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ラテン語 第五変化名詞

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

ラテン語 > 名詞 > 第五変化名詞

六つ目の型は、E型の格変化である。属格複数形が -ērum となることに着目して、こう呼ばれる。第五変化名詞はこのパターンしかない。

E型格変化:-ēs, -eī/-ēī

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主格単数形で -ēs 、属格単数形で -eī あるいは -ēī という形になる。「こと」を意味する「rēs, reī」、「日にち」を意味する「diēs, diēī」を例に挙げて、格変化を示そう。

格\数 (mumerus)単数 (singulāris)複数 (plūrālis)
主格 (nōminātīvus)-ēs (rēs, diēs)-ēs (rēs, diēs)
属格 (genitīvus)-eī/-ēī (reī, diēī)-ērum (rērum, diērum)
与格 (datīvus)-eī/-ēī (reī, diēī)-ēbus (rēbus, diēbus)
対格 (accūsātīvus)-em (rem, diem)-ēs (rēs, diēs)
奪格 (ablātīvus) (rē, diē)-ēbus (rēbus, diēbus)

呼格は、主格と同形である。

男性名詞の例

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diēs, diēī日(暦の / 単数では女性のこともある)

女性名詞の例

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aciēs, aciēī戦線、刃
effigiēs, effigiēī姿
fidēs, fideī信義(cf. bona fidēs, bonae fideī (善意))
materiēs, materieī物質(= māteria, māteriae)
rēs publica, reī publicae公共体(独:Gemeinwesen)
seriēs, seriēī繋がり、系列
speciēs, specieī顔付き
spēs, speī希望