デコヒーレンスの本
前書き
デコヒーレンスに関する事を、特に深く考えずに書いていきます。量子デコヒーレンス(the Quantum Decoherence)はシュレーディンガーの猫をはじめとする、量子力学の奇妙な問題に対する解答としての有力な候補であり、また量子コンピューターの実現に向けて乗り越えなくてはならない事と言われています。ネット上でも少しずつ、一般向けの解説がされたページが見受けられるようになりました。この本には、デコヒーレンスに関係した物事を集約できれば良いなと思っています。
とりあえず本のタイトルは「デコヒーレンスの本」。「デコヒーレンスの教科書」というレベルまで行けるか判らないので。 書きたいことのいくつかは、wikipediaの方に書いたので、そっちとの差別化を考えないといけないかも知れません。
正確な記述というよりは、書き手のそれぞれがどのように考えているか、という事がわかるように書ければ面白いと思います。書き手募集中!
古典力学と量子力学
[編集]古典力学における最高位の原理である「最小作用原理」は、神学者であったモーペルテュイによって発見されました。そのために、この美しい原理こそが神の存在の証拠である、と彼は言ったとかいわないとかですが、この法則そのものは、量子力学においての、ファインマンによる経路積分の考え方を用いて理解されます。
経路積分の考え方では、ボールが、ある点Aから別の点Bまで運動する場合、可能な運動経路は無数に存在する、つまり同時に無限の数の道のりをボールは通っていると考えます、でもボールは目には見えない「波」を出しています。それを「波動関数」とか「ドブロイ波」とか言います。物体はそれぞれ自分の「状態」に対応した波を持ってるのです。
ミクロの世界においては、その波の影響が強いので、量子力学という波の力学が作られたわけですが、マクロの世界、というか、私達が日常的に見て感じている世界では、それぞれの経路の波が打ち消しあうなどして、結局は、日常的に(古典的に)実現可能な経路、つまり「最小作用原理」を満たす経路、を通る確率が最大となります。
別の言い方をすれば、経路積分における波動関数の位相の振舞いはそのプロパゲータ-の指数部に含まれる「作用」の振舞いに支配されるが、その作用が物体の様々なパラメーター(位置、速度)の変化に対して最も鈍い点(停留点、鞍点)が古典的経路となるのです。
摩擦みたいな不可逆な力、ではない力を「保存力」と言います。つまり、摩擦とかは「非保存力」です。保存力は、位置エネルギー(ポテンシャル)で記述されます。摩擦はミクロに見ると分子間の衝突などの保存力で表されるはず、という考え方があります。最小作用原理から導出される、オイラー・ラグランジュ方程式やハミルトンの正準方程式、ニュートン方程式は、保存力のみ含む場合、リュ-ビルの定理を満たします。リュ-ビルの定理とは、位相空間(縦軸が運動量p、横軸が位置q)における確率の保存を意味しています。原理的には全ての非保存力も微細に見れば保存力で記述されるべきならば、古典力学の基礎方程式は確率の保存を要請していると期待されます。
一方、量子力学も確率の保存を満たしています。その意味では、古典力学も量子力学もあまり変わらないといえます。量子力学の世界は普通、私達が暮らす古典力学の世界との違いが強調されますが、よく見ると色々な共通点も存在していることをに注意して下さい。
排反事象
[編集]お互いに排反である(矛盾している)事象A,Bの起こる確率に対して、単純な和の法則が成り立ちます。
もしも事象AとBが排反でない(特に矛盾していない)ならば、次の和の法則が成り立ちます。
量子力学では、波動関数の絶対値の2乗が、ある状態が実現する確率(確率密度)を表す事が知られています。
簡単な例ですと、ある物体が2つの量子状態を持つとします。波動関数はこのようになります。
すると、その波動関数に対応した確率密度はこのようになります。
ここで、
このは量子干渉と呼ばれ、ヤングの干渉実験での縞々に対応しています。ところが、次の関係があることがわかると思います。
符号はさておき、干渉は状態AとBが同時に起こる確率に相当します。つまり、量子力学においては、異なる量子状態の間に量子干渉が存在する限り、それらの状態を排反事象(矛盾する状態)であるとは言えなくなってしまう訳です。
