中学受験・高校受験の共通のガイド

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部活関係[編集]

女子高・男子校から共学化した中高の運動部[編集]

2010年以降の近年、女子高から共学になる私立学校、男子校から共学になる私立学校が少なからずあります。

注意点として、基本的に、「その学校に存在する部活の運動部の種類が、既存の男女別学の場合の部活に限られる」傾向が多いことです。特に、野球・ソフトボールやサッカーなどの広い敷地を使う屋外スポーツの運動部に、その傾向があります。

つまり、たとえば女子高から共学になった場合、基本的に(男子の)野球部とサッカー部が無い高校になります。ラグビー部やアメフト部は、無いです。

同様、男子校から共学になった場合、基本的にソフトボール部が無い高校になります。柔道部も無い可能性が高いです。

また文化部ですが、元男子校の共学は茶道部・華道部などが無いことが多く、おそらく和室そのものが用意されてない可能性が高いです。別に和室が無くても茶道などの練習は可能ですが、そういう設備状況だという事は覚悟してください。ほか、音楽室があるはずなのに関わらず吹奏楽部が無いことも多く、まるで工業高校みたいに音楽部しかない場合も2020年の現状ではあります。ただし、野球と違って吹奏楽は練習場所がそれほど広くないし、さすがにどの高校にも音楽室はあるので、吹奏楽部は時間がたてば解決するでしょうが、しかし予想として練習場所が狭く、合唱部と練習スペースを取り合う問題は残っています。


あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。


このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。

ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。

設備[編集]

私立・公立の文化・設備の違い[編集]

掃除[編集]

一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。

普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。

生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。

なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。

ただし中学の場合、もしかしたら私立でも、シツケの一環として雑巾そうじなどが時々あるかもしれません。

エレベーター[編集]

私立中学や私立高校には、エレベーターが設置されていることが多いようです。(非公開の私学もあるので、詳細は不明。伝聞(でんぶん)である。)

ですが、よほどの高層ビルの階数の多い私立学校でないかぎり(東京都心の学校にあるようなヤツです)、このエレベーターは車イス者や松葉づえ者のような身体障碍者(しょうがいしゃ)用の設備であるのが普通でしょう。基本的には、生徒は階段を歩いて上階に行く必要があります。

なお、地方などにある普通の中学高校の階数は(私立も高校も)3~4階です。3~5階くらいなら、歩いて階段を上ることになります。


私立に限らず、国公立でも、基本的に利用客の多い公共施設にあるエレベーターは、身体障害者用だけが利用できる設備です(ほか、重量物の運搬でしか、生徒は使う事が許されません)。たとえば駅にあるエレベーターなども、そのような傾向があります。

駅や学校など、利用者の多い公共施設では、電気代などを節約するため、障害者以外の使用は、本来は(公共施設管理者によって)禁止されているのが普通です。


公立中高はエレベーターが少ない

2020年代の現在、公立中学にはあまりエレベーターはなく、全国で27%ていどです[1]

これから少子化の進行・長期化で、(定員割れを起こす公立学校がどんどん増えて)公立学校が統廃合される見込みなので、公立中高に新たにエレベーター設置をする機運はおこりづらいと思います。

また、老朽化で解体する予定の古い校舎にエレベーターをつけても投資効果が低そうです。公立中高では、老朽化した校舎の建て替えの際などに、エレベーターが設置されるでしょうか。


トイレ[編集]
障害者用トイレ

なお、トイレに関しては、公立も私立も、中高とも、とりあえず障害者用トイレが少なくとも1つはあるのが普通です(エレベーターと違い、改修費用が低いので)。

ただし、校舎の全トイレの部屋にそれぞれ障害者用トイレがあるかというと、実際にはそうでない高校もあります[2]

多目的トイレの形の男女共用トイレがある学校もあるでしょうが、どちらかというと男女別々のそれぞれのトイレに、それぞれ1個ずつ障害者用トイレの便器があることのほうが多いと思います。(なぜなら男女共用トイレを増やすと、敷地が足りなくなるので)

建て替えとプレハブ校舎[編集]

私立か公立かに関係なく、校舎の建て替え(たてかえ)をする場合、教室がプレハブなどの仮設校舎になる場合があります。なお、中学・高校に関係なく、小学校や大学などでも同様の建て替えとプレハブ校舎の可能性があります。

公立小中の場合なら、少子化で余っている他校の教室などを使えるかもしれませんが、私立の場合はそれは難しいので(しかし全くの不可能ではない)、プレハブ校舎になる場合もありえます。

めったにない事ですが、一応、こういう事もあります。


ほか、受験とは関係ないですが、大型マンションが建設されるなどして急激に人口が増えると、特に学区の制限のつよい小中学校ではプレハブ校舎になる場合もあります。

急激に人口の増えた地区の学校など、プレハブ校舎を使うことになる場合があります[3]

