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一般相対性理論

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
自然科学 > 物理学 > 一般相対性理論

ここではミンコフスキー空間の計量を ημν=diag⁡(1,−1,−1,−1) とする。

リーマン幾何学

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ベクトル解析では基底は、𝒆i=∂𝒓∂xi|∂𝒓∂xi| と定義していた。ここで、|∂𝒓∂xi| で割っているのは、規格化のためで必須ではない。そこで、基底として ∂𝒓∂xi を取ることが出来るだろう。基底として重要なものは変換則である。∂𝒓∂xi と ∂∂xi は同じ変換を受けるから、∂∂xi を基底として採用しても問題ない。これからは微分作用素のことをベクトルとして扱うことになる。これを、∂μ=∂∂xμ と略記する。

さて、基底 ∂μ によって張られる A=Aμ∂μ を反変ベクトルという。

双対空間の基底として、dxμ(∂ν)=δμν となる線形作用素 dxμ を定義すると、dxμ(A)=Aνdxμ(∂ν)=Aμ となる。これは反変ベクトル A から成分 Aμ を取り出す演算子である。dxμ を基底して Bμdxμ で表されるものを共変ベクトルという。

多様体において大きさを導入するためには、ベクトル解析における内積が必要である。リーマン幾何学における内積の対応物は計量 g と呼ばれる。計量は内積と同様に双線型形式である必要がある。したがって、

g(A,B)=g(Aμ∂μ,Bν∂ν)=AμBνg(∂μ,∂ν)

となる。ここで g(∂μ,∂ν)=gμν と定義する。

基底は ∂μ=∂x'ν∂xμ∂'ν と変換する。反変ベクトルを別の座標系で表すと、A=A'μ∂'μとなる。2つの基底の間の成分の関係は、

A=Aμ∂μ=Aμ∂x'ν∂xμ∂'ν=A'ν∂'ν

より、A'μ=∂x'μ∂xνAν と変換することが分かる。これは反変ベクトルの変換則である。

dx'i(A)=A'i=∂x'i∂xjAj=∂x'i∂xjdxj(A)

であるから、

dx'i=∂x'i∂xjdxj

との変換則を得る。

基底 ∂μ の平行移動を

∇α∂μ=Γαμβ∂β

で定義する。このとき

∇αA=∇α(Aμ∂μ)=∇α(Aμ)∂μ+Aμ∇α∂μ=∂α(Aμ)∂μ+ΓαμβAμ∂β=∂α(Aμ)∂μ+ΓαβμAβ∂μ

より、

∇αAμ=Aμ,α+ΓαβμAβ

となる。

∂μと dxμをいつくか組み合わせて、 ∂μ1⊗⋯⊗∂μr⊗dxν1⊗⋯⊗dxνs という量を作って、これによって張られるものをテンソルという。すなわち、テンソルは T=Tμ1⋯μrν1⋯νs∂μ1⊗⋯⊗∂μr⊗dxν1⊗⋯⊗dxνs と書かれる。

g を計量テンソルの行列式とする。計量テンソルの (μ,ν) 小行列式を g~μν とすると、

∂g∂gμν=g~μν=ggμν

となるから、

dg=ggμνdgμν

を得る。

d−g=−12−gdg=−12−gggμνdgμν

は、

∂−g∂xλ=−12−g∂gμν∂xλ

となるから、

Γλμμ=12gμν∂gμν∂xλ=1−g∂−g∂xλ

を得る。

また、ベクトル Aμ に対して、

Aμ;μ=Aμ,μ+ΓλμμAλ=Aμ,μ+1−g∂−g∂xλAλ=1−g∂(−gAλ)∂xλ

となる。

ついでに、ラプラシアンの極座標における表式を求めてみよう。

f;μ;μ=(gμν∂f∂xν);μ=1−g∂μ(−ggμν∂f∂xν)

極座標では、 gμν=diag⁡(1,r2,r2sin2θ) であるから、その逆行列は gμν=diag⁡(1,1r2,1r2sin2θ) となる。また、g=r2sin⁡θ [1]である。これらを代入することで、ラプラシアンが簡単に計算できる:

△f=f;μ;μ=1r2∂∂r(r2∂f∂r)+1r2sin⁡θ∂∂θ(sin⁡θ∂f∂θ)+1r2sin2θ∂2f∂φ2.

