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プログラミング言語/プロシージャ型言語

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

手続き型プログラミング(procedural programming)は、プログラムを「手順」(プロシージャ)として記述する最も基本的なプログラミング手法です。この手法では、処理を順序立てて記述し、それらを順番に実行していきます。

特徴と基本概念

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手続き型プログラミングには、以下のような重要な特徴があります:

  1. 処理の順序性
  2. 状態(ステート)の管理
  3. 変数の値の変化

具体例として、簡単な JavaScript のコードで説明しましょう:

// 手続き型プログラミングの例
function calculateTotalPrice(items) {
    // 変数の初期化(初期状態の設定)
    let total = 0;
    let discount = 0;
    
    // 合計金額の計算(状態の変更)
    for (let i = 0; i < items.length; i++) {
        total += items[i].price;
    }
    
    // 割引の計算(条件に基づく状態の変更)
    if (total > 10000) {
        discount = total * 0.1;
    }
    
    // 最終金額の計算と返却
    return total - discount;
}

このコードでは、以下のような手続き型プログラミングの特徴が見られます:

  1. 順序性: 処理が上から下へ順番に実行されます。最初に合計金額を計算し、その後で割引を適用します。
  2. 状態の管理: totaldiscount といった変数が「状態」として使用され、プログラムの実行過程で値が変化していきます。
  3. アルゴリズム的な思考: 問題を解決するための手順が明確に定義されており、それぞれのステップが順番に実行されます。

手続き型プログラミングは、特に初学者にとって理解しやすい方法です。なぜなら、人間が問題を解決する際の思考過程に近い形でプログラムを記述できるからです。ただし、プログラムが大きくなるにつれて、状態の管理が複雑になりやすいという課題もあります。

この手法は現在でも広く使用されており、特に計算処理や単純な処理手順を記述する場合に効果的です。オブジェクト指向プログラミングなど、他のパラダイムと組み合わせて使用されることも多くあります。