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プログラミング/式と演算子

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

プログラミングにおいて、演算子は基本的な構成要素の一つです。は、データや変数を使って計算や比較を行うための表現方法であり、演算子は式に対して行われる操作を指定する記号です。

この章では、式と演算子の基礎的な概念から始め、数値や文字列、論理演算など、プログラミングにおける様々なデータ型について解説します。また、演算子についても、算術演算子、比較演算子、論理演算子などの種類とその使い方を詳しく説明します。

ここを読むことで、プログラミングにおける式と演算子の基礎知識を身につけることができ、より高度なプログラミング技術を習得するための基盤を築けます。

式の基本

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数学では、は数や変数などの記号を組み合わせたもので、計算によって値を求めることができます。プログラミングにおいても、式は計算や処理の基本単位となります。

ここでは、式の構成要素や計算方法について説明します。まずは、数や変数といった構成要素を理解し、その後、式の評価や変形方法について学びます。

正確に式を理解し、計算する能力は、プログラミングを効果的に行うために欠かせません。この章を通じて、式を自在に扱えるようになりましょう。

式の構成要素

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プログラムにおける式は、以下の要素から構成されます。

  • オペランド:値、変数、または他の式を指します。例として以下が挙げられます。
    • 数値(例:34.5-2.1
    • 文字列(例:"Hello world!"
    • 変数(例:xyz
  • 演算子:オペランドに対して操作を行う記号です。主な演算子には以下があります。
    • 算術演算子:加算(+)、減算(-)、乗算(*)、除算(/)、剰余(%)など
    • 比較演算子:等しい(==)、等しくない(!=)、より大きい(>)、より小さい(<)、以上(>=)、以下(<=)など
    • 論理演算子:AND(&&)、OR(||)、NOT(!)など

これらを組み合わせることで、複雑な式を作成できます。

式の評価

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式の評価とは、式を計算し、その結果を得るプロセスを指します。評価された結果は、数値や文字列、論理値などの具体的な値となります。プログラミング言語によって評価の仕組みが異なる場合がありますが、以下に一般的な例を挙げます。

x = 5 + 3 * 2; // この式は、まず 3 * 2 が評価され、その後 5 に加算されます。

演算子

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演算子は、オペランドに対して特定の操作を実行するための記号です。ここでは、主要な演算子とその用途を説明します。

算術演算子

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算術演算子は、数値に対する基本的な計算を行います。

  • 加算+):3 + 47
  • 減算-):5 - 23
  • 乗算*):6 * 742
  • 除算/):10 / 25
  • 剰余%):7 % 31(7 を 3 で割った余り)

関係演算子

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関係演算子は、2つの値を比較して、真(true)または偽(false)を返します。

  • ==(等しい)
  • !=(等しくない)
  • >(より大きい)
  • <(より小さい)
  • >=(以上)
  • <=(以下)

論理演算子

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論理演算子は、ブール値の演算を行います。

  • &&(AND):両方の条件が真である場合に真
  • ||(OR):どちらかの条件が真である場合に真
  • !(NOT):条件を反転させる

代入演算子

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代入演算子は、値を変数に割り当てるために使用されます。

  • =:基本的な代入
  • +=-=*=/=%=:演算と代入を同時に行う

演算子の優先順位と結合性

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演算子には優先順位と結合性があります。これにより、複数の演算子が含まれる式をどの順番で評価するかが決まります。

優先順位

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演算子の優先順位が高いものから順に評価されます。例えば、*+ よりも優先されます。

x = 2 + 3 * 4; // まず 3 * 4 が計算され、その後に 2 が加算されます。

結合性

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同じ優先順位の演算子が並んでいる場合、結合性に従って評価されます。

  • 左結合性(例:+-*/):左から右に評価
  • 右結合性(例:=+=-=):右から左に評価

式の評価の例

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算術式の評価

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x = (5 + 3) * 2; // 括弧内が先に計算され、次に掛け算が実行されます。

条件式の評価

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if (x > 0 && x < 10) { // x が 0 より大きく 10 未満の場合に実行されます。 }

繰り返し文の評価

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for (int i = 0; i < 10; i++) { // i が 0 から 9 の間、繰り返します。 }

その他の演算子

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ビット演算子

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ビット演算子は、ビット単位で操作を行います。

  • &(AND)
  • |(OR)
  • ^(XOR)
  • ~(NOT)
  • <<(左シフト)
  • >>(右シフト)

インクリメント・デクリメント演算子

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  • ++(インクリメント):値を 1 増やす
  • --(デクリメント):値を 1 減らす

関数

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関数の定義

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関数は、一連の処理をまとめたもので、再利用性を高めます。

int add(int a, int b) { return a + b; }

関数の呼び出し

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int result = add(3, 4); // 関数 add を呼び出し、結果を result に代入

引数と戻り値

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引数は関数に渡される値であり、戻り値は関数が返す値です。

まとめ

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式と演算子を理解することは、プログラミングの基礎を構築するための重要なステップです。この章を通じて得た知識を応用し、より複雑なプログラムを構築できるようにしましょう。