曲率テンソル

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曲率テンソル Rαβμν を

[∇μ,∇ν]Aα=RαβμνAβ

で定義する。ここで、[∇μ,∇ν]Aα=(∇μ∇ν−∇ν∇μ)Aα である。

∇μ∇νAα=∇μ(Aα,ν+ΓαβνAβ)=(Aα,ν+ΓαβνAβ),μ+Γαμλ(Aλ,ν+ΓλβνAβ)−Γλμν(Aα,λ+ΓαβλAβ)=Aα,νμ+Γαβν,μAβ+ΓαβνAβ,μ+ΓαμλAλ,ν+ΓαμλΓλβνAβ−Γλμν(Aα,λ+ΓαβλAβ)

となるが、Aα,νμ と ΓαβνAβ,μ+ΓαμλAλ,ν と −Γλμν(Aα,λ+ΓαβλAβ) は μ↔ν の入れ替えで変わらないから −∇ν∇μAα の対応する部分と打ち消し合う。∇μ∇νAα の残る部分は

Γαβν,μAβ+ΓαμλΓλβνAβ

である。よって、μ↔ν と入れ替えたものを引くと

(∇μ∇ν−∇ν∇μ)Aα=(Γαβν,μ−Γαβμ,ν+ΓαμλΓλβν−ΓανλΓλβμ)Aβ

となる。従って、

Rαβμν=Γαβν,μ−Γαβμ,ν+ΓαμλΓλβν−ΓανλΓλβμ

を得る。

リッテンソルを Rμν=Rαμαν で定義する。また、リッチスカラーを R=Rαα で定義する。

弱い重力場の計量テンソル

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速度 v≪c で、重力ポテンシャル ϕ の場の中にある質量 m の粒子の作用は

S=∫(−mc2+12mv2−mϕ)dt

で与えられる。一方、

S=−mc∫ds

であるから、

ds=(c−v22c+ϕc)dt

を得る。両辺を二乗して、v≪c となるから、

ds2=(c2+2ϕ−v2)dt2=(c2+2ϕ)dt2−d𝒓2

ここで、v2dt2=d𝒓2 を使った。また、計量テンソルは

ds2=c2g00dt2+g11dx2+⋯

で定義されるものだから、

gμν=diag⁡(1+2ϕc2,−1,−1,−1)

を得る。

アインシュタイン方程式

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電磁場との類推から、重力場のラグランジアンは、計量テンソルの一回微分 gμν,λ に関する二次の量 G であろう。しかし、 gμν,λ は任意の一点ですべて0とすることができる。このことは、局所慣性系で Γβγα がすべて0となることから明らかである。したがって、 G はスカラーではない。ところで、リッチスカラー R は

R−g=G−g+∂μDμ

の形に変形することができ、作用は

∫R−gd4x=∫G−gd4x+∫∂μDμd4x

のようになる。第二項の積分はガウスの定理よって、四次元の面積分に変換され、境界で δgμν,λ=0 という条件を課せば変分で第二項は消えることになる。

重力場のラグランジアンは κ を定数として

ℒg=−12κR

で与えられることが分かる。物質場のラグランジアンを ℒm とすれば、全系の作用は

S=1c∫(−12κG+ℒm)−gd4x[2]

となる。変分は、

δS=δ1c∫(−12κG+ℒm)−gd4x=−12κc∫(∂(G−g)∂gμν−∂∂xλ∂(G−g)∂gμν,λ)δgμνd4x+1c∫∂(ℒm−g)∂gμνδgμνd4x=1c∫(−12κGμν+12Tμν)δgμν−gd4x

である。ただし、Gμν,Tμν はそれぞれアインシュタインテンソルとエネルギー・運動量テンソルで、

Gμν=1−g(∂(G−g)∂gμν−∂∂xλ∂(G−g)∂gμν,λ)

