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トキポナ/練習2

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

今回使用する単語

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トキポナの単語は変形が無いという特徴を持っています。
逆に考えると一つの単語を様々な品詞として使えるということです。
これは漢字の使い方に近いかもしれません。
実際、各単語を漢字一文字ずつで表す試みも一部でなされています。
Classic Word List (Improved!)
また名詞には単数と複数の区別が無いということにも留意してください。


単語 フリガナ 意味(名詞) 意味(動詞) 意味(修飾詞) 意味(その他)
mi 私 ⇒ ona, sina 私の 代名詞: 一人称
sina シナ あなた ⇒ mi, ona あなたの 代名詞: 二人称
ona オナ その人、それ ⇒ sina, mi その人の、それの 代名詞: 三人称
jan ヤン 人、人々、誰か 擬人化する、人間らしくする、個別化する 人の、人々の、個人の、誰かの
li 分離符: 述部を導く
e 分離符: 目的語を導く
toki トキ 言語、会話 話す 話の 間投詞: やあ! こんにちは!
pona ポナ 簡単 改善する、修理する 良い、簡単な ⇔ ike
moku モク 食事、食べ物 飲食する、摂取する、消費する
telo テロ 水、液体 水をかける、洗う 水の、液状の ⇒ kon, ko, kiwen
suli スリ 大きさ 伸ばす、拡大する 大きい、高い、長い、大人の、重要な ⇔ lili

基本の文法

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トキポナの文章は 主部 述部 目的語 (SVO) 、もしくは 主部 補語 (SC) と表されます。


トキポナに語形変化は存在しません。
名詞が単数複数、性別、格などによって語形が変化することもありませんし、 動詞を変形させる活用、不定形、分詞などの要素は存在しません。
ということはある名詞が単数なのか複数なのかは通常わからないままですし、 必要が無いのにそこをあえて追求しようともしません。
この部分に関して言えば日本語に似ていると言えます。
また文中に時を指定する言葉が無いなら、それがいつ起きたものか特定する必要はありません。
加えて、トキポナの名詞には定冠詞や不定冠詞は一切付きません。


トキポナでは被修飾語の品詞に関らず、形容詞や副詞をまとめて「修飾詞」として扱います。
「修飾詞」は常に後ろへと配置します。
これは日本語と完全に逆の語順だと言えます。


述部や補語の先頭には分離符[li]が、そして目的語の先頭には分離符[e]が位置します。
これによって各語の意味を明確に導く働きをします。
(日本語で言うところの助詞と同じように機能します。)
逆に考えると、分離符[li]は後続の単語を強制的に動詞あるいは名詞や修飾詞に変化させ、 また分離符[e]は後続の単語を強制的に名詞化する、と言い換えられます。
これは明確な品詞判別の無いトキポナにとって重要な目印となります。


※注意: 主部が単語「mi(= 私・一人称代名詞)」 「sina(= あなた・二人称代名詞)」だけなら、その直後の分離符[li]を省略します。


基本の句

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では上の単語を使って簡単な言葉を作っていきましょう。


→ 言語 簡単,良い → 簡単な言語/良い言葉


「トキポナ」という名前はそれ自体が言語であることを意味していますから、 「トキポナ語」というのは少し奇妙な言葉になってしまいます。
それはさておき、修飾詞が後ろに置かれているのに注目してください。
トキポナでは修飾詞は後置にします。例外はありません。


基本の文

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  • mi jan . (主部が「mi」のみなので直後の[li]は省略される。)

→ 私は人です。(SC)

→ 水は良いです。(SC)
これは簡単ですね。S=C という文章です。
Cは名詞か修飾詞です。


  • mi moku .  (主部が「mi」のみなので直後の[li]は省略される。)

→ 私は(何かを)食べます。(SV) / 私は食べ物です。(SC)

  • sina suli .  (主部が「sina」のみなので直後の[li]は省略される。)

→ あなたは(何かを)大きくします。(SV) / あなたは大きい(背が高い/重要)です。(SC)
おや、「moku」や「suli」が動詞かどうかによって二つの意味にとれますね?
この単語が名詞あるいは修飾詞であればそれは主語の説明をしている文ですが、 動詞の場合は何か別のものに働きかけています。


このように主語に続く言葉が同じでも、それが動詞であるかどうかによってトキポナの文章の意味は変わってきます。
トキポナには簡単であることを良しとする思想があるため、文法に曖昧なところがあるのです。
でも安心してください。これは時に文章が複数の意味を持つというだけのことです。
それを悪く言えば駄洒落ですし、良く言えば詩的な言葉であるということです。
私たちが心掛けるべきは、わかりやすい文章で話し、相手の気持ちになって言葉に耳を傾ける、これだけです。
それは少し面倒かもしれませんけど、ちょっと素敵なことでしょう?
でも争いごとに使うにはあまり向いていない言語かもしれませんね。