例えば、有名なシュレーディンガーの猫の寓話においては、状態Aが生きている猫、状態Bが死んでいる猫であるとします。生きている、死んでいるというのはマクロの世界に生きている私達にとっては排反事象です。一方、原子が崩壊しているかしていないか、というミクロの世界の事象は、それらの状態間に量子干渉が存在する以上、排反事象とはいえなくなります。そこでミクロの世界の原子の2量子状態をマクロな世界の猫の2状態に一対一対応で投影した場合、猫の生きてる死んでるの状態も排反事象とは言えなくなるように思えます。
しかし量子力学は基本的に、ハミルトニアンが定義できる孤立系において発展してきた学問である事を思い起こして下さい。ミクロの原子は孤立系なのかも知れませんが、猫はどう考えても孤立系ではありません。デコヒーレンスの理論では、環境による熱的効果…ミクロに見るとそれは環境へのエネルギー散逸と環境からの揺動(ブラウン運動)に帰着する…が、量子状態間干渉を破壊する事が知られています。もしも猫を量子力学で記述できたとしても、私達が猫のためにこたつを用意してしまったり、それでなくとも猫の生体機能を維持するためには、箱の中の温度はそれなりに暖かくしておく必要があるでしょう…そのために、それらの熱的効果によってデコヒーレンスが生じ、私達が猫を見る見ないと無関係に、猫の状態は生きているか死んでいるかどっちかに決まってしまう事が予想されます。
dissipation-fluctuation///dephasing
[編集]デコヒーレンスは、量子状態間の干渉が環境効果などによって失われることをいいます。環境効果というのは、今、見ている物体そのものではなく、その周りからの影響をいいます。例えば、あなたが部屋にいて寒いとか暖かい、と思うのが環境効果です。寒い、というのはあなたの体温というか体の中のエネルギーが外界へと逃げていくのですから、これを散逸(dissipation)と言いましょう。一方、暖かいというのは外界にあるエネルギーで体内の物質が揺らいでいる訳ですから、これを揺動(fluctuation)と言いましょう。デコヒーレンスは基本的に揺動散逸によって起こると言っても良いかも知れません。参考文献によると、揺動等によって生じる、波の位相のずれ(位相攪乱:dephasing)が重要だと言われています。
この位相のずれというのがデコヒーレンスにおいて本質的だとも思います。光の話になってしまいますが、ヤングの干渉実験やニュートンリングの実験で綺麗な縞模様が出来るというのはあくまでも、理想的な(静的な)状況で実験しているからで、もしも外界からのノイズに悩まされた環境下で実験しても上手くいかないでしょう。光の波だけでなく、物体がもつ量子の波についても状況は同じと思われます。量子干渉の波は非常に細かいので、すぐに外界からの影響でつぶされてしまうわけです。
量子宇宙
[編集]量子力学の理論を信じれば、物体はさまざまな相反する状態を無数に取ることができる…この事が人々に様々な空想を与えました。量子力学を私達の宇宙全体へと応用すれば、その宇宙全体は相反する異なる量子状態を取る事が出来るはずです。そのため、私達の今見ている宇宙とは違う量子宇宙が無数に存在する。これを専門用語ではレベル3マルチバースとか言うらしいです。
物体を量子力学で取り扱うには、とりあえずハミルトニアンが決まっていれば良いでしょう。物理詳しくない方の為に説明しておきますと、「ハミルトニアン」というのは物体の全エネルギーを運動量pと座標qで書いたものです。さらに量子力学ではpとqを微分演算子で置き換えます。原理的にこれがわかっていれば、これをシュレーディンガー方程式に載せれば解く事が出来ます。ここで「解く事が出来る」というのは、「人間に解けるか」はともかくとして、原理的には答が存在するべきものという意味です。
宇宙に存在する粒子全ての位置と運動量、それらの相互作用を考慮した、私達の住む宇宙のもつ完全なハミルトニアンは、人間がそれを理解できるかはともかくとして、確実に存在するでしょう。そして原理的にはその解が無数に存在し、その中からただ一つの解(私達が今見ている宇宙)を選び出す方法を量子力学自身は用意していない。
それなら宇宙は異なる量子状態をたくさん持っていて、時々違う状態へとワープしても良さそうなものです。でも私達自身がそれを経験した覚えが無い。量子力学の多世界解釈に対してもそうなのですが、なぜ私達の世界が量子遷移で移り変わっていかないのかを説明しないといけません。覚えてないだけか?