Tμν=2−g∂(ℒ𝓂−g)∂gμν

で定義される。

δS=0 という条件から、アインシュタイン方程式

Gμν=κTμν

を得る。

しかし、まだアインシュタインテンソルの具体的な表式を得ていない。これを G から計算することは大変だから、直接変分することによって求める。

δ∫gμνRμν−gd4x=∫(δgμν(Rμν−12gμνR)+gμνδRμν)−gd4x

ここで、ある一点で Γβγα=0 となる局所慣性系を使うと、リッチテンソルは

Rμν=Γμν,λλ−Γμλ,νλ

となり、その変分は、

δRμν=δΓμν,λλ−δΓμλ,νλ

で与えられる。

また、 δΓβγα はテンソルだから、任意の座標系で

δRμν=δΓμν;λλ−δΓμλ;νλ

となることがわかる。

よって、

−ggμνδRμν=−g(gμνδΓμνλ);λ−−g(gμνδΓμλλ);ν=−g(gμνδΓμνλ);λ−−g(gμλδΓμνν);λ=∂λ(−ggμνδΓμνλ−−ggμλδΓμνν)

となるから、これは積分して0となる。

最終的に、

δ∫R−gd4x=δ∫G−gd4x=∫Gμνδgμν−gd4x=∫(Rμν−12gμνR)δgμν−gd4x

となるから、アインシュタインテンソルは、

Gμν=Rμν−12gμνR

である。

したがって、アインシュタイン方程式は、


Rμν−12gμνR=κTμν
(1)

となる。添字を上げて、

Rνμ−12δνμR=κTνμ

縮約を取ると、

R=−κT

となる。よって、アインシュタイン方程式は、T=Tμμ と置いて、


Rμν=κ(Tμν−12gμνT)
(2)

とも変形することが出来る。特に、真空中(Tμν=0)では、


Rμν=0
(3)

となる。

エネルギー運動量テンソルの表式を求める。電磁場のラグランジアン

ℒm=−14μ0FμνFμν

について、公式

∂−g∂gμν=12−gggμν

を使ってテンソルの微分を実行すれば

Tμν=2−g∂(ℒ𝓂−g)∂gμν=2∂ℒm∂gμν−gμνℒm

となる。ここで、

ℒm=−14μ0gμαgνβFαβFμν=−14μ0gμνgαβFνβFμα

となるから、

∂ℒm∂gμν=−14μ0×2gαβFμαFνβ=−12μ0FμαFνα

となる。すなわち、

Tμν=1μ0(−FμαFνα+14FαβFαβgμν)

を得る。これは、ミンコフスキー空間では、特殊相対性理論での電磁場のエネルギー運動量テンソルに一致する。

最後に、アインシュタイン定数 κ の値を求める。アインシュタイン方程式が、弱い重力場

gμν=diag⁡(1+2ϕc2,−1,−1,−1)

の極限で、さらに、静的な場合に、ニュートンの重力理論

△ϕ=4πGρ

に一致することを示し、定数を決定する。ここで、G は重力定数、ρ は質量密度である。

エネルギー・運動量テンソルは、

Tμν=(ρc2000000000000000)

T=g00ρc2

となる。アインシュタイン方程式の00成分は

R00=κc22ρ

となる。クリストッフェル記号は

Γμνα=12gαβ(∂νgμβ+∂μgνβ−∂βgμν)≈12ηαβ(∂νgμβ+∂μgνβ−∂βgμν)

と近似することができる。

また、リッチテンソルの ΓΓ の項は、二次の微小量となるから無視すると、

Rμν≈∂αΓμνα−∂νΓμαα

と近似できる。

さらに、静的な場合だから、 t に関する微分が0となることに注意すると、

R00=∂αΓ00α−∂0Γ0αα≈∂iΓ00i=−12∂i(∂0g0i+∂0g0i−∂ig00)≈12∂i∂ig00≈△ϕc2

となる。従って、

△ϕ=κc42ρ

となる。この係数は 4πG であるから、

κ=8πGc4

を得る。最終的にアインシュタイン方程式は、

Rμν−12gμνR=8πGc4Tμν

となる。

宇宙項

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S=1c∫(−12κ(R−2Λ)+ℒm)−gd4x

とすると、

δ∫2Λ−gd4x=−∫Λgμνδgμν−gd4x

となるから、アインシュタイン方程式は、

Rμν−12gμνR+Λgμν=8πGc4Tμν

となる。宇宙定数 Λ は通常小さい値のため無視することができるが、宇宙論的な議論をする際には重要になる。

シュワルツシルト解

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球対称な物質が作り出す重力場の真空解について考えよう。球対称な空間の計量は

ds2=A(t,r)dt2−B(t,r)dr2−r2(dθ2+sin2θdφ2)

の形になる。計算を簡単にするために、A=c2e2νB=e2λ とすると

ds2=e2νc2dt2−e2λdr2−r2(dθ2+sin2θdφ2)

