線型代数学/線型方程式の解では、未知数がn個、方程式の数が、m個である線形方程式の解について学んだが、ここでは、未知数が、n個、方程式の数がn個である線形方程式の解について学ぶ。
という、線形方程式は、
を用いて、
- と表すことができる。
クラメルの公式とは、
行列Aのj列目がになっている行列を用いて、
この線形方程式の解は、である。というものである。
証明
この線形方程式は、と表すことができる。
を左からかければ、である。
線形代数学/余因子行列で求めた式
を用いれば、
展開すれば、
この行列のj行目は、なので、左辺のj行目は、行列Aのj列目がになっている行列
をj列目で、余因子展開したものと一致する。
よって、である。
以下の一次連立方程式を解け。
(1)
(2)( は互いに異なる実数)
(1) のとき、クラメルの公式より、 の場合は、 のときのみ解が存在し、その解は を満たす 全体。
(2) クラメルの公式から、行列式はすべてヴァンデルモンドの行列式となるから、