観測によって状態がただ一つに選ばれる事を人間はうすうす気づいていましたが…そこで「私達の住む宇宙は私達が観測して選ばれた結果だ!」と主張しても、そうすると人類が存在しなかった原始時代なら宇宙は無数に存在したのか、という事になりそうです。宇宙の外側には誰もいないはずなので、宇宙の状態を一つに決めてくれる観測者もいません。
一見した所、「観測」を「デコヒーレンス」で置き換えても、状況は変わらないように思えます。宇宙の外側にはデコヒーレンスの原因となる「外部環境」は存在しない。
この問題については、筆者個人はそれなりの考えを持っていますが、もったいぶった言い方をすると「砂漠のバラ」とでも言うのか、そんな感じかも知れません。私達が見ている巨視的な宇宙はすべて「集団的自由度」であることに気をつけなくてはいけないでしょう。
数学的基礎
[編集]ある瞬間t、ある場所xにおける、物体の「状態」をと書く事にします。物体がはじめの時刻t0に位置x0にあったとしますと、となるでしょうか。そうすると、物体の「状態」の変化を記述する方程式、すなわち運動方程式は次のように書けるかも知れません。
ここで古典力学も含めて、全ての運動方程式、発展方程式がこのように書けるかどうかは判りませんが、 量子力学において(少なくとも短時間の変化なら)このように書けると思いましょう。その場合、発展演算子には「ユニタリ性」という条件がかかります。
この関係をユニタリ性(unitarity)と呼びます。ここで(dagger)は「エルミート共役(Hermitian conjugate)」を表します。
一見、これらの式は単純すぎるように思えます。しかし経験的に、物理学の基本法則は単純であると考えられているため、多くの人々にユニタリ性が受け入れられています(そして同時に、迷走の原因でもある)。もちろん、の具体的な形を色々考えたり、それ以外の付加的な項を与える事で、より実用的な式を作る事も可能です。しかし「実用的」という事は「正しい」「より真実に近い」という事を意味しない事に注意して下さい。
量子力学において、の具体形は次の様になります。
ここではハミルトニアンです。
ここで注意して欲しい事は、と書いたとき、これはハミルトニアンはの関数や演算子ですよ、という意味で、一方の中のは、単にハミルトニアンに時間が掛かってるだけです。また、ハミルトニアンは普通、時間微分含まないのでと書いても一緒です。
これらの式より、量子力学においては
となります。この両辺を時間tで微分してみましょう。すると、
よって
このようにして、時間依存型のシュレーディンガー方程式が得られます。
波動関数が時間依存部分と空間依存部分の積で書ける
(数学的には変数分離できる、物理的に言うと定在波があるよ)という場合に、時間に依存しないシュレーディンガー方程式
が導出できます。この形のシュレーディンガー方程式が一番見慣れている物だと思います。
経路積分
[編集]この形のシュレーディンガー方程式は、時刻t0,位置x0での波の形がわかっていれば、任意の時刻t, 位置xでの波の形がわかる、初期値問題になっています。波は、演算子によって伝搬していくといったイメージです。実際には、ホイヘンスの原理と同様に、波はあらゆる位置から集まってくるので、次のように書かれます。
意味わかりますでしょうか? ある時刻tある座標xでの波というのは、それ以前の時刻t0にあらゆる場所(無数のx0)にいた波のうち、位置xに向かってきたもの、の足しあわせになっているという事です。
このを演算子でなく、普通の関数で表す事が出来ます。これがファインマン博士による「経路積分(Path integral)」というテクニックです。