となる。すなわち、

gμν=diag⁡(e2ν,−e2λ,−r2,−r2sin2θ)

gμν=diag⁡(e−2ν,−e−2λ,−1r2,−1r2sin2θ)

となる。真空中のアインシュタイン方程式(3)の Rμν を求める前に Γαβμ を求めなくてはならない。一見計算量が膨大だと思うかもしれないが、gμν は非対角成分が0であることによって割と簡単に計算できる。例えば、

Γαβμ=12gμν(gαν,β+gβν,α−gαβ,ν)

は、

Γαβμ=12gμμ(gαμ,β+gβμ,α−gαβ,μ)

となる。さらに、μ,α,β が相異なる場合は括弧内の部分に対角成分は存在し得ないから0となる。また、μ,α,β の2つのみが同じ整数の場合、括弧内の対角項のみが残る。例えば、

Γ001=12g11(g01,0+g01,0−g00,1)=−12g11g00,1=ν′e2(ν−λ)

である。μ,α,β がすべて等しい整数の場合は、

Γααα=12gαα(gαα,α+gαα,α−gαα,α)=12gααgαα,α

となる。これに従って計算してみよう。˙ は ct についての微分、′ は r についての微分を表す。

Γ000=12g00g00,0=ν˙

Γ100=12g00g00,1=ν′

Γ110=−12g00g11,0=λ˙e2(λ−ν)

Γ200=−12g00g00,2=0

Γ210=0

Γ220=−12g00g22,0=0

Γ300=−12g00g00,3=0

Γ310=0

Γ320=0

Γ330=−12g00g33,0=0

次に Γαβ1 について:

Γ001=−12g11g00,1=ν′e2(ν−λ)

Γ101=12g11g11,0=λ˙

Γ111=12g11g11,1=λ′

Γ201=0

Γ211=12g11g11,2=0

Γ221=12g11g22,1=−re−2λ

Γ301=0

Γ311=12g11g11,3=0

Γ321=0

Γ331=−12g11g33,1=−rsin2θe−2λ

次に Γαβ2 について:

Γ002=−12g22g00,2=0

Γ102=0

Γ112=−12g22g11,2=0

Γ202=12g22g22,0=0

Γ212=12g22g22,1=1r

Γ222=12g22g22,2=0

Γ302=0

Γ312=0

Γ322=12g22g22,3=0

Γ332=−12g22g33,2=−sin⁡θcos⁡θ

最後に Γαβ3 について:

Γ003=−12g33g00,3=0

Γ103=0

Γ113=−12g33g11,3=0

Γ203=0

Γ213=0

Γ223=−12g33g22,3=0

Γ303=12g33g33,0=0

Γ313=12g33g33,1=1r

Γ323=12g33g33,2=cos⁡θsin⁡θ

Γ333=12g33g33,3=0

となる。

次に、リッチテンソルを計算する。まずは、R10 を計算する。

R10=∂αΓ01α−∂0Γα1α+ΓαβαΓ01β−Γ0βαΓα1β=∂0Γ010+∂1Γ011−∂0Γ010−∂0Γ111−∂0Γ212−∂0Γ313+(Γ000+Γ101)Γ010+(Γ000+Γ111+Γ222+Γ333)Γ011−Γ000Γ010−Γ001Γ110−Γ010Γ011−Γ011Γ011Γ111

となる。ここで、

∂αΓ01α=∂0Γ010+∂1Γ011

∂0Γα1α=∂0Γ010+∂0Γ111+∂0Γ212+∂0Γ313=∂0Γ010+∂0Γ111

である。∂1Γ011=λ˙′,∂0Γ111=λ˙′ であるから、

∂αΓ01α−∂0Γα1α=0

となる。よって、

R10=ΓαβαΓ01β−Γ0βαΓα1β=(Γ000+Γ101)Γ010+(Γ000+Γ111+Γ222+Γ333)Γ011−Γ000Γ010−Γ001Γ110−Γ010Γ011−Γ011Γ011Γ111=(ν˙+λ˙)ν′+(ν′+λ′+2r)λ˙−ν˙ν′−ν′e2(ν−λ)λ˙e2(λ−ν)−ν′λ˙−λ˙λ′=2λ˙r