海外「留学」ではなく語学研修である[編集]

私立の中高だと、海外での語学研修のある学園もあります。

一応、制度上は海外の高校で1年間の授業を受けることで日本の高校教育の単位(36単位まで)をとれる正式な長期「留学」制度もありますが[4][5]、しかしそれを採用している私立高校はかなり少数です。

英語以外のほかの科目は犠牲になる

けっして学校の週2~4コマていどの授業や、あるいは英会話学校・英語予備校などだけで、英語がしゃべれたり、ビジネスや仕事などで使えるようになりません。さらに、自発的な多くの学習時間が必要です。

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入塾の条件[編集]

そもそも、塾は誰でも入れるわけではありません。

集団塾は、集団で授業を受けるのが困難な子供の場合、入塾を断ることがあります。個別塾でも、事情によっては入塾が拒否されます。これを「入塾拒否」と言います。


日本語が理解できない

日本語が通じないのは、入塾拒否の対象です。

保護者が日本語が通じないのも、入塾拒否です。たとえ子供本人は日本語を出来ていても、保護者への連絡などのヤリトリが不可能なので、入塾拒否になります。

塾側からすると、通訳をいちいち雇用するわけにはいきません。

障害の有無と程度

たとえば身体障害が極端にひどく、目が見えない、耳が聞こえない、などの障害の場合、集団塾への入塾は難しいと思います。

視力が弱くてメガネでも入塾は出来ますが、さすがに視力ゼロみたいで視界が真っ暗なのだと入塾は無理です。

どうしても学校以外の民間の有料の教育サービスを使いたい場合、(集団塾ではなく)個別指導塾や家庭教師などを使うことになります。

塾の方針に賛同できない家庭は入塾お断り

塾には、それぞれ方針があります。たとえば、居残り学習の有無など。特に中高生の場合、女子でも居残りで帰宅が遅くなる場合もあるが、そういうのに賛同できるか等です。

逆に、居残りをさせない方針の塾もありえます。その場合、子供が自分で勉強する必要がありますが、そういうのに賛同できるかです。


ほか、飲酒の禁止、喫煙の禁止など、未成年を対象にするなら、どの塾にもこの方針があります。個別塾も同様です。

お金の支払いが遅いと退塾

塾の受講料などのお金の支払いが遅いのが慢性的だと、たとえ結果的にお金を支払っても、退塾させられる場合があります。なぜなら塾側からすると、入金の催促(さいそく)の電話とかでも講師の人件費を無駄にするからです。

極端に学力が低い

たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。

極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。

住所などを教えないなど

住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。

塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。

塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。

態度が悪い

極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。

子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。

子供の態度の悪さなら、授業中に私語が多い、授業中に歩き回る、などなど、退塾です[6]


ほかの塾生にも迷惑が掛かるので、退塾になります。

塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。

知能障害など

塾講師は、養護教諭ではないので、対応できません。よって、知能障害などは、入塾拒否です。

塾というのは、義務教育の学校ではないので、知能障害児は受け入れてもらえません。


暴力行為、暴言、その他の違法行為

退塾です。

入塾のタイムスケジュール[編集]

塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。

このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。

特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。


ほか、定員オーバーによって、つまり講師の数が足りない、教室の数が足りない、などの理由で、すぐには入塾できない場合があります。

事前に余裕をもって入塾しましょう。

塾の保護者会[編集]

高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります[7]。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。

いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。

もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。

あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。

合格実績・進学実績[編集]

塾の発表する、塾生の受験結果の実績は、進学実績ではなく合格実績であることが大半です。

塾生の進学実績の情報収集は、難しいのです。たとえば合格後に、塾生だった子が、塾をやめる可能性もよくあります。その場合、塾側からすると、高校入学前に塾をやめられます。このため、実際の進学先を見て確認することが塾はできず、とても進学実績の情報収集は難しいのです。

参考文献[編集]

書籍[編集]

なし(2024年03月31日の時点)

脚注[編集]

  1. ^ 『公立小中校舎のエレベーター設置は27.1%…文科省調査』 020.12.10 Thu 16:50
  2. ^ MBS NEWS 著『【高校トイレ改革】公立高のトイレに「温水洗浄機能」「音消し装置」も!学校選び対策で重要なトイレ改革(2022年5月12日)』 2022/05/12
  3. ^ 『少子化なのに教室不足?…熊本市立小中学校の2割プレハブ校舎使用、老朽化でトラブルも 』 2023/12/20 09:33 2024年04月10日に確認.
  4. ^ JAAC日米学術センター『在学留学と休学留学について』
  5. ^ 文部科学省 著『学校教育法施行規則の一部を改正する省令について(高等学校等における外国留学時認定可能単位数の拡大)』
  6. ^ 『入塾を拒否される』2022-01-21 18:00:20
  7. ^ 『塾の評判を高める、保護者会の上手な開催方法とは』2023.02.24