このをファインマンプロパゲーターと言うらしいです。その具体形は系のラグランジアンが2次形式(の2次の項まで含む)の場合、厳密に
となります。ここでは古典的作用積分です。指数関数の肩に虚数単位が入っていますので、これは実際には三角関数の様に波打つ関数になります。そしてその波のもっとも強い所が、この古典的作用積分で表されるような古典的経路となります。プランク定数よりも作用積分がずっと大きいエネルギー領域では、本当に古典的経路にそってしか波の山が存在しないらしく、この事が、私達の住む世界で古典的な運動しか実現しない理由と言われています。
このの式を変数 で微分してみましょう。
合成関数の微分法則を用いて
が極値のとき、これがですから、
が成り立ちます。これを多変数に拡張すると、
と、見慣れた形の最小作用原理になります。
カオスについての雑記
[編集]筆者はあまりカオスに詳しくないよ、と断った上で思い出しながら書きます。 誰かわかる方は、自由に直して頂いて結構です。
カオスというのは、初期値鋭敏性といいますか、最初の状態がちょっとずれるだけで 最終結果が大きく変わる事などいわれます。別の言い方をしますと、 2つの同じ種類の物体を極めて近い所に配置して運動させると、カオスでなければ それらは同じような運動しかしないと思われますが、カオスがある場合にはそれらは全く異なる運動をし始めるわけです。
よく言われるのがバタフライ効果といって、太平洋上でチョウチョが羽ばたいただけで、台風が発生する、というものです。これが正しいのかはちょっと僕にはわかりません。なんでかというと、カオス系でミクロに物体の動きを見る実験を行った場合には、初期値の僅かな差が大きな差になる事が起こるのは(イメージとして)わかるのですが、それを数多くの物体で同時に行う、さらにその実験自体を何回も行って統計量を取った場合(マクロに見るということ)、あまり面白い結果は出てこないのではないかと思うのです。
もちろん、実験回数最初の10000回の平均と、次の10000回の平均では結果は異なるはずですが、その差の原因が、たくさんある物体の中の、ただ一つの物体(バタフライ)の初期状態が異なるから、と言って良いのかという事です。むしろマクロ系において、カオス性は運動の初期状態の記憶を喪失させる働きをすると言われているので、海の上でチョウチョが頑張って羽ばたいた所で無駄だよ、とも言えるかも知れません。
その意味では、映画「バタフライ・エフェクト」で、主人公がいくら時間を巻き戻しても、彼女は救えなかったという事がとても意味深に思えます。まあ思うのは勝手ですし。
デコヒーレンスとか、不可逆性と言うと、カオスなどが重要なのではないかとは言われそうですが、個人的にはあまり本質では無いと思います、なぜかと言うと、カオス性が強ければ比例して量子性の減衰が大きくなる、というほど単純ではない様ですし、そもそもカオス性が無くともデコヒーレンスは起こっていると思われるからです。
カオスは安定多様体と不安定多様体の横断的交差で起こります。だそうです…。昔、集中講義で習いました。興味のある方は、奈良女の戸田先生の文献を頑張って探して下さい。
まあ、もったいぶった言い方するのもあれなので、はっきり書いてしまうと、個人的にはこのような横断的交差がデコヒーレンスあるいは不可逆性の出現における本質であると考えています。本当は自分がやりたかったんですけど、能力的にも経済的にも精神的にも限界なので、これからの若い人達におまかせする事にしましょうか。そんなことしても、社会は君達になにも与えてはくれないよ、とは言っておきますが(笑)。(註:ここでの「社会」というのは、国家体制の事では無く、人間の共同体としての社会を指します。)
「対称性」とデコヒーレンス