となる。アインシュタイン方程式より R10=0 となるから、

λ˙=0

を得る。すなわち、λ は t に依存しない。クリストッフェル記号のうち λ˙ を含む Γ110=λ˙e2(λ−ν), Γ101=λ˙ は0となる。

次に R00 を計算しよう。

R00=∂αΓ00α−∂0Γα0α+ΓαβαΓ00β−Γ0βαΓα0β=∂0Γ000+∂1Γ001−∂0Γ000+Γ000Γ000+(Γ010+Γ111+Γ212+Γ313)Γ001−Γ000Γ000−Γ010Γ001−Γ001Γ100=∂1Γ001+(Γ010+Γ111+Γ212+Γ313)Γ001−Γ010Γ001−Γ001Γ100

より、

e2(λ−ν)R00=ν″−ν′λ′+2ν′r+ν'2

を得る。また、R11 を計算すると、

R11=∂αΓ11α−∂1Γα1α+ΓαβαΓ11β−Γ1βαΓα1β=∂1Γ111−∂1Γ010−∂1Γ111−∂1Γ212−∂1Γ313+(Γ010+Γ111+Γ212+Γ313)Γ111−Γ100Γ010−Γ111Γ111−Γ122Γ212−Γ133Γ313=−∂1Γ010−∂1Γ212−∂1Γ313+(Γ010+Γ212+Γ313)Γ111−Γ100Γ010−Γ122Γ212−Γ133Γ313=−ν″+ν′λ′+2λ′r−ν'2

となる。アインシュタイン方程式 R00=R11=0 より、e2(λ−ν)R00+R11=0 となるから、

λ′+ν′=0

を得る。積分すると、

λ+ν=f(t)

となる。これは t=g(t′) の形の変換を施すことによって一般性を失うことなく

λ+ν=0

とすることができる。

最後に R22 を計算しよう。

R22=∂αΓ22α−∂2Γα2α+ΓαβαΓ22β−Γ2βαΓα2β=∂1Γ221−∂2Γ323+(Γ010+Γ111+Γ212+Γ313)Γ221−Γ221Γ122−Γ212Γ221−Γ233Γ323=(−1+rλ′−rν′)e−2λ+1

となる。λ+ν=0 とアインシュタイン方程式 R22=0 より、

(−1−2rν′)e2ν+1=0

となる。

(re2ν)′=1

を積分して、

e2ν=e−2λ=1−rgr

を得る。ここで、rg は積分定数であり重力半径と呼ばれる量である。最終的に計量は

ds2=(1−rgr)c2dt2−dr21−rgr−r2(dθ2+sin2θdφ2)

となる。さて、r→∞ の極限では弱い重力場

g00≈1+2ϕc2

に一致する。ニュートン力学おけるポテンシャル

ϕ=−Gmr

を代入すると、

rg=2Gmc2

となる。

重力波

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重力の効果が弱いとき、hμν を十分微小な量として、

gμν=ημν+hμν

と書くことができる。真空中のアインシュタイン方程式(3)によって計算する。クリストッフェル記号は、

Γμνα=12gαβ(∂νgμβ+∂μgνβ−∂βgμν)≈12ηαβ(∂νhμβ+∂μhνβ−∂βhμν)

となる。リッチテンソルは hμν に対する二次の項を無視すれば、

Rμν≈∂αΓμνα−∂νΓμαα=12(−ηαβhμν,αβ+hαν,αμ+hαμ,αν−h,μν)

となる。h=hαα である。ここで、ξμ を微小量として、座標変換 x'μ=xμ+ξμ をすることによって、ゲージ条件

hαβ,α=12δβαh,α

を課す事が出来る。ゲージ条件により、最後の三項は打ち消し合い、

Rμν=−12ηαβhμν,αβ=−12◻hμν

となるから、アインシュタイン方程式は、

◻hμν=0

と変形できる。これは波動方程式である。

相対論的宇宙論

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参考文献

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  • エリ・デ・ランダウ、イェ・エム・リフシッツ著、恒藤敏彦、広重徹訳『場の古典論(原著第6版)』東京図書(1978)
  • 中嶋慧、松尾衛『一般ゲージ理論と共変解析力学』現代数学社(2020)
  1. ^ −g の − は根号の中身を正とするために導入したものである。今回の場合は、 g は正だから g としていい。
  2. ^ 積分に係数 1c がついているのは、S=∫Ldt=∫ℒdtd3x=1c∫ℒd4x となるためである。