput の項を参照。 (訳注:原イタリア語で「頭」を意味する単語であったと思われる。 ⇒ 関連記事 wikt:en:Proto-Italic/kaput ; kaput)
Karolus, Karoli
[編集]- Kărŏlus ou Karlus, i, m.,
- Karl ou Charles, nom de plusieurs rois [entre autres de Charlemagne].
- (訳注:初版本にある Karlus という表記は、その後の版では削除されている。)
- Karl ou Charles, nom de plusieurs rois [entre autres de Charlemagne].
Kărŏlus, -ī [ˈka.ɾo.lus] 【男性名詞 第二変化名詞】 男性の名 カロルス、 複数の王の名 [中でも特にカロルス(カール)大帝 を指す]。 (ドイツ語名の) カルル(Karl [karl])、(フランス語名の) シャルル (Charles [ʃaʁl])に相当する。
(訳注:カロルス Karolus は、古典ラテン語にはなく、古フランク語(Vieux-francique )の Karol (カロル)に由来すると考えられている。
Carolus (属格は Carolī)というつづりが、とりわけ近世以降は多くなっている。ラテン語で著作を著わした最後の大物の一人、大数学者ガウスも Carolus Fridericus Gaussと表記している。
⇒ 関連項目 wikt:la:Carolus ; wikt:fr:Calorus ; w:la:Carolus ; la:Karolus Magnus(カロルス大帝) )
Karthago, Karthaginis
[編集]- Karthāgo, v. Carthago.
Karthāgō, -ginis [kaɾ.ˈtʰaː.goː] ⇒ Carthago の項を参照。 (訳注:古代の都市国家カルタゴ。Karthāgō の表記は Carthāgō と比べても有力であり、h が欠けた Kartāgō の表記も通用する。 ⇒ 関連記事 wikt:la:Karthago ; w:la:Karthago ; wikt:fr:Karthago ; wikt:en:Karthago)
kasa, kasae
[編集]- Kăsa, v. Casa.
kăsa ⇒ casa の項を参照。 (訳注:「小屋」「粗末な家屋」を意味する casa の古形と思われる。 ⇒ 関連記事 wikt:la:casa ; wikt:fr:casa ; wikt:en:casa: wikt:ja:casa
klepsydra および klepsydrarius
[編集]- Klepsydra, -ārĭus, v. Cleps-
klepsydra, -ae [ˈkle.psy.dra] ⇒ clepsydra の項を参照。 klepsydrārĭus, -ĭī ⇒ clepsydrarius の項を参照。 (訳注:古代ギリシア語の κλεψύδρα に由来し、 klepsydra は「水時計」または「砂時計」を表わす単語、 klepsydrārĭus は「水時計の職人」あるいは「水時計の商人」を表わす単語である。 ⇒ 関連記事 w:la:Clepsydra(水時計) / w:la:Clepsydra (horologium)(砂時計) ; wikt:fr:clepsydra ; wikt:en:clepsydra )
koenosis
[編集]- kœnōsis, ĕos, f. (κοίνωσις), communication [fig. de rhét.] : ISID. 2, 21, 28.
koenōsis, -ĕos (訳注:)
▶編集中
koppa
[編集]koppa [ˈkop.pa] 【中性名詞・不変化】 コッパ [90の値を持つ、ギリシア人の数の記号]。 出典:クウィンティリアヌス 1,4,9[1] (訳注:コッパは、ギリシアの古代文字で、80を表わすπ(ピー)と100を表わすρ(ロー)の間で、90を表わす。 字形は、古代文字の大文字 Ϙ と小文字 ϙ 、数字の大文字 Ϟ と小文字 ϟ などがある。 コッパ Ϙ は、ラテン文字 Q, q にその字形の名残りを遺している。 ⇒ 関連記事 wikt:la:Ϙ, sive ϙ ; wikt:la:coppa ; Ϙ ; wikt:fr:koppa ; w:fr:Koppa ; wikt:en:Ϙ ; w:en:Koppa (letter))
備考その他
[編集]脚注
[編集]- ^ 修辞学者クウィンティリアヌス(Marcus Fabius Quintilianus)の『弁論術教程(Institutio Oratoria)』第1巻4節9項(The Latin Library)