[編集]量子力学において「観測行為」は物体の波動関数を収縮させました。単純に考えると、観測行為はデコヒーレンスを引き起こすと思います。多分。「観測行為」は「観測データの固定」というような不可逆変化を伴わなくてはならず、そこにはごく僅かであっても(デコヒーレンスの原因となる)エネルギー的な揺動・散逸、言い換えると「環境効果」が存在するはずです。「観測装置」という「外部環境」とつながっているのですから、そう考えるのが自然。
デコヒーレンスは、一種の「対称性の破れ」と考える事も出来るでしょう。嘘が入ってしまいますが、シュレーディンガーの猫の例で考えてみましょう。箱の中の猫の状態は観測されるまで、「生」と「死」の重ね合わせを取っています(嘘ですが)。猫の可能な量子状態はそれら2つです。ところが一旦、観測されてしまえば、猫は「生」か「死」かのどちらか1つの状態しか取っていません。観測された時刻を基準として、過去には可能な状態が2本、未来には可能な状態が1本であり、過去と未来の対称性が破れています。時間に対する対称性が破れている訳です。
「環境効果」は対称性を崩す。
Caldeira-Leggettは、熱浴環境におけるデコヒーレンスを示した訳ですが、これは環境効果が対称性を崩した事を示したとも言えます。この環境効果による対称性の破れ、というのは日常生活でも経験していると思います。「こぼしたミルクは元には戻らない」とか言っても、その原因は地球があるからだろ、と。もし無重力空間ならば、コップからこぼしたミルクをまた元に戻すのは容易。
環境効果による対称性の破れは、色々と考えられると思います。それでも、対称性が破れている場合、それの原因が全て環境効果かどうかはわかりません。
小林さんと益川さんがノーベル賞を受賞されたので、「この私達の世界はなぜ物質でできているか」が話題になってたりしますね。あのあたりの話は不勉強で判らないのですが、CP対称性というのが重要だそうです。KEKの加速器実験でも示されたそうです。その対称性が崩れているのは、素粒子そのものの性質なのか、何か隠された自由度との結合があるのかは僕にはわかりません。勉強したい。
それでも、そのCP対称性の破れがそのまま、「この世界が物質で出来ている理由」なのかどうかは疑問です。 本当にビッグバンがあって、そこではエネルギー的に高温・高密度であったなら、加速器実験で可能な「希薄な状況」とは異なるはずです。環境効果(溶媒効果)としての粒子間相互作用が強ければ、素人考えでは、素粒子理論の人達が大切にしている「ユニタリ性」は成り立つのは難しいと思えます。熱的効果がCP対称性を破った可能性があると個人的には考えています。まあ、研究しないけど(笑)
参考文献
[編集]- ゴールドスタイン『古典力学(上・下)』
これは良い本なので、一家に1セットあると良いでしょう。
- アーノルド『古典力学の数学的方法』
これは難しいです。
- 高木伸 岩波書店新物理学選書『巨視的トンネル現象』
ブラケットで書かれているので個人的には苦手ですが、面白い。
- ファインマン/ヒッブス 北原和夫訳 『量子力学と経路積分』
経路積分を使うなら、一冊は欲しい所。
- ザスラフスキー『カオス-古典力学および量子力学系-』
粗視化とエルゴード理論などについて書かれていて面白いです。
- A.O.Caldeira & A.J.Leggett. Phys.Rev.A 31 (1985) 1059-1066.
熱浴によるデコヒーレンスについての基本論文。
- A.O.Caldeira & A.J.Leggett. Physica A 121 (1983) 587-616.
上の論文を読むならこれも無いと意味が無いですが、一般人には入手